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水資源の開発と環境の社会的コンフリクトにおける均衡状態到達プロセスに関する研究

 

坂本 麻衣子1・萩原 良巳2

 

1学生員 工修 京都大学大学院 工学研究科(〒611-0011  宇治市五ヶ庄 )

2正会員 工博 京都大学教授 防災研究所(〒611-0011  宇治市五ヶ庄 )

 

現在、我が国では、開発を行おうとする主体と環境保護を訴える主体の間で利害の衝突、すなわちコンフリクトの発生が頻繁に見受けられる。特に、開発の影響圏が一般に広範な水資源開発においてこの傾向は顕著である。無用なコンフリクトの激化や長期化を避けるためにも、今後開発計画に臨むにあたってコンフリクトマネジメントが不可欠であるという認識を持つことが重要であるものと考える。本研究ではこのような認識のもと、コンフリクトが到達し得る均衡状態を分析するためのモデルを構築する。モデルはプレーヤーの戦略行使確率の時間変化を記述する数学モデルと、プレーヤーの特徴を規定することによって利得行列を簡略化し設定するプロセスモデルから構成される。さらに、ケース・スタディとして長良川河口堰問題にモデルを適用する。

 

Key Words:Conflict analysis, water resources development, evolutional game theory