独立行政法人土木研究所 寒地土木研究所
(住所:札幌市豊平区平岸1条3丁目1番34号)
寒地土木研究所の概要
寒地土木研究所(写真-1)は、寒地土木技術に関する研究開発、技術指導、成果の普及等を行うことにより、土木技術の向上を図り、良質な社会資本の効率的な整備及び北海道開発の推進に資することを目的に設立された、我が国唯一の寒地土木の研究機関である。昭和12年8月に内務省北海道庁土木部監理課所属の土木部試験室として発足し、平成24年に創立75周年を迎えた。北海道に拠点を置く寒地土木研究所がこれまで研究開発した寒地土木技術は、北海道内はもとより本州以南の積雪地域へも開発技術の普及を進めている。また、アジアを中心とした国外の積雪寒冷地にも研究成果を普及すべく、国際的な研究連携も図っている。研究グループは寒地基礎技術研究グループ、寒地保全技術研究グループ、寒地水圏研究グループ、寒地道路研究グループ、寒地農業基盤研究グループの5つから成り、日夜研究に励んでいる。
写真-1寒地土木研究所外観 |
現場見学会の様子
はじめに会議室で寒地土木研究所の概要、研究内容等についての説明をしていただいた(写真-2)。資料を用いながら寒地土木研究所の積雪寒冷地域での役割、実際に利用されている技術についての説明を受け、研究所への理解を深めることができた。
写真-2 会議室での説明の様子 |
寒地基礎技術研究グループ、寒冷地盤チームのユニットへ移動しチームで行っている研究内容の説明、また、国内最大規模の遠心力載荷装置を見せていただいた(写真-3、4)。
写真-3 説明の様子 |
写真-4 遠心力載荷装置 |
遠心力載荷装置は従来より行われている多くの時間と費用を要する現場実験や室内模型実験に変わる新しい実験方法である。室内模型実験では再現することのできなかった土構造物の実際の自重を遠心加速度を利用することにより実現し、実物と同様の変形や破壊挙動を得ることができる。また、加振装置を用いることにより地震時における土構造物の挙動の再現も可能としている。
次に寒地基礎技術研究グループ、寒冷地盤チームのユニットへ移動し研究の内容説明、また凍害用ランダム走行試験機を見せていただいた(写真-5、6)。
写真-5 説明を受ける学生と |
写真-6 説明の様子 |
凍害用ランダム走行試験機を使用し、劣化損傷特性も考慮した適切な補修・補強技術、予防保全対策としての高機能防水システム等の開発を行っている。
参加者
・ | 北海道大学 | :修士1年1名、学部2年6名 |
・ | 北海学園大学 | :修士1年1名、学部4年4名 |
・ | 北海道工業大学 | :修士1年1名、学部4年5名 |
おわりに
今回参加した学生から「就職する前に寒冷地域の土木を支える研究機関を見学でき来年からの意欲が湧いた。」「これらの研究成果を活かせるような技術者に将来なりたい。」等の意見を聞くことができ、これからを担う土木技術者の成長に少しでも協力することができたのではないかと思う。
参考
独立行政法人 土木研究所 寒地土木研究所 (http://www.ceri.go.jp/)