「環境水理部会研究集会2001in奥飛騨」の報告

 

環境水理部会研究集会2001 in 奥飛騨が,去る5月24日から3日間の日程で開催されました.槍・穂高連峰と笠ヶ岳連峰に囲まれた自然豊かな温泉地に国内各地から35名の研究者・技術者・学生が集まり,大自然の中で環境水理学に関する議論を活発に行いました.また当地は日本有数の土砂生産の活発な地域であることから,集会2日目の25日午後には京都大学防災研究所穂高砂防観測所を訪問し土石流や流砂の観測の実際について見学すると共に,格子型砂防ダムや大暗渠砂防ダムなどの砂防施設の見学も行いました.(見学会の様子は近日中にupする予定です)

 

以下に,研究集会における研究発表題目を記します.一部の発表につきましては,著者の同意を得て発表概要を公開しておりますので,クリックしてご参照下さい.

 

研究発表題目一覧:

特別講演「山地における土砂生産流出に関する観測−約30年間の継続観測から見えてくるもの−」 澤田豊明(京都大学防災研究所)

旧北上蛇行部における塩水遡上現象について 工藤健太郎(東京工業大学)

雨水・渓流水・地下水・池水の水素・酸素同位体比の時間変動について 石塚正秀(和歌山大学システム工学部)

谷中湖の貧酸素化について 黄 光偉(金沢大学工学部)

ダム貯水池における濁水流入現象について 山下芳浩(褐嚼ン技術研究所)

招待講演「地震・雷・火山・おやじに関する研究」 酒井英男(富山大学理学部地球科学科)

山地小流域における水質変化について 熊谷明子(東京工業大学)

森林からの蒸発散量の計測とモデル化 小杉賢一朗(京都大学農学研究科)

人為的排砂がイワナの生息に与える影響 木下篤彦(京都大学大学院)

山地・扇状地河川における魚類生息場の定量評価に関する研究 須藤達美(潟tジタ)

ヒル谷における土砂流出イベントとそのモニタリング 大野 哲(京都大学大学院)

急縮部における流れの遷移と数値解析 西本直史(日本建設コンサルタント梶j

土砂流出予測法の展望 江頭進冶(立命館大学理工学部)

公共事業とりわけ防災事業に対する住民意識に関する調査研究 小松利光(九州大学工学研究科)

環境水理学の行方 道奥康治(神戸大学)

 

 最後になりましたが,お忙しい中招待講演をお引き受け下さった富山大学酒井英男先生,特別講演をお引き受けいただいた上に現地見学会に関する種々のお世話をいただいた京都大学澤田豊明先生に厚くお礼申し上げますと共に,研究集会のために素晴らしい会場をご提供いただいた中部大学松尾直規先生をはじめとする中部大学関係者の皆様にこの場を借りて深く感謝いたします.

 

研究集会データ:

開催地:中部大学新穂高山荘(岐阜県吉城郡上宝村大字神坂字佳留萱(カルカヤ)577−68,TEL・FAX (0578)9-2572)

日 時:平成13年5月24日(木)〜26日(土)

内 容:招待講演(酒井英男,富山大学理学部地球科学科)

特別講演(澤田豊明,京都大学防災研究所)

一般研究発表(13件)

現地見学(穂高砂防観測所試験流域,大暗渠砂防ダム他) 

世話役:藤田正治委員(京都大学大学院農学研究科森林科学専攻)