えびの市
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所在 |
宮崎県えびの市 |
文化財等 |
選奨土木遺産 |
ランク |
A |
管理者 |
JR肥薩線 |
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矢岳駅を出て最初のトンネルが矢岳トンネル(延長2,096.1m)で肥薩線で最も長いトンネルである。明治39年9月掘削に着手したが、トンネル全体が1000分の25の片勾配で含水量の多い凝灰岩のため湧水がはなはだしく材料運搬用の馬が坑内で溺死した例もあった。また、大畑・矢岳間は道路から遠く、材料・日用品などの運搬手段を欠くのみか人口がきわめて少なく、必要な労務者の雇入れが困難なことなど工事支障の原因は少なくなかった。しかし、トンネルの導坑は41年に貫通しトンネル工事の完成には従業員の昼夜兼行の努力で42年11月21日人吉〜吉松間開業期日を遅らせることなく完成した。
当時の技術力からいえば現在の青函トンネルに匹敵する大工事であったと言われ、開通したときの地元の協力及び官民の血と汗の賜物にたいし、当時鉄道の最高責任者であった二人、逓信大臣、山形伊三郎先生が、矢岳トンネルの人吉方に「天険若夷」、鉄道院総裁、男爵後藤新平先生が吉松方に「引重致遠」という縦1m、横2mの石額を坑口に掲げました。これは「テンケンイノゴトシ、オモキヲヒキイテトオキニチス」と読み「天下の難所を平地のようにしたお陰で、多くの人間や貨物などの重いものをどんどん遠くに運搬することが出来る。」という内容です。