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花峯橋 |
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評価情報 |
【特徴】花峯橋は1929(昭和4)年に堀川運河上流にかけられた3径間の木造方杖橋である。橋脚は木造で、基礎に相当する部分はコンクリート造となっている。橋台は石積み構造である。本橋は仕口などの加工に伝統木造の技術が見られるのと同時に、ボルトやかすがい、金物など伝統的な木造橋梁とは異なる工法も併用されている。この構造は、昭和初期に発展した「新興木構造」として位置づけられる。これは、鉄材不足を補うための代用資材として木材が再認識され、工学に基本を置いた新しい木造として発展したもので、当時の日南に飫肥杉を利用した新項目構造を受け入れる素地があったことを物語っている。 【変更の経緯等】1950(昭和25)年ごろに橋脚基礎がコンクリートにつくり換えられている。日本の近代土木遺産ではCランク評価、2004(平成16)年には現存する数少ない木造車道橋として登録有形文化財に登録されている。 【保存状態】木材の腐食や亀裂等の損傷が橋梁全体にわたって認められ、橋面は2箇所が大きく陥没している。コンクリート橋脚基礎にもクラックや欠損が生じている。崩落の危険があるため本格的な補修が必要であるが、道路橋ではないためにその必要性が認識されにくくなっており、補修は困難な状況。ただし、国登録の文化財となっている貴重な土木遺産をなんとか存続させたいという管理者の強い希望もあり、土木学会選奨土木遺産としての認定を希望しておられる。 【管理者・所有者】 日南市生涯学習課 【参考資料】飯村ほか:75年の供用に耐えた木造車道橋「花峯橋」、第3回木橋技術に関するシンポジウム論文報告集、pp.107-114、2004 |
(写真) |
上流側全景 |
橋面(正面は花峯) |
上流・左岸側橋脚周辺 |
下流・右岸側橋脚周辺 |