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川畑井堰 |
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評価情報 |
宝暦年間(1751〜1763)に築造された堰長十間(18m)、堰高十尺(3m)、灌漑面積約15ヘクタールの石造の取水堰である。近世の切石の階段状の堰堤であり、近世由来の取水堰堤としてはおそらく全国唯一。享保年間(1716〜1735)に完成した阿多新田の疎水工事のあとに造られた。鹿児島県維新前土木史には、「宝暦のころ佐伯氏の祖これをつくれり」と記されている。この工事の現場責任者は向江の佐伯氏の祖先であったと言われ、工事のときに立ち退きを命ぜられた人たちは、上村に移った。川畑井堰の右岸一帯は、人工的に水を落とすところから「落(おとし)」といい、井堰にかかわる地名が残されている。この井堰は昭和25年に大改修をしたが、切石は昔のままで工事用具が幼稚な時代の荒い削り跡がそのまま残っている。 ・管理者 不明(鹿児島県か)、所有者(使用者) 川畑用水組合 ・近世以前の土木・産業遺産の保存評価1、価値評価A 参考文献:鹿児島県維新前土木史、加世田市史、近世以前の土木・産業遺産 加世田市指定文化財 ※建設年に関しては二説あり 鹿児島県維新前土木史、南さつま市教育委員会:宝暦年間(1751〜1763) 近世以前の土木・産業遺産:享保年間(1716〜1735) |
(写真) |
上:全景 |