今年度のVISIT 事業では、一般国道275 号江別北道路新石狩大橋と3・3・304 号南大通の現場見学をさせていただきました。
一般国道275 号江別北道路新石狩大橋
一般国道275 号は、札幌市を起点として当別町、月形町、浦臼町等を経由して浜頓別町までの延長約282km の幹線道路で、道央圏と道北圏をつなぐ重要な路線です。
このうち江別北道路は、2 車線区間のボトルネックによる交通混雑や交通事故の低減を図り、道路交通の定時性、安全性の向上を目的とした、江別市角山から篠津にかけての延長3.5km の4 車線拡幅事業です。
ここでは、橋脚施工で行ったニューマチックケーソン工法についての説明と実際に施工中の橋梁を見せていただきました。ニューマチックケーソン工法とは、水の浸入を空気の圧力によって防ぐ原理を応用したものです。オープンケーソンが両端にふたがない筒であるのに対して、ニューマチックケーソンは、ケーソンの下部に気密作業室を設け、そこに圧縮空気を送り込んで地下水の浸入を防ぎ、地上と同じ状態で掘削ができるようになっています。また、掘削・排土作業の能率向上と高気圧下の労働環境の改善を目的として開発されたケーソン遠隔操作技術を導入した現場となっています。
新石狩大橋(札幌方面)
新石狩大橋(当別方面)
3・3・304 南大通
南大通は、江別市の中心部と東部をつなげる幹線街路です。しかし、当路線の橋梁部が未整備なため中心部と東部地区は千歳川で分断されています。東部地域は水害を受けやすい地域であるため、洪水時の避難先である大麻・野幌方面への避難ルートの確保が急務となっています。また、東西連絡ルートが少ないため、周辺道路において道路混雑が発生している状況です。
本路線を整備し分断を解消することで、洪水時の避難ルートを確保し、ならびに道路混雑を緩和することが目的となります。また、この路線を整備することで上記以外にも、野幌周辺から江別東インターチェンジや道央圏連絡道路とのアクセスが向上することから、利便性の向上が期待され、他にも、江別市がブランド化に力を入れて、現在では道内生産の半数以上を占めているハルユタカを、生産地から野幌のJA集荷施設まで搬送するためのアクセスが向上することで、農作物流の効率化が期待されています。
3・3・304南大通の橋梁(札幌方面)
3・3・304南大通の橋梁(岩見沢方面)
終わりに
今回、台風の影響で現場見学会の開催も危ぶまれましたが、雨の勢いも衰え、当日には小降りになり、延期することなく開催することができ、雨天決行でありながら多くの学生が来くださいました。
一般国道275号江別北道路新石狩大橋と3・3・304南大通を見学させていただき、学校の講義でしか聞いたことのなかったケーソン工法の詳しい説明や道路が完成し発生する整備効果など、学校の講義だけではわからないことや道路整備がどれだけそこに暮らす人々の生活に大きな影響を与えるかを知ることができてとても勉強になりました。
また、現場見学会後に企業の方々との意見交流会を行い、来年から社会人になる学生やこれから就職活動を控えている学生にとって大変参考になるお話を聞くことができました。
今回、VISIT広報委員会の皆様を始め、直前に発生した台風の影響による災害復旧作業で多忙の中、時間を割いて協力していただいた北海道開発局、北海道庁、建設会社の皆様には大変お世話になりました。ここに感謝し深く御礼申し上げます。