近年、頻発する土砂災害被害を最小限にとどめるため、砂防堰堤や防護柵などのハード対策や、気象庁と都道府県庁が協同で発表する土砂災害警戒情報等のソフト対策など、様々な対策が実施されている。土砂災害の原因の多くは降雨であるが、どの斜面で起こるかの予測が困難であり、住民の自主避難が不可欠である。
本授業実践では、高知県四万十町興津小学校5−6年生を対象とし、土砂災害での自主避難を促す授業を、下記に示すさまざまな活動を入れ込んで試行した。
(1) 土砂災害の概要と、危険箇所のポイントの講義
(2) 立体地図と3Dメガネによる、興津地区における土砂災害危険斜面の把握
(3) 危険斜面のフィールドワーク: 国、県の専門家とともに児童が気づいた点をまとめる
(4) フィールドワークの結果を模造紙のマップにまとめる作業
(5) お菓子を土砂に見立てた砂防堰堤模型による、砂防堰堤の役割把握
(6) 砂防施設の建設コスト、土砂災害警戒情報の講義
(7) 施設や情報の限界と、心理的バイアスの存在、自主避難の重要性の講義
ポスター発表では、上記授業の概要を報告する。
キーワード:土砂災害、避難行動、総合学習
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