浜松市では、今後の超高齢社会の到来や地球温暖化等の問題を踏まえ、公共交通の活性化が大きな課題となっている。しかしながら近年浜松市においては、自動車利用の増加とバス利用の減少に伴い、バス路線の減便・廃止が進んでいる状況にある。
浜松市は、公共交通利用の意識醸成を図ることを目的として、1)転入者を対象とした転入者MM と、2)児童及びその家族を対象とした学校教育MM を展開している。
このうち学校教育MM では、将来のバス利用者である児童を対象に、交通事業者がかねてより実施していたバス体験教室の機会を活用してコミュニケーションを行った。コミュニケーションにおいては、「バスの乗り方ガイド」を用いてバスの乗り方やバスのメリットとクルマのデメリットなどについて説明するとともに、バス車両への乗車を体験する時間を設けた。
また、バス体験教室開催後、児童に「バス博士認定証」を手渡すとともに、保護者向けの「MM グッズ」を配布し、自宅に持ち帰ることによって保護者に対しても公共交通利用の動機付けを行った。
加えて、効果計測アンケートとして、一部の児童に対してバス体験教室開催前後にアンケートを行うとともに、一部の保護者に対しても「MM グッズ」配布時にアンケートを行っている。
児童を対象としたアンケート調査結果からは、バスの乗り方に関する知識保有状況や環境に関する意識がバス体験教室開催前に比べて向上しており、バス体験教室が効果的であったことが明らかとなった。
また、児童の保護者を対象としたアンケート調査結果からは、家庭にて児童とバス体験授業の内容について話したとする保護者が90%を超え、「MM グッズ」の提供を通じたバス体験授業内容の家族への浸透を実現した。さらに、かしこいクルマの使い方を考えるきっかけとなったと回答した人が50%を超えるとともに、公共交通を実際に利用しようと思う人は70%を超えるなど、プログラムに対して高い評価を得られたことが明らかとなった。
浜松市としては、今後も交通事業者と協力し、バス体験教室を拡大展開していきたいと考えている。
キーワード:バス、児童、保護者
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