土木学会 構造工学委員会


Task Committee on Public Consensus-making and its Evaluation in Performance-based Design

委員長: 香月 智(防衛大学校)


 

 
委員名簿
WG別委員名簿
 
土木学会
土木学会構造工学委員会

 

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小委員会趣旨

近年,性能照査型設計体系への移行に関する関心が高まっている.これは,設計自由度を向上させることによって,市民の多様な要求に応えると同時に,新技術の導入機会を大きくして,コスト縮減できる高度な土木技術の育成を図ることを目的としているものと考えられる.残念ながら,土木分野においては,構造物の有する公共性を反映させる必要があるため,具体的に確定した体系にはなっていないが,建築基準法の改定によって先行的に実用化が進みつつある建築分野の動向から察するに,性能照査型設計体系を支える基礎技術として,以下の技術が実用的に整備される必要がある.

すなわち,

  1. 市民との対話に有用な性能表現力
  2. 言語表現化された性能と設計技術者へ与える具体的数値目標性能の整合化
  3. 多様な代替案を提示するための,設計技法ごとのフィージブル解(最適解群)の迅速な提示
  4. 設計結果または施工管理・結果に対する性能照査の信頼性評価
  5. 構造物のライフサイクルでの不確定性を考慮した性能評価

などである.

本小委員会では,従来の設計体系において個別に培われていた最適化技法および信頼性解析技法の研究に加えて,感性工学や認知科学などの技法を総合的に取り入れた,性能照査型設計体系の各意思決定段階における数理技術の検討・分析を行うとともに,具体的な土木構造物への応用に資する技術の掘り起こしを行うものである.

活動内容

  1. 市民との対話に有用な土木構造の性能とその表現法の検討と提案
  2. 具体的数値目標性能の導出方法の検討
  3. フィジビリティ解探索・最適化技術
  4. 設計・施工結果に対する公正な信頼性評価手法

以上の技術について,性能照査型設計体系の段階ごとの適用技法について分析・調査するとともに,個々に確立された手法について具体的適用例をまとめる. 本成果は,成果報告書にまとめる.なお,本小委員会の活動を促進することおよび成果の中間的発表の場を与え,学会員への情報提供するために,構造物のシステム最適化シンポジウムを開催する.また,最適設計研究会や建築分野と共同して活動中の信頼性設計技術ワークショップなどとも協調した活動を行う.