鹿児島県霧島市隼人町
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所在 |
鹿児島県霧島市隼人町 |
文化財等 |
霧島市指定有形文化財 |
ランク |
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管理者 |
鹿児島県霧島市 |
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平熊の石洗越は、用水路を跨ぐ石橋(写真−1)と、石橋上を通水する河川水を落とす段差工からなる非常に珍しい江戸期の石造構造物である。
石洗越の建造以前、松永用水に直接流れ込んでいた竹山川が、洪水時に用水路を決壊させていたため、竹山川専用の石橋を設けて用水路を跨ぎ、排水したとされている。現在判明している限りでは、災害防御用の石アーチ橋は平熊の石洗越のみであり、貴重な土木施設である。
石洗越は、全体が凝灰岩の空石積みで構成され、松永用水路を越える部分はスパン3.5mの石造アーチとなっている。竹山川が通水する橋面部分は、敷石による石畳状になっており(写真−2)、橋面を通過した竹山川は「落とし」と呼ばれる段差工を落水し(写真-3)、霧島川へ向かう。
石洗越の右岸側には建設を記念する石碑及び水神碑が建てられており、石洗越と併せて霧島市の市指定有形文化財となっている。
形式:石アーチ、石段差工(凝灰岩)
諸元:橋長13.3m、アーチスパン3.5m、幅員7.5m、段差工高2.1m