A−06

利用価値計測のみによる環境経済評価の可能性

 

大洞久佳1・大野栄治2

 

1 学生員 修(都市情報) 名城大学大学院都市情報学研究科(〒509-0261 岐阜県可児市虹ヶ丘4-3-3)

2 正会員 博(工)    名城大学都市情報学部     (〒509-0261 岐阜県可児市虹ヶ丘4-3-3)

 

本研究は,旅行費用法による環境価値計測の可能性を示すことを目的とし,環境価値に含まれる各種要素(利用価値,随意価値,遺贈価値,代位価値,存在価値)の相関関係から,利用価値によって環境価値のどの程度が説明できるかを検証した.まず,各価値には有意な相関関係があり,各価値が独立していないことを明らかにした.次に,利用価値と各価値の相関関係より,利用価値で説明できる部分は,随意価値の80.17%,遺贈価値の57.79%,代位価値の76.60%,存在価値の36.71%,合計価値の78.98%であることを示した.したがって,利用価値以外の環境価値も利用価値で80%程度説明できるため,利用価値を評価対象とする旅行費用法で環境価値の相当部分が計測できることの可能性が示された.

 

Key Words: Environmental Economic Valuation, Environment Values, Contingent Valuation Survey, Conjoint Analysis