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国道34号線にある湯野田橋は、明治21年(1888年)に建設されたが、日本の国道で現在も使われている最も古い橋(橋長が15m以上)である。
一般的な眼鏡橋のようにアーチを最下部から組むのではなく、 まずは強固な基礎の石垣を立ち上げた後、そこから弧を描くよ うに架けていく技術を採用しており、橋のアーチ基礎部を「く」 字形に折ったような構造としている。この独特の型式は、県内の他の地域にはほとんどないが、近くの山間部にある不動山眼鏡橋群には多く用いられていることから、地域性あるいは携わ った設計者や石工衆の伝統的な技術として、受け継がれていたようである。
また、もうひとつの特徴は、そのアーチに用いている輪石の大きさが一様ではなく、なぜか下方が大きく、それから中央に積んでいくに従ってやや小さくしていることである。湯野田橋は 県下でも最大級の規模を誇っており、いずれの技術的な特徴も その立地条件や眼鏡橋自体の強度にかかわる工夫の一つなのであろう。(石橋研究家・高瀬哲郎)
明治時代中ごろの構築であり、すでに120年もたっているにもかかわらず、計画当初は想定していなかったほどの激増する車の交通量にびくともせず、現在も十分に耐えている。 (2007年8月27日、佐賀新聞記事より抜粋)
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