(社)土木学会「21世紀における社会基盤整備ビジョン並びに情報発信に関する特別委員会」
目 次
望ましい社会基盤整備に向けて
少子高齢化社会の到来を前にして、今後社会資本に対して十分な投資が期待できないとの認識が広がりつつあるなか、「社会基盤整備は既に十分に行われている」とか、「無駄な社会資本投資が横行している」というイメージが定着しかねない状況にある。
土木学会では来たるべき21世紀に望まれる人々の暮らし方、住まい方とこれを支える社会基盤整備の方向を探ることを目的として、特別委員会を設け、検討を重ねてきた。議論を土木技術者の内で閉じることなく、広く社会の意見に耳を傾けるとともに、土木技術者として社会に情報発信することを目指したところに本特別委員会の特徴がある。
第1回委員会では、21世紀における社会基盤整備のあり方に関連して、特に大都市と地方の問題に関する論点やその論点に対する様々な考え方を委員の方々より頂いた。第2回委員会では、社会基盤整備の背景となる社会像全般に目を向け、21世紀の社会像と望ましい社会の実現に向けた具体策に関してご議論頂いた。
特別委員会の活動は本シンポジウムで締め括られる。そのパネルディスカッションにおける議論のたたき台として、幹事会では、これまでに頂いたご意見を踏まえ、近未来の社会像と社会基盤整備のあり方を検討し、本報告書にまとめた。
1. 土木技術者は、現在の人々にとって望ましい社会基盤を整備するだけでなく、将来がどういう社会になるかを考え、そうした将来の社会を支え、将来の人々にとって望ましいものをつくることが本来の使命であることを再確認する。
2. 土木技術者は、技術的な問題に限ることなく、経済、制度等をはじめとする社会システム全般に関わる問題についても積極的かつ主体的に取り組んでいく。
3. 土木学会は、その中立的立場を堅持し、例えば社会基盤整備や防災に関わる諸問題に対して、専門家集団として積極的に情報を発信したり、提案することを通して、問題解決、社会的合意形成に責務を果たしていく。
(1) 人口減少
わが国の人口は、現在(西暦1997年)1億2,620万人であるが、2007年の1億2705万人(101%)をピークに、2020年には1億2,410万人(98%)、そして2050年には1億50万人(80%)と2020年以降急速に減少していくと予想されている。
こうした人口減少は全国一律に生じるのではなく、地域によって異なる。三大都市圏及び非政令指定都市圏は概ね上記した全国的傾向と同じであるが、政令指定都市圏(除く三大都市圏)では2015年頃までは人口が伸び続け、その後緩やかに減少するが、2050年頃でも現在の90%以上の人口を保つとみられている。さらに、こうした都市圏の人口集積は都心から郊外にシフトしていくとみられている。一方、国土の6割を占める中山間地域などの非都市圏では、既に人口減少が始まっており、2050年には現在の6割にまで減少するとみられている。
19世紀初頭以来一貫して続いてきた人口増加は、社会基盤の量的拡大を急がせる一要因であったが、今後は人口減少を前提とした社会基盤整備が求められることになる。さらには、非都市圏を中心として予想される国土の広大なる過疎化の進展は、「国土の均衡ある発展」のための社会基盤整備という命題の再検討を求めている。
(2) 高齢化
65歳以上の高齢者人口比率は、西暦2020年には27%、2050年には32%になると予想されており、現在(16%)よりも著しく増加し、人口減少下での高齢社会が到来する。
中山間地域などの非都市圏では既にこうした高齢化現象が全国平均よりも10年先行して表れており、さらに加速するとみられている。一方で、三大都市圏の周辺部にも高齢者が集中していく傾向があり、現在の5人に1人から、2050年には3人に1人の高齢者が三大都市圏の周辺部に居住すると予測されている。つまり、三大都市圏の周辺部は単なる人口集積地域ではなく、高齢者の集中が著しい地域にもなるとみられている。
高齢者の増大は非健常者の増大をも意味し、従来にも増して、人にやさしい、五感にやさしい社会基盤整備や健康づくりに資する生活環境整備、ひいては街づくりが求められる。さらには、公的な医療・介護・福祉の必要性と費用の増大が不可避の中、こうした部門と社会基盤部門とにおける財源配分等の問題がさらに厳しく問われる。
(3) 少子化
14歳以下の人口比率は、西暦2020年には14%、2050年には13%となると予測されている。この値は現在(15%)と大差はないが、人口そのものが減少していく中で、その絶対数は2020年以降急速に減少し、2050年には現在の70%以下となる。
この結果、学校の統廃合が加速し、通学環境の劣化が予想され、通学を含めた教育環境の維持に資する社会基盤整備のあり方が重要な課題となる。また、少子化の進展は将来の生産年齢人口の減少を招くことを意味し、わが国の経済活力を維持していく上で、物流の効率化をはじめとする生産性向上に資する社会基盤整備、さらには労働力確保ともなる女性の社会進出や健康な高齢者の就業化を受け入れやすくする仕組みを含めた社会基盤整備が求められる。
注:上記(1)(2)(3)の資料は、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口:平成9年1月推計」。
(4) 単独所帯化(家族形態の変化)
少子・高齢化の進行につれて、扶養とか子供に対する考え方が変化し、現在最も一般的な「夫婦と子供からなる所帯」が減少し、「一人親と子供からなる所帯」、「夫婦のみの所帯」、「単独所帯」が増加するとみられている。中でも、「単独所帯」が最も多い家族形態(もはや「家族」とは言い難いが)になると予想されている。特に、高齢者の単独所帯が倍増するとみられている。
こうした家族形態の変化は、人々の暮らし方、住まい方が変わることを意味する。つまり、居住地・住宅選択、就業地・職業選択の自由度が高まり、土地利用分布や交通流動に大きな影響が生じる可能性が高い。こうした影響を柔軟に受け止められる社会基盤整備のあり方が求められる。
注:資料は、国立社会保障・人口問題研究所「日本の所帯数の将来推計:平成10年10月推計」。
(5) 農業人口の減少
農業就業人口は西暦1960年には1,450万人であったが、1995年には490万人、そして現在(1999年)は380万人にまで減少している。しかも、そのうち50〜64歳が110万人(29%)、65歳以上が200万人(51%)と、著しく高齢者に偏っている。20年後には就業人口が数十万人になるとの見方もある。
このままの状態が続けば、各地で農業・農村の崩壊が起こる可能性があり、食糧自給問題に留まらず、耕作放棄地増大等に伴う国土の荒廃・保全上の問題が深刻化する。こうした状況を見越した適正な国土管理、そして社会基盤整備が求められる。
注:資料は、農林水産省「農業センサス」「農業構造動態調査」。
(1) 就業形態とライフスタイルの変化
情報・通信・放送(以下、情報と略記)が融合しつつ、グローバルな情報ネットワークの整備、一般家庭へのネットワーキングされた情報機器の普及、そしてモバイルコミュニケーションの日常化等、事務所、家庭そして移動中といつでもどこでもコミュニケーションできる高度情報社会が加速度的に進展するとみられている。例えば、2010年にはインターネットの利用者数は4,459万人、世帯普及率は54.9%に達するとの予測がある。
こうした高度なコミュニケーションは、時間的空間的障壁をなくすものであり、人々のライフスタイルを多様化し、小さなコミュニティが自律分散的に存立可能となる。さらには、自宅近くの小規模オフィスや自宅で在宅勤務するSOHO(Small Office Home Office)など、ライフスタイルに合わせた就業を可能とするなど、多様で柔軟な社会を招来するとみられている。しかし一方で、情報化に取り残された人達(情報弱者)にとっては相対的に不便な生活を強いられる可能性がある。学校においても、授業の形態や家庭と学校とのコミュニケーションが多様化し、一部でface to faceによる教育形態が崩れつつも、その重要性が再認識されるなど新たな課題が発生する可能性もある。
(2) 市場構造・産業構造の変化
高度な情報ネットワークの普及は、全国レベルさらにはグローバルレベルでの双方向・ダイレクト型の取引増大現象をすでに惹起しつつあり、今後さらにこれが加速するとみられている。それは、画一的な大量消費市場から、成熟した多様な消費市場への移行を意味する。そこにおいては、若者の消費性向よりも、辛口でわがままで富裕な中高年消費者が消費動向をリードする可能性が高いとみられている。
さらに、高度情報社会は高度知識社会とも言われるように、より知識の価値が高まり、知識を求めて情報が集積し、そこに人が集まり、さらには生産機能も集積してくるという、産業の興り方、集積の仕方が従来とは異なってくるとの指摘もある。
市場・産業構造の変化は、都市づくり等の論理、ひいては必要となる社会基盤に変化をもたらすものであり、都市・地域の活性化に資する社会基盤とは何かが問われる。
(1) 産業・経済のグローバル化
金融・情報のグローバル化を基軸として、あらゆる国で産業・経済がグローバル化の流れに組み込まれていくことが不可避の状況となりつつある。わが国も例外ではない。既に国際競争力のある企業はさらなる国際戦略によりグローバルな企業活動を展開するであろう。一方、これまで国内市場のみを対象としていた産業も、国際標準の導入や海外からの市場開放圧力により、グローバル化していくものとみられている。一方で、競争性の乏しい国内市場のみを対象とする産業も相変わらず存在し、産業が二極分化する可能性がある。各国経済も今以上に緊密化し、国境障壁が低くなる。日本の輸出入量は増大し、特に今後の経済成長が見込まれているアジア地域との貿易量が相対的に増大する可能性が高いとみられている。
このようにグローバル化する産業・経済環境の中で、わが国が国際競争力を維持していくためには、わが国の都市が国際的な産業・経済活動の拠点としての地位を確保する必要がある。そのためには、国際都市たるべき大都市の魅力アップやわが国独特の経済活動上の制約を除去することが重要である。例えば、わが国の空港・港湾施設や高規格幹線道路網は、現状でも容量や機能・サービスにおいて近隣アジア諸国に追い越されつつある。わが国の国際競争力の低下を防ぐためにも、国際競争力を有する国際的社会基盤の戦略的整備が求められる。
(2) 多人種社会
わが国においては、少子・高齢化により生産年齢人口が減少する一方で、近隣アジア諸国では、若い労働力が増える「人口ボーナス期」を迎える。わが国の国内の産業活動水準を維持していくためには、女性の社会進出や高齢者の労働力化も考えられるが、外国人労働者を活用せざるを得ない状況も見込まれる。この結果、近隣アジア諸国を中心とする外国人労働者が数多く入国し、学校や職場など身近なコミュニティにおいて多人種の社会となる可能性が高い。もちろん、企業レベルにおける外国資本の進出が従来にも増して活発化することは十分予想される。
ビジネス以外にも、観光目的で女性や高齢者による海外旅行が飛躍的に増加する一方、経済成長が見込まれているアジア地域からの観光客の流入が増大するとみられる。
何れにしても、今後わが国の国内において外国企業や外国人のアクティビティ増大が必至とみられ、国内の社会基盤整備においても国際標準への配慮や、多人種に配慮したヒューマン・インターフェースが求められる。さらには、都市づくりにおいても、外国人社会をどう受け入れるかが問われる。
(3) リスクの増大
地球環境、資源・エネルギー、食料、人口等に関して、世界的な規模で一層深刻な問題が生じる恐れがある。これは、地球時代の地球規模のリスクと言える。特に、地球温暖化に伴う異常気象とそれに伴う大規模災害、さらには世界的食料危機、資源・エネルギー危機が大きなリスクと考えられている。こうしたリスクは、国土が脆弱で、資源・エネルギーも少ないわが国においては、より大きな影響をもたらす。また、海外資本や外国人労働力の流入、国際的な情報化に伴って、様々な形の文化的軋轢や犯罪をはじめとする新たなリスクが増える恐れがある。
日常において忘れられがちな自然的リスク対策としての国土保全・防災型社会基盤整備の重要性の惹起と、住まい方等を含めた国土保全・防災システムの強化が求められる。さらには、食糧、資源・エネルギー等の備蓄といった仕組みと一体化した社会的リスク対策としての社会基盤整備のあり方についても問い直しが求められる。
(1) 選職社会
右肩上がりの豊富な生産年齢人口層を組織化して、画一的な生産と供給を行うことによって成長してきた従来の日本型経済システムは、人口減少・ボーダーレス化の流れの中で変更を余儀なくされ、年功序列や終身雇用の概念が薄れ、雇用・就業形態が多様化するとみられている。個人の会社に対する帰属意識も希薄化し、自らの能力を活かし、自らの責任の下での判断に基づき自由に転職する「選職社会」が到来するとの指摘がある。 さらには、40/50歳までと、40/50歳から70歳頃までの2ステージにおいて違った生き方、住まい方をするという「人生2回化」の人々が増えるとの見方もある。そこにおいて、個人の能力差が所得や生活の豊かさに大きく反映(格差拡大)されるようになったり、社会人入学や専門学校、生涯学習などへの需要が高まるとみられている。
(2) 個人・民間主導社会
従来、会社組織内に閉ざされていた個人の知識や能力を会社の外の場で発揮する人々が増え、ボランティア活動やNPO/NGO活動など、個人の社会的活動が活発化し、それが個人の人生に重要な意味を持つようになるとみられている。企業もまたそうした活動を支援することが社会貢献として不可避になる。そして、そうした活動はコラボレーション型ネットワーク的に拡がっていくとみられている。
一方、公的セクターの財政事情は今以上に厳しくなり、効率的な行政の執行と財政健全化を図る必要性が高まる。そのため、PFIの導入など、従来行政サイドで行ってきた分野に民間のノウハウや資金を積極的取り込んだり、ボランティア活動やNPO/NGO活動等との連携・補完が避けられないとの見方がある。
このような個人や民間企業、あるいはNPO等による社会的活動の増大は、市場競争型経済の浸透と相まって、従来の行政が責任を全て負うという構造から、個人・民間が相応の自己責任を負いつつ物事を決めるという構造への移行を意味する。こうした流れの中で、社会基盤整備においてもその決定、つくり方において、広く社会的合意形成が求められる。
(3) 地方分権・広域連携社会
地域生活に密着した行政は、より現場に近いところに権限と財源が移される地方分権化の方向にある。地方分権化は地方の責任が増えるということであり、都市・地域づくりや街づくり、さらには介護システム、ゴミ・廃棄物等のリサイクルシステムなどの計画・実行・結果に対する責任や行政サービスの質が直接的に問われるようになる。都市圏や非都市圏の中でも、自治体間の競争が起り、人々は質の高い地域を選択して移住するようになり、ある種の足による投票(居住地の選択)が行われるようになるとみられている。そうした流れは、地方自治体の広域連携あるいは合併等を進展させる一大要因となる可能性がある。
自己責任による自治体経営は投資効率、経営効率等、都市・地域住民の厳しい評価にさらされることになる。社会基盤整備についても、教育、介護をはじめとする全行政部門の中でその投資価値を問われることになる。
わが国の近代的社会基盤は先進諸国に遅れて整備が始まり、産業経済・社会のニーズに追いかけられるように、急速に蓄積されてきた。総体としてその整備水準はかなり向上してきたが、生活道路や下水道、公園、福利厚生施設などの生活周りの社会基盤については、整備がまだ十分に行き届いてはいない。その一方で、下水道など耐用年数の短い施設では既に老朽化が始まっており、今後、既存インフラの維持管理や更新に要する費用が急速に増大していくとみられている。維持・更新費の推計に関しては種々の見解があるが、20〜30年後には維持・更新費が新規投資を上回るという予測もある。
社会基盤は消費財と違って長期間にわたる維持管理が通常であり、機能的劣化を起こさないよう最新技術の導入を図るなど、新たな維持管理システムの構築が求められる。また、維持・更新費の増大は将来のための新規投資への財源配分に対して大きな制約となるものであり、世代を超えた費用負担などの問題への対応が求められる。
(1) 大都市圏
大都市圏の中心市街地においては、居住人口が減少し、コミュニティの崩壊、廃校などの問題が生じる。一方、大都市圏の中枢都市では雇用機会の集中がさらに進むと予想され、昼と夜の人口格差が広がる。また、郊外からの通勤ラッシュは就業形態の多様化により緩和される傾向にはなるが、快適な通勤には程遠いと思われる。中心市街地の交通渋滞も、抜本的な対策がなければ益々深刻化することになろう。住宅や生活基盤施設の老朽化も進行し、都市防災上の問題が深刻となる恐れがある。
しかし、こうしたことに対応する社会基盤整備を行ったとしても、その整備に30〜50年を要するようなことであれば、そのころには本格的な人口減少時代が到来し、かえって過剰投資になる恐れがある。大都市圏の社会基盤整備はある意味で時間との競争であり、特に交通渋滞対策を早期に実施し、余力のある時に効率性を高め、産業経済の発展を実現することが重要である。
(2) 大都市圏周辺部
大都市の周辺部はこれまでは都市の生産年齢人口の供給源であったが、今後は高齢者が相対的に集中していく。しかも、単独所帯の高齢者が増加する。在宅介護サービスなど老人福祉対策や高齢者向け宅配サービスの充実などが求められる。
こうした地域において、高齢者が住みやすく働きやすい環境という観点では、既存の住宅・社会基盤整備は不十分であり、ユニバーサルデザインやバリアフリーデザインなど人に優しい街づくりといった視点での整備が求められる。
(3) 地方都市圏
第二次世界大戦後から現在に至るまで、地方から人材が流出し続け、既にそれが二世代にわたっている。この状態がさらに続けば、人材という観点で地方の衰退が加速する恐れがある。地方都市の中心市街地は交通アクセスの不備、駐車場の不備など社会基盤整備が不十分なため、大型店舗のみならず官公庁施設や公共文化施設も郊外に立地する傾向にあり、中心市街地の空洞化がさらに進行することが考えられる。一方、中心市街地の顧客を奪うことで成立した郊外商業地も、人口減少時代には厳しい局面が生じる恐れがある。
地方都市圏の自律的な持続的成長を支える基軸となる社会基盤とは何か、従来の発想の転換が求められる。
(4) 地方の非都市圏
地方の中山間地域等の非都市圏では、若者の流出および経済基盤の不安定化などにより、広大なる過疎化が進行し、コミュニティ存立に関わる深刻な問題に直面することが予想される。生産年齢人口の著しい減少により、農林水産業などの産業活動は停滞し、農村・集落の崩壊による耕作放棄地の拡大も懸念され、国土保全上の問題が拡がる恐れがある。一方で、高齢者中心の社会となり、在宅福祉支援サービスが益々重要となるも、コストの問題が大きく、住まい方そのものの見直しが必要となる事態も予想される。
コミュニティの存続すら困難な地域に対して、国土管理的観点からの見直しが求められる。
人口の減少と高齢化の急速な進行に伴い、社会基盤整備に投入し得る公的財源の縮小が予想される。また、既存の社会基盤の維持・更新に必要な費用の増大により、新規投資に対する制約も厳しくなる。
このような条件の下で、高齢化、情報ネットワーク化、グローバル化、価値観・生活就業形態等の多様化に対応しつつ、美しい国土、快適で安全な生活、豊かな社会を実現するという社会基盤整備の使命を果たすためには、社会基盤整備に関する基本的方針の転換が必要である。
1.で示した将来社会の見通しから導出された社会基盤整備に対する課題・要請を受け、今後、1)どのような社会基盤を、2)どのように整備するかということが問われている。ここでは、1)に焦点を当てて一案の提示を試みる。2)は社会基盤整備のあり方を指しており、その基本的な方向を3.(後述)において示す。
大きな構造変化が予想されるわが国の21世紀の社会像は、20世紀の負の遺産の解消も含めて、改めてわれわれにどのような社会基盤整備を行うべきか、新たな発想・視点による提示を要請している。以下においては、全国に共通する社会基盤整備の具体像を列記する。圏域固有の社会基盤整備の具体像については、2.2に後述する。
(1)ネットワーク化(国土のNW)
○ 社会の高度化・成熟化は、あらゆる要素・機能・システムが複雑に絡み合う中で、微妙できめ細かな対応を要請する。社会システムの基軸となる社会基盤にこそ、そうした対応が求められている。そのためには、社会基盤は施設それぞれが単独で存立するのではなく、ハード的にもソフト的にもネットワークされることが不可欠である。そして、それは広域であるほどその効果を発揮する。
○ わが国は明治以降の近代化の流れの中で、まず鉄道の全国ネットワークを完成させ、第二次世界大戦後は新幹線、高速道路、国際空港、国際港湾といった国土幹線交通ネットワークを急速に拡充してきた。まずはこれら相互のスムーズな連携化が必要である。ハード面での接続・連携に加え、情報面での接続・連携に資するITS(Intelligent Transport Systems 高度道路交通システム)もその有効な方策の一つとなる。その上で、ネットワーク的に隘路となる部分や欠落している部分の拡充を進めることが重要である。
○ 今後のネットワークは、交通のように目に見えるネットワークに加え、目に見えないネットワーク、すなわち情報ネットワークの拡充が不可欠である。情報ネットワークは容易に全国土をカバーできるものであり、光ファイバーネットワーク(情報ハイウェイ)や、高速大容量の次世代インターネット網等の迅速な整備が急がれる。そして、これらは常に技術革新、サービス革新が生じるため、不断の機能更新を続けなくては意味がない。
○ 交通・情報ネットワークは国際ネットワークともリンクする。その接点となる施設は国際的社会基盤として、国際的市場競争力を有するものでなければならない。そして、この国内における国際ネットワーク拠点をハブとするハブ・アンド・スポーク型ネットワークが国内の幹線ネットワークと重畳的に並立してこそ、相互のネットワークが有効に機能する。
(2)豊かな環境との共生システム(国土保全・防災・空間)
○ わが国は、列島の中央を急峻な山脈が縦断するとともに、ほとんどの大都市は軟弱な沖積平野に立地するなど、厳しい地形的制約条件のもとにある。また、自然は四季折々に恵みを与える一方で、時として風水害、地震といった猛威を奮う。このような自然条件や地形条件の厳しさは、他の先進国には見られない特徴である。自然災害は、平常時は見過ごされがちであるが、ひとたび発生すれば多大な不幸と損害をもたらす。社会基盤の基本的命題である「美しい国土、快適で安全な生活、豊かな社会の実現」は、自然の脅威に対して、安全で安心して生活できる環境が整うことが前提であることを忘れてはならない。このため、人々から災害や環境に対する不安を取り除き、豊かな環境との共生システムを構築することが重要である。
○ 具体的には、治山、治水などの国土防災対策、居住地域における地すべり対策、大地震に備えたライフライン等諸施設の耐震性向上等、各種防災対策を一層充実させる。特に、最新の技術的知見の活用と研究開発により予防システムを充実させることが急務である。また、被害を最小限に食い止めるために、各種防災関連施設のネットワーク化による防災システムとしての冗長性の確保、さらには企業、行政機関、ボランティア等の連携と情報技術とを組み合わせた災害対策システムの構築など、リスクマネジメント体制を充実させる。
○ 自然の保全・享受という観点では、人工的な施設を含めて美しく潤いのある自然環境の形成に努め、ミティゲーション(環境負荷低減)などに取り組む。特に、市街地およびその周辺の人工化・構造物化により荒廃しつつある水辺や樹林などの自然環境の再生に注力する。さらには、耕作放棄地の再自然化を行う。日常の生活空間においても、人の心が休まる「癒し空間」化を図るべく、景観設計、空間プロデュースに注力する。
(3)循環型システム(ゴミ・廃棄物・エネルギー・水)
○ 19世紀後半からの大量生産・大量消費・大量廃棄型社会から脱却し、資源・エネルギーの循環型システムを構築・定着させ、環境負荷の少ない持続的社会づくりが重要となっている。循環型システムの構築に向け、高品質・低廉なリサイクル製品と流通システムの確立、高度な非燃焼型のエネルギー回収・再資源化技術及び無公害化技術による処理等の推進が必要である。さらに、こうしたハード・ソフト技術は、発展途上国等への技術移転が可能であり、国際レベルでの地球環境問題にも積極的に貢献する。
○ 地球環境問題的には、自動車社会化の流れの中で、その位置づけが急速に低下してきたマストラ(軌道系大量輸送機関)を再評価し、LRT(超低床型路面電車)等新たな形で交通体系に位置づけることも考えなくてはならない。
○ 資源・エネルギーの循環型システムが自律的に定着・普及するには、従来、外部不経済化されていたコストの内部化が不可欠である。それは人々や企業にリサイクル意識やコスト意識を持たせるとともに、いわゆる「静脈産業」の安定的存立にも資する。
○ また、人間社会の持続可能な発展のため、健全な水循環系を回復することが必要となっており、流域圏に着目した総合的な展開が求められている。
(4)統合システム(類似施設・機能)
○ 従来の予算システム下において、類似した機能を有する社会基盤整備の問題が顕在化しつつある。そうした中、社会ニーズが多様化し、あらたな機能・サービスを始め、社会基盤整備に対する要望がきめ細かくなってきている。このため、道路法上の道路と農道・臨港道路等のような類似プロジェクトの一体化・一元化を行い、重複投資を避ける。
○ 一方、サービスの視点から見れば、新たな融合プロジェクトは「宝の山」であり、施設単体から各種機能を統合したシステム指向が今後重要となる。例えば、建設プロジェクトと厚生・労働プロジェクトとの統合、建設プロジェクトと農林水産プロジェクトあるいは文化プロジェクトとの統合、公園プロジェクトと教育プロジェクトとの統合等が考えられる。別の視点で言えば、各種施設におけるIT(情報技術)との統合も重要となる。それは例えば、交通基盤(移動・輸送)のIT化(ITS等)により、国際的な交通技術の統合が図られることにもなる。
(5)ユニバーサルデサインシステム(高齢者、女性、子供、バリアフリー)
○ 人は加齢に従って、多かれ少なかれ能力が低下する。こうしたことも含め、人は全て、何らかの障害を抱えて生活していることを前提とし、市場において幅広くユーザーの支持を受けるようなデザインコンセプトとして、「ユニバーサルデザイン」がある。また、「バリアフリー」とは、主に障害を持つ人を対象とするデザインの考え方である。ユニバーサルデザインであっても、バリアフリーではないこともある。その逆もまたあり得る。基本的に、不特定多数の利用を前提にする社会基盤はまずはユニバーサルデザインされるべきであり、ユニバーサルデザインでカバーしきれない部分において、バリアフリーデザインが必要とされる。
○ 何れにしても、今後は供給者、管理者の立場が優先された社会基盤デザインではなく、利用者優先のきめ細かいデザインを優先する方向に切り替えていく必要がある。場合によっては、利用者、住民参加のオーダーメイドデザインがあっても良い。
どのような社会基盤を整備するかという問題を検討する上で重要な論点の一つが、行政サービスを実施する単位(空間的広がり)をどのようにとり、その単位のなかでどのような社会基盤を整備するかということである。
行政サービスを実施する単位として、医療・介護・初等中等教育・消防等のサービスを提供する日常生活の基本単位となる地域連携ネットワーク生活圏、空港・港湾・大病院・大学・高規格幹線道路網等の整備を行うなど、広域的な行政サービスを担当する広域行政圏、首都・国際都市としての機能を担う首都圏を取り上げ、それぞれにおいて行うべき社会基盤整備の具体像を描く。ここでの議論は、実施する行政サービスにふさわしい単位と必要な社会基盤を示すことが目的であり、そのような単位を形成する方法やその可能性に関する検討とは次元を異にする。サービスごとに単位(空間的広がり)を柔軟に選択することも考えられる。
地域連携ネットワーク生活圏は30〜50万人程度の人口を想定し、10万〜30万人程度の中心・中核都市を中心として中山間地域を含む周辺地域からなる広がりをイメージしている。広域行政圏は、例えば道州制等で議論されているブロック程度の広がりをイメージしており、その中枢機能を担う都市をここでは中枢都市と呼ぶ。
(1)地域連携ネットワーク型生活圏
○ それ自身で「自立的な日常的生活圏」を形成することを目指して積極的に経営概念を導入し、各種施設や各地域を結ぶ交通ネットワークの最適配置や有効利用を心がける。整備の規格・基準等には多様性を認め、自主的な選択を尊重する。情報技術を積極的に利用し、行政サービスの効率性を高める。
○ 地域連携ネットワーク型生活圏の規模は介護・リサイクル等を実施する上で最適な単位となるようにする。構成員の共通意識を醸成することが重要であり、都市・地域づくり、街づくりにおいては、歴史的・文化的な財産、伝統に対する配慮が必要である。
○ 介護施設・学校など情報ネットワークではどうしても対応できない施設については、効率的投資を計るため中心・中核都市、地域拠点に集中的に整備することが考えられる。介護施設の充実は特に重要な課題である。遠隔地居住者の子弟の教育には、例えば寄宿舎制度等の工夫が必要である。中心・中核都市、地域拠点において生活環境を向上させ、生活の質を高める投資も選択肢のひとつである。地域拠点と中心・中核都市や他の地域拠点を結ぶ交通ネットワークは必要であるが、整備水準は地域連携ネットワーク型生活圏自身による経営的判断で決められるべきである。
○ 地域連携ネットワーク型生活圏は、自立性を持ち、生まれた所に誇りを持って住み続けることができる環境を整えることが重要であるが、自然の豊かな中山間地域に都市の居住者が長期滞在できる施設を整備するなど、異なった価値観を持った人々を迎え入れ、交流を通じて活気あふれる存在とすることも大切である。
○ 価値観・就業形態の多様化を反映して、早期にセカンドライフを選択する者、セカンドライフの場を地域連携ネットワーク型生活圏に求める人々が現れることが予想される。そのような人々を対象に、都市的雰囲気を有したコアを農業など自然的雰囲気を有する空間の中に配した就業環境空間を整備することも考えられる。
○ 農業人口の減少に伴い、集落の統合・集約化が不可避になると考えられる。このため、統合・集約化の予定地域に対して良質な居住環境の確保など、必要な社会基盤を計画的に整備しておくことが選択肢となる。また、農産物の自給率確保のためには「企業農業」の促進も必要になる。自給率確保は大局的には国民的課題でもあり、投資効率を多少度外視しても、必要なインフラを整備推進することが考えられる。ただし、これらは、地域連携ネットワーク型生活圏の経営とは切り離す必要がある。
(2)広域行政圏
○ 広域行政圏は、受益と負担のバランスをとるのに適切な単位であり、それ自身で「自立的な経済圏」を形成することを目指す。積極的に経営概念を導入し、産業基盤、空港・港湾・大病院・大学のような施設及び各地域連携ネットワーク型生活圏を結ぶ交通ネットワークの最適配置を目指す。現在、国にある権限のうち委譲可能なものは極力各広域行政圏に委譲し、それぞれの特性・条件に応じて適正化を図ることが望ましい。整備水準等は広域行政圏ごとに自主的に定めることが考えられる。
○ 海外とのやりとりは、直接広域行政圏から行われることが考えられる。そのための空港・港湾等の施設の適正配置と高規格幹線道路網等との接続が重要である。産業基盤をどのように整備するかも大きな課題であり、海外資本の国内流入に対する対応が求められる。外国人労働者・観光客の増加に対する対応も考えなくてはならない。
○ 広域行政圏の中枢機能を担う中枢都市は、現在までのストックを有効に利用して整備することが適切と考えられる。機能を分散して一極集中の弊害を避けることも選択肢ではあるが、集積効果は大きいと考えられる。現在、東京が持っているような魅力・楽しさを有し、各広域圏の個性が輝く情報発信基地となることが期待される。東京での苦い経験を活かし、一極集中の弊害を避けるよう、充分検討された計画が必要である。各広域圏に住む人々の精神的バックボーンとなるよう、景観にも配慮した文化的で快適な都市とすることが望まれる。
○ 情報ネットワークの積極的活用により、各種サービスの効率化を図ることは当然であるが、情報ネットワークではカバーできないサービスも多く、広域行政圏内外の交通ネットワークをどのように整備するかは重要な課題である。広域行政圏の経営判断により整備水準は定められるべきものであるが、各施設の有効利用、交流の重要性の観点から、地域連携ネットワーク型生活圏の中心・中核都市、中枢都市、及び他の広域圏の諸都市とを結んだ交通ネットワークの整備は優先順位が高くなるものと考えられる。
(3)首都圏
○ わが国を代表する首都圏は、首都・国際都市としての機能を発揮し続け、わが国の牽引役としての役割を果たせるよう、これまでのストックを有効活用することを心がけながら重点投資を行うことが必要であると考えられる。
○ 環状道路の整備、鉄道の立体交差化により渋滞を緩和することは重要である。また、大深度地下空間を積極的に利用し、地上にオープンスペースを設け、防災機能の向上、生活環境の向上、再開発の推進を図る一方、地下物流ネットワークやゴミ搬送ネットワークを形成し、都市内物流の効率化、ゴミの効率的収集・一括処理・ゴミ発電と集中的リサイクル、地上交通量の削減を図ることも考えられる。
○ 老朽化する既存施設も多数あり、その維持・更新が課題である。機能の変更・向上、景観に考慮した改修等により付加価値を高め、寿命を延長するような工夫が大切である。
○ ユニバーサルデザインやバリアフリーデザインの導入が求められる。また、空洞化した都市中心部の再開発を進める必要がある。例えば、学校の統廃合によって生ずるスペースを有効利用し、職住併設の空間を提供することも一案である。
○ 大規模水害等により、都市の機能が著しく損なわれぬよう高規格堤防整備等による危機管理対策を行うことが必要である。
社会基盤は、歴史が実証している如く、常に次の時代の発展の基盤となるものである。つまり、社会基盤には国づくり、地域づくりの先導となる役割が期待されている。このことは、社会基盤整備のあり方が時代時代の要請に応じて変化することを意味する。いま我々が考えるべきは、21世紀社会にふさわしい社会基盤整備のあり方であり、その整備の適正かつ遅滞なき進め方である。現前の需要・課題対応のみに終止することなく、後世の評価に耐えられるよう、目線を高くして社会基盤整備に取り組む必要がある。
(1)社会的合意形成に基づく社会基盤整備
情報の偏在(非対称性)をなくし、広範囲な利害関係者(ステークホルダー)間における双方向・ダイレクレト型のコミュニケーションを行い、国民経済的立場と地域住民的立場、あるいは世代間、都市と地方間、当該地域とその他地域等、多様な立場・主体間での必要にして十分な社会的合意形成を行い、社会的責任と自己責任に基づく社会基盤整備を進める。
(2)決定プロセスを明確化・透明化した社会基盤整備
国及び地域として長期的視点に立ってどのような社会基盤整備が必要であるかの意志決定、そして、効率的にそれをどこにどのようにつくるか(優先順位、整備主体、財源、工法等)の合理的な評価の2段階プロセス各々における意志決定方法、評価方法等を明確化した上で、情報と議論をオープンにしながら、社会基盤整備の決定を行う。
(3)継続的事業評価による社会基盤整備
社会基盤整備の決定を受けた事業の途中及び事後において、常に事前の評価が妥当であるかのチェックをし、フィードバックが可能な事業評価等の仕組みを導入し、時代の変化・要請(社会的ニーズ)を的確に踏まえた社会基盤整備を進める。
(4)効率的な社会基盤整備
広域的な地域連携や国際的なネットワークの視野の下、類似機能施設の整理統合や現存施設の有効活用を図りつつ、より高度な施設整備を進めたり、異分野・異部門の機能施設との連携による新たな付加価値の施設整備を進めるとともに、整備された施設の利活用を促進する仕組みについても民間セクターの活用(参入)等、計画・整備・運用・維持管理・更新を通じて一層の効率的な社会基盤整備を進める。
(5)多様性を考慮した社会基盤整備
国際型社会基盤(国際空港、国際港湾等)は国際標準、全国型社会基盤(高速道路、国土防災施設等)は全国標準に沿った整備を、そして地域型社会基盤(都市型施設、地方型施設)は地域特性に応じた多様な基準により、各々施設特性や利用者特性に応じた制度・仕組み(財源、主体等)の下、きめ細やかな社会基盤の質的・量的拡充を進める。
また、社会基盤は各種の分野における要素技術のシステム的統合の社会実験フィールドでもあり、さらなる技術革新の場ともなる。また、その先進的な技術・システムはアジアをはじめとする国際貢献にも資するものである。こうした社会基盤の有する多様な価値の発現にも留意しつつ、社会基盤整備を進める。
(6)システム性を考慮した社会基盤整備
社会基盤は社会システムを具現化する基軸となるものであり、施設単体でその機能を発揮できるものではない。ましてや、情報技術(IT)との一体化が進む社会基盤のインパクトは広域化・国際化する。ネットワークシステム(ハード)、制度システム(ソフト)の両者を一体的に勘案し、社会システムの基軸として実効性を有する社会基盤整備を進める。
(7)リスクマネジメントを考慮した社会基盤整備
社会基盤はその整備に長期間を要し、整備後も長期間の機能発現を期待される。そこには、多様なリスクが存在し、そのリスク自体(内容、規模等)も変化する。非常時対応のシステムを平常時のシステムに組み込み、常にリスクマネジメントを意識した社会基盤整備を進める。
(8)持続的社会づくりを支援する社会基盤整備
省資源、省エネルギー、省自然改変等による地球環境との共生を図りつつ、高齢者・身障者が普通に暮らせ、女性の生き甲斐、子供の教育環境等に配慮した生活コミュニティづくり、新たな時代に対応した経済・産業の共通基盤(プラットフォーム)づくり、そしてこれらを自律的に好循環させる組織・人づくり等に貢献するマネージメントシステムを含め、都市及び地域が各々持続的社会として自立・発展を支援できるように社会基盤整備を進める。
以上