序文 (本間 仁,昭和42年11月) 土木学会の海岸工学講演会は年と共に大きくなり,本年も50編余りの報告が なされることになった.そこに取扱われている問題はかなり広くいろいろな 分野にわたっていて,わが国の海岸工学が健全に発展していることを示して いると思う. 最近,米国の土木学会の水理学部会には海洋水理学の委員会が作られたが, そこでは海域の汚染(温度汚染を含めて)が現在での最も重要なものと認めら れた.また一方においては,本年9月にSan Fransiscoで第1回の海洋における 土木工学の国際会議が開かれた.海岸または沿岸海域の利用が,工業,漁業 等の面で,また保健の面で一層拡がると共に,日本の海岸工学も次第にその 範囲を拡げざるを得ないことになろう. なお,明年9月にはLondonで第11回の海岸工学国際会議が開かれる.前回の開 催国である日本から多数参加されることを特に希望している. 終りに今回の講演会を横浜市で開催するについて,多大の御尽力をいただい た運輸省第2港湾建設局の緒氏,御援助をいただいた地元の方々に厚く御礼を 申し上げるとともに,講演集の編集,印刷のために尽力された海岸工学委員 会論文集編集小季員会の委員および土木学会編集課の方々に心からの謝意を 申し述べたい.