A−44

下水処理水再利用による河川流量増強効果の評価手法

 

白川直樹1・楠原千佳子2・玉井信行3

 

1正会員 工博 東京大学助手 大学院工学系研究科(〒113-8656東京都文京区本郷7-3-1)

2学生会員 東京大学大学院修士課程 (〒113-8656東京都文京区本郷7-3-1)

3フェロー会員 工博 金沢大学教授 工学部土木建設工学科(〒920-8667金沢市小立野2-40-20)

 

河川の減水区間対策の水源として下水処理水に着目し,上水取水点まで導水・放流して河川流量を増強した場合の効果と費用を計算した.効果は水理量(水面幅・水位),水質(BOD),それに流況曲線を用いた順序統計学的手法により評価した.導水量を変化させて各ケースの費用対効果を算出したところ渇水基準と低水基準の間に差が生じた.事業規模を大きくして複数処理場を組み合わせると,水質影響はほぼ事業費用に比例したが流量影響には組み合わせによる優劣がみられ,代替案の比較や取捨選択に有効な結果が得られた.

 

Key Words: environmental flow, reuse of reclaimed water, evaluation of river flow, Tama river