土木学会 舗装工学委員会 歩行者系舗装小委員会
平成18年度 第2回委員会 議事録(案)
1.日時:平成19年3月15日(木) 15:00〜17:00
2.場所:土木学会役員会議室
3.出席者:竹内、柳沼、小野、小佐々、佐藤、竹田、田中、水野
欠席者:安藤、石田、亀山、唐沢、嶋崎、長谷川、姫野、村井、吉田
4.記録:柳沼
5.配布資料:
pw18‐2‐1 第2回歩行者系舗装小委員会 議事次第
pw18‐2‐2 第1回議事録(案)
pw18‐2‐3 歩道舗装の破損事例
pw18‐2‐4 歩道舗装の破損事例
pw18‐2‐5 ブロック系舗装の歩道部における破損の種類と原因およびその対策
pw18‐2‐6 ブロック系舗装の歩道部における破損事例
6.議題
1)第1回議事録確認
2)歩道の破損事例について
3)その他
7.議事:
(1)第1回議事録確認(pw18‐2‐2)
18年度第1回議事録は承認された
(2)歩道の破損事例について
1)小野委員から、資料pw18‐2‐3について説明。
@新宿区内の荷捌き車両の通行の多い商店街でタイル舗装の割れが発生(基礎工事は区の負担、表層のタイル工事は商店街負担、施工後10年経過)
・現場は車両制限がなく、4t程度が通行する。
・歩道のタイルは、車両が乗って接着性の不良で割れる。割れは目地付近で生じているように見え、たわみの影響(目地部でのたわみ差)も考えられる。
・一つ割れると連鎖的に破壊する傾向にある。応急的に区が常温合材で補修している。
・ILブロックを試してみたいが、タイルと比較して強度的にどうか?また、厚さの関係でコンクリート基礎をはつる必要が生じる。
・タイルとモルタルとの接着性を考えると、接着強度がどの程度必要か?
・樹脂系で良い材料がある。
・接着強度の評価方法として、建研式の引張り試験があり、剥れた時の力を供試体寸法(4×4cm)で割って求める。
・この方法の場合、繰り返し荷重による疲労や水浸状態が考慮されていない。
・新宿西口の歩道(区道)でもタイルの不陸や段差により躓きが起きている。
・東京都ではすべりの問題があり、あまりタイルを使用していない。
・タイルにすべり止めの樹脂を塗る、すべり止めシールの使用がある。
・コンクリート基礎の厚さについては、決めがないためメーカの資料によっている。
・汚水枡周辺の損傷は空洞による落ち込みが原因で、ビル建設時に道路とビルの間を地下掘削して山留めを外した時に空洞が生じやすい。
Aその他の破損について
・メトロレンガは寸法誤差が大きく、色が場所によって異なる。
・下落合の処理場でも、凸凹が少しある。
・人とくらしの道づくりで、歩道と車道の段差がないため車両が乗上げる所で縁石が破損する。
・三鷹のゼロ段差の所でも同じような現象が発生している。
・透水性舗装の骨材飛散は、施工性に問題があるのと、自転車のスタンドによる剥離もある。
2)水野委員から、資料pw18‐2‐4について説明。
@タイル舗装の破損について
・タイルの目地から白華現象が発生。
・壁沿いから離れた位置で、モルタル層から剥離してタイルの競り上がりが発生。
・枡蓋上に貼ったタイルで剥離が発生。
・下地モルタルとの剥離やタイル自体の剥離が発生。
・単純桁にスラブを載せた橋上(駅広)で、新聞屋のトラックがたまに入る程度でタイルに割れが発生。タイルのトラブルが多い。
・タイルの下地コンクリートが割れ、タイルから雑草が生えている(リフレクションクラックか?)。
A透水性玉砂利舗装の骨材飛散について
・脱色バインダー使用で、練り混ぜ時の温度が高くて転圧時に骨材が飛ぶ。
・都で実施した歩行実験で評判が良く、歩き心地も良い。硬さはGB、SB係数で評価している。GB、SB係数の評価は試験法としてひとつの課題である。
B根上がりについて
・13年目の桜(ソメイヨシノ)で、透水性舗装の上まで根が上がっている。
・歩道では、根上がりによる段差の対策が必要。
・三鷹市の富士街道では、車道に木の根が飛び出した例がある。
・根上がり対策として道路の線形を変えた例(人見街道)がある。
・平成18年度に神田川でシートを使用。今後観察予定。
・根上がりをアスファルトでオーバーレイしたことがある。
・値上がりの補修事例が無いか、田中委員が東京都街路樹係に問い合わせる。また、各委員においても対策事例を確認する。
Cその他
・郡山駅前の事例(車道にILブロック舗装とピンコロ舗装、街渠にピンコロ舗装)で、車が常に止まる影響か、加速による影響か、目地がばらばらになりわだち掘れも発生している。
・公園内の土間コンクリート(版厚7〜10cm)通路で、杉板目地で段差が発生。
・薄層の天然石舗装で連続的な沈下が発生。
・コンクリート版の浮き上りは、下部の洗掘が原因か?
3)柳沼委員より、資料pw18‐2‐5、6について説明。
@マンホール周りのILブロック舗装のがたつきは設計時に対策が必要。
AILブロック舗装では、敷砂の厚さや品質に起因(再生砂の使用等)して段差や局部沈下が発生しやすい。
B強化板は3年位前から使用。
C東京都では再生砂を使用していない。
D都には、維持管理基準的なものが無く、苦情や陳情によっている。
Eブロック系による歩道の化粧は平成に入ってからであり、昭和63年に早大通りの歩行者優先道路でタイルが施工された。
F新宿区では園路に平板を使用した。
(3)次回について
@各社で過去に取ったデータを提出する。
・都では、都道160kmを対象に勾配を調べ、改善した箇所をピックアップし、歩きやすくなったか、使いやすくなったか調査したことがある。
・佐藤先生が実施した、すべりやすさとBPN、GB・SB係数との関係
・建研式の引張り試験のデータやダムで測定した歩道舗装の平たん性のデータ等
A各社で保有している歩道関係で使用できる試験器や試験法案を提出する。
B次回は5月18日(金)15〜17時の予定で開催。
以上