共通セッションテーマ


年次学術講演会では7部門に分かれたセッションを設けます,さらに,これらの7部門を越えた研究および複数の部門に関連する研究のテーマを対象として,共通セッションを設けます.

 今年度の共通セッションには,下記の16件が仮テーマとして選定されました. 共通セッションにおける講演を希望される方は,第一志望欄に希望するセッションを明記して下さい.電子申込みの場合は,セッション選択ページから希望のセッションを選択してください.紙面申込みの場合は,CS○(○はセッション番号)と記してください.

また,仮テーマが成立しない場合のために,第二,第三志望欄に一般セッションの部門・名称を必ず書いて下さい.

共通セッションの最終的なテーマ名および構成は,講演申込み完了後,全国大会委員会で決定されます.申込み状況により,共通セッションを構成するに不十分なテーマについては,従来どおり各部門における発表とします.

なお,共通セッションの講演概要もCD-ROM版講演概要集に掲載されます.


共通セッションテーマ一覧
CS1 計算力学

 次の各分野における計算技術の発展・展開に関する研究を募集する.
(a) FDM,FEM,BEM,メッシュレス法等の解析手法.
(b) 高速解法,アルゴリズム,適応型計算法,モデル生成,可視化手法,並列計算,マルチスケール法等の計算力学手法.
(c) 破壊問題,大変形問題,材料非線形問題,接触問題,動的問題,波動問題,固体流体連成問題,乱流,移動境界問題,地球環境・気象,騒音問題,逆問題,最適化・制御問題等への応用

CS2 メインテナンスとリニューアル−持続可能社会への挑戦−

 少子高齢化や構造物の老朽化が進む中で,我国の経済・社会の基盤である既存の社会資本を,出来る限り小さい負担で合理的に維持し保全することが強く要請されている.本セッションは,ライフサイクルアセスメントおよびマネジメント,情報システム化,点検/計測/モニタリング,補修/補強,リサイクル,人材育成/資格制度などの視点から,部門横断的かつ多面的に持続可能社会実現のための土木技術のあり方を考える場としたい.

CS3 火山工学

 本小委員会では,工学の立場から火山の恵みと災いに関する調査・研究を行ってきている。有珠山,三宅島での噴火災害,岩手山,磐梯山,浅間山の火山性地震,富士山の低周波地震等が発生しており,火山災害対策の必要性が高まっている.
 本セッションでは,火山の恵みと災いに関する事例研究を対象とするとともに,火山防災教育のあり方や都市での火山災害対策や火山防災計画などに関するテーマも対象とする.そして,火山工学という学問分野を確立するための議論も行う.

CS4 情報社会基盤の創発に向けて

 IT技術の進歩は土木工学の分野にも多大な影響を及ぼしている.高速大容量計算とネットワークは生産側の省力/効率化の可能性と,消費側の人間を中心とした増力化/快適化の可能性を拓きつつある.一方で高度情報通信放送システムが他の技術と融合し,多相的(multi-modal)社会基盤を形成している事例もある.本セッションは従来の社会基盤整備のあり方を再検討しつつ,あるべき情報社会基盤の姿を考える場としたい.

CS5 地盤災害のリアルタイム検知技術

 地震,土砂災害など自然災害が多い日本では,それらを防止する対策とともに,災害の発生をすみやかに検知する技術の確立が望まれる.最近ではさまざまな計測技術,情報処理技術を駆使して,災害を検知する研究が行われている.エネルギー土木委員会リアルタイム地盤変状検知小委員会ではこれらの検知技術の現状と未来について研究活動を行っているが,全国大会の1セッションとして関連する研究者にも参加してもらい討議することを考えている.「地盤災害をいかに計測し分析するか」,「得られた情報をどのように展開して防災対策に役立てるか」について小委員会委員と委員会外の研究者の発表・討議を行い,技術展望を確認する.

CS6 廃棄物のリサイクルによる新しい土木材料の開発と適用

 建設発生土や浚渫土,コンクリート廃材,石炭灰などの大量に発生する「廃棄物」を,新しい土木材料として再利用する技術の開発と適用が各分野で進められている.これらのリサイクル材料の開発と普及においては,技術(材料の工学的特性)のほかコスト,安全性(環境影響評価など),法律などの課題があり,複数の部門における知見を集めてよりよい解決策を探る.

CS7 道路橋床版

 道路橋示方書の改訂により,設計法が性能照査型へと移行し,設計の自由度が大きくなった.これにより,床版においては,新規建設での長支間化,既設橋梁の補修・補強などの維持管理に対応するため様々な技術革新が図られ,構造改革が一段と進むと考えられる.ここでは,これらの技術を紹介し,課題や解決策を討議することにより,今後の技術発展を図る.

CS8 流域管理と地域計画の連携

河川は,治水,利水,環境と言った多様な側面で地域と密接な関わりを持っており,そこに生じる諸課題には,水工学と土木計画学が連携をして取り組むべき課題が多く存在する.本セッションは,河川をキーワードに,流域管理と地域計画の連携の視点から取り組んだ研究について,幅広く議論を展開し,今後の連携研究の活性化,新たな研究テーマの発掘を目指す.

CS9 土木分野におけるデジタル画像の利用と可能性

高画質で低価格なデジタルカメラの急速な普及や画像解析技術の進歩によって,設計・施工データのビジュアル化や工事写真管理,現場計測などにデジタル画像が手軽に利用されるようになってきた.また,動画像も低コストでコンピュータで扱えるようになり,デジタル画像利用の新たな可能性が期待される.
 本セッションでは,これらのデジタル画像を土木分野へ適用する種々の試みや事例に関する論文を募集する.

CS10 地下空間の多角的利用

地下空間を有効利用するために,総合的な観点(都市計画,法制,経済性,心理,生理,防災,環境,建設,維持管理,歴史,文学等)から,価値を再認識することが本セッションの目的である.ここでは都市部に限らず,幅広く地下空間利用の実例について注目し,多角的な利用を推進するための新しい視点・技術の提案,最新の知見を駆使した計画・実例を紹介する.

CS11 放射性廃棄物の処分技術

放射性廃棄物処分は,具体化に向けて処分技術の体系化の時期を迎えている.地層処分における地下施設の設計・施工は土木技術に基づく事業であり,土木技術者が責任を持って対処することが求められている.その現実に向けた課題は,耐震,岩盤物性評価,地下構造物設計,地下水流動,コンクリートの長期的耐久性評価など多岐にわたる.そのため,各部門の研究者が,議論できる場を提供するものである.

CS12 都市震災の危機管理

我々の生命と社会,環境を地震災害からいかに守るべきか?震災に伴う損失を最小限に留めるため,リスクのコントロールとファイナンスがある.最近では,防災戦略の判断材料を合理的に提供する上で地震リスク・クライシスマネジメントの手法が用いられている.本セッションでは,1)震災前後の時系列的展開、2)ハードウェア、ソフトウェア、ヒューマンウェアに応じた危機管理に関する種々の試みや事例研究を募集し,これからの都市震災軽減方策のあるべき姿を探る.

CS13 土木学会策定の土木CAD製図基準の果たす役割と今後のあり方

CALS/ECの進展により,国土交通省をはじめ様々な発注機関で電子データ化を反映した独自のCADに関する標準・基準が策定されている.また,土木学会では維持管理も考慮した「土木CAD製図基準」を策定中である.本セッションでは,これらの各製図基準を包括する形で土木学会がCAD製図基準を策定する意義と公共事業が管理側に重心をシフトしつつある中で維持管理にも焦点をあて,今後の土木CAD製図基準のあり方について議論する.

CS14 土木教育技術 −国際的に通用する技術者の育成に向けて−

土木界においては,国際的に通用する土木技術者の育成とその技術力の確保が喫緊の課題である.技術者教育プログラム,技術者資格制度,継続教育(生涯学習)及び倫理教育,建設マネジメント,情報技術(IT)等の新分野教育ならびに教育の国際交流や女性,外国人技術者の育成等の課題についての研究を促進することが重要である.これらは従来の技術分野の横断的課題であるため,共通セッションとして研究の深化を図るものである.

CS15 Codes and Standards, Code Harmonization in the Asian Region
    (設計基準と設計標準、アジアにおける基準の統一化の動向)
     ※英語発表によるセッションとし,英語を優先タイトルとする.

Considering the recent trend towards globalization, code harmonization in the Asian region is one of the most vital tasks for civil engineers. International projects in the Asian region have been planned and executed much more than in any other region in the world, and there is a big conflict over which standards to apply in countries that do not possess their own codes. This problem may hinder the efficient development of Asian infrastructure. In this session, Asian code harmonization attempts in various fields are accepted.

近年の国際化の動向を鑑みると,アジアにおける設計基準の統一化は重要な課題である.アジアでは,他の地域に比べると国際的巨大プロジェクトが目白押しであり,自国の設計基準を持たない国でどの基準を適用するかは大きな争いとなっており,健全な社会基盤整備を阻害しかねない問題である.多くの分野におけるアジアコードの取り組みについて,紹介されることが期待される.

CS16 International Projects and Environmental Consideration - Case Studies
    (国際プロジェクトと環境への配慮-ケーススタデイ)
     ※英語発表によるセッションとし,英語を優先タイトルとする.

Design, management, construction and maintenance in overseas infrastructure projects by Japanese companies have been increasing in recent years. This session presents technical information regarding environment-conscious design and construction under various circumstances in different countries. Papers featuring examples of engineering significance on construction, management and environmental conservation in international projects are accepted.

日本の企業による国際プロジェクトにおける,設計,管理,施工,維持補修などの事例が増大している.このセッションでは,諸外国の種々の条件の元で,環境に配慮した設計,施工が行われていることについての技術情報の共有化を目的とする.このため,国際プロジェクトにおける,環境保全設計,施工事例を紹介する.


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