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綱ノ瀬橋梁は、延岡市北方町と日之影町の境界を流れる綱ノ瀬川と五ヶ瀬川の合流点に架かる鉄筋コンクリートの連続アーチ橋梁である。中央に大スパンのアーチを架け、その両側に42連の小スパンのアーチを連続させて並べた景観は、壮観かつリズミカルでもある。また、アーチを支える橋脚は白い荒々しい岩盤に立脚し、アーチの列は屈曲した流れに対し整然と連なり、その幾何学的な構成は、変化に富む周辺の自然と好対照である。同時に、歳月を経るなかで自然と融合し、一体化しつつ、見る人に親しみを増している。現在は、本橋の北東約140mの地点に槇峰大橋が架かっており、新旧の橋梁が調和した見事な景観を創出している。
本橋梁は、昭和12年に旧国鉄が当時の最新技術を駆使して建設したものである。総指揮者は釘宮磐(関門トンネルの工事にも従事)、指導は吉田徳次郎(我が国コンクリート界の父)である。全長は417.8m、中央の大アーチは径間47.80mでカンチレバーエレクション(両側から作り始め、橋の中央で結合する)という方法が試験的に採用された。この方法により、経費が軽減され、完成後は多くの土木技術者が視察に訪れたと言われている。
なお、高千穂鉄道は、平成17年の台風14号により、川水流〜上崎間、亀ヶ崎〜槙峰間の鉄橋が流失し、平成20年12月28日を以て廃止となったため、現在、延岡市及び日之影町によって管理されている。
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