1.趣旨
沿岸域の将来像をめぐる議論の中で、いかに沿岸環境と生態系を保全、修復していくかが大きな課題となっている。行政的にも、環境影響評価法が制定され、海岸法や河川法が改正されたほか、港湾法、漁業法、漁港法などの改正が検討されるなど、大きな変化が進行している。こうした動向に対応して、(1)南北に長く、内湾や開放性といった地域特性の変化に富み、多様な利用が行われている沿岸域の管理のあり方、(2)沿岸環境の価値の評価法、(3)いつの時代のどのような沿岸環境を目指すのかといったGoalの設定の方法(4)住民や利用者の意見の反映方法、などさまざまな課題がある。
これらの課題に答える上で、関連分野の学会、研究者の役割は大きいと考えられるが、それにも関わらず、沿岸域を共通の研究フィールドとしている学会間の討論や共同研究の場は極めて限られていた。沿岸生態系の維持と修復には、関連する学会と研究者の間で共通認識を醸成し、専門家の英知を結集することが必要である。
こうした認識に基づいて、4学会の協力でジョイントシンポジウムを開催する。
2.テーマ
「これからの沿岸環境」
ー「沿岸生態系」の持続的利用、その維持と修復に「学」は何をなすべきかー
3.主催団体
土木学会海岸工学委員会
日本海洋学会海洋環境問題委員会
日本水産工学会
日本水産学会環境保全委員会
4.対象及び参加費
関連する分野の研究者、行政担当者、技術者
定員:200名
参加費(資料代を含む):一般 2000円
学生 1000円
懇親会会費: 5000円
参加希望者は、シンポと懇親会別々に、下の担当者に参加申し込みをして下さい(参加費は当日支払いして下さい)
土木学会事務局 海岸工学委員会
Fax:03−5379−0125
Email:isozaki@jsce.or.jp
5.日時・場所
平成12年7月4日(10:00〜17:00、懇親会は17:30〜19:00)
星陵会館(千代田区永田町2-16-2, Tel 3581-5650, Fax 3581-1960)
営団地下鉄「南北線」「有楽町線」「半蔵門線」の永田町駅6番出口より、徒歩3分
6.プログラム
(午前の部) 総合司会:中野晋(徳島大学)
10:00-10:05 趣旨説明:石川公敏(資源環境技術総合研究所)
10:05-12:20 1. 沿岸域の課題:司会 矢持進(大阪市大)
(1) 行政: 海域の環境アセスメント 渡辺綱男(環境庁環境影響評価課)
水循環と河川管理 若林伸幸(建設省河川環境課)
沿岸域利用 加藤 久晶(運輸省第一港湾建設局)
(2) 水産: 生態系管理型漁業
中村幹雄(島根県内水面水産試験場)
(3) 市民: 市民から見た沿岸環境 小埜尾精一(三番瀬フォーラム)
12:20-13:20 昼食休憩
(午後の部) 司会:田中昌宏(鹿島建設技研)
13:20-14:40 2. 学会の取り組みと現状報告
(1) 土木学会 今村文彦(東北大学大学院工学研究科)
(2) 日本海洋学会 風呂田利夫(東邦大理学部)
(3) 日本水産工学会 鈴木達雄(?間組土木本部港湾・海洋統括部)
(4) 日本水産学会 日野明徳(東京大学大学院農学生命科学研究科)
14:40-15:00 3. 沿岸環境の課題の整理 石川公敏(資源環境技術総合研究所)
休憩
15:20-17:00 4. パネル討論:司会 三村信男(茨城大学広域水圏センター)
(1) 海岸工学 灘岡和夫(東京工業大学)
(2) 沿岸海洋学 平井正風(三洋テクノマリン)
(3) 水産工学 糸洌長敬(東京水産大学)
(4) 水産学 日野明徳(東京大学大学院)
(5) 水産資源 中村幹雄(島根県内水面水産試験場)
(6) 市民 小埜尾精一(三番瀬フォーラム)
17:00 閉会
17:30-19:00 懇親会
ヴァン・ローゼ(シンポ会場近く)
会費:5000円