序文 (本間 仁,昭和38年11月)

1954年,京都大学の石原教授等土木学会関西支部の方々のお骨折りで,第1回
の海岸工学講演会神戸で開催されてから,翌1955年には土木学会に海岸工学
委員会が設置され以後は毎年講演会を開催して来て,本年はその第10回を迎
えることになった。

その間,わが国の海岸工学は比較的順調に発展して,英文論文集を通して外
国にもある程度まで認められるようになった。しかし,今日第10年目を迎え
た機会に,われわれの周囲にある多くの問題についても改めて見直すことも
必要であろう.海洋学,海洋地質学等に接触を保ちながら,海岸防災,海岸
利用に関する工学的,あるいは技術的な問題を広く取り扱う工学として,今
後いかにあるべきかを検討し,さらに一段と成長することが,関係するわれ
われの社会的要望に応える途であると考える。

今回の講演会の開催にあたっては大阪市立大学の永井教授初め関西の方々,
および土木学会海岸工学委員会論文編集小委員会および土木学会編集部等の
方々の御尽力にまつ所が多大てあった。この機会に厚く感謝の意を表する次
第である。

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