第1回 大蔵海岸陥没事故調査小委員会議事概要(案)
出席者:(敬称略)
委員長
酒井哲郎
委 員
泉宮尊司、宇多高明、島田広昭、関口秀雄、善功企、高橋重雄、辻本剛三、出口一郎、名合宏之
審議概要
事故原因について
陥没の個所が目地の部分に集中していることから、砂が目地を通り抜けて出て行くのでは?砂が抜けていった経路をはっきりさせる必要あり
南側の突堤と東側の突堤では現象が違っているという印象がある。南側は越波も影響しているのでは?
明石市において陥没が見つかった後で補修した所が再度陥没していることから、どれくらいの範囲で陥没が生じているのか掘削して調べる必要がある
明石市において陥没が見つかった後で補修した所が再度陥没していることから、どれくらいの範囲で陥没が生じているのか掘削して調べる必要がある
防砂板が砂層内のどの深さまで設置されているか、実際に確認してみる必要がある。ケーソンの防砂板に沿ったところで異常な水圧が発生し、何らかの悪影響を及ぼしたとも考えられる
波浪の作用はたいしたことはないと思うが、大阪湾の方から希に大きな波浪があると思われるので、海象データの分析が必要
南側の突堤と東側の突堤の交点周辺は、潮流の影響が考えられ、広範囲に空洞化がすすんでいるかもしれない
越波で砂が濡れると、乾いているときよりも空気が抜けにくくなるので、圧が内部で高まる等、様々な作用を及ぼす
写真を見る限りでは雑石がかなり細かいようにも見えるので、雑石にフィルター効果があると思われる。雑石の状況を見てみればわかるかもしれない
防砂シートが敷設されているかどうかも、掘削調査の際に確認が必要
ケーソン設置以降平成12年まで陥没が発見されなかったようだが、波浪や潮位データなどからその経過を確認してみる必要がある
水道管とその上のビニールシートが影響しているかどうかについても考える必要がある
調査方法について
水中掘削となり水が濁るので掘削断面をみることが難しいのでは。掘削調査の方法には工夫が必要
目地と目地の間がどのようになっているかを調査すると、砂の動きがよりはっきりする
掘ってしまうと、地中の空洞の状況が解らなくなってしまうので、現状の穴にファーバースコープを入れてみる等の方法が有効である
ケーソンの間にファイバースコープを入れるという方法も考えられる
東側突堤の先端部はケーソンが少しずれているような気がする。ケーソンのずれや傾きを調べる必要がある
空洞の状況から、いままでにどれくらいの砂が抜けたかを予測できないか
瀬戸内海では潮位変動の影響も大きいと思われる
護岸の外側から目地の開き具合を調べてみることも必要である
大蔵海岸周辺は潮流が卓越しているところ。潮流の影響も考えられる
雑石のフィルター効果が考えれられることから、砂と雑石の粒度分布を調べる必要がある
類似事例がどうなっているか。このような構造の海岸で同様な外力を受ける個所で被害が生じていない場所は参考になる
ある程度対策のイメージも想定しながら、南側の突堤と東側の突堤の目地のところで全て掘削調査を行うこともありうる
堤内の地下水位も重要な要素である。堤体内外の水面差による間隙水圧差が生じていることが想定されるので、目地に沿った3〜4測点で間隙水圧を測ってみてはどうか
目地のところに流動性のよい薬液(例えば水ガラス等)を注入して空洞(隙間)の型をとることはできないか
事故の発生した箇所は非破壊調査を行うとしても、小さい陥没個所等は掘ってみてもよい。
浸透圧、液状化等の原因の調査も必要では
ケーソンの前後や捨石、雑石のところに水圧計を据えるべき
まず、見ること。見てから原因を絞り込んで計測器を設置する判断をすべきでは
今後の予定について
本日の審議を参考にしながら、明石市と国土交通省との間で調整を行ってもらい、現地調査の方法と日程を決定したい
掘削調査、間隙水圧調査、潜水調査等を並行して行うことが望ましい。完璧な調査を目指さず、フレキシビリティーを持たせて、ある程度調査の方向性を決定し、できるところから重点的にデータの収集を行うべき
全ての調査項目を並行して行うのではなく、目地等に着目した掘削調査結果を出せるものをまず先行して行うべき
その他
波浪のデータが平成12年までであるがそれ以降のデータも取り込んでほしい
海象データについては、神戸のデータのほうが重要である。また、できれば波向、風向のデータがほしい
潮位は実績潮位の方がよい
江井ヶ島では、波浪はWSW,SWから入ってくる。しかしここは西側が浅く、位置的にも大阪湾側からの波の影響を受けやすいという違いがあるので、波のあたり方が違うことを認識する必要がある
4月に市が南側突堤背後を掘った時の防砂板などの状況からいろいろ参考になることが出てくるのでは?
ケーソン際の砂浜だけではなく、内陸部の方でも起こる可能性があるかもしれないので今回の場所以外にも拡大して調査を行う必要がある
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