『土木史研究』への投稿方法等の全面的変更
2003年の土木史研究発表会の運営、ならびに、『土木史研究』の編集方針が大幅に変更となります。従来通りですと、「審査付き論文」の申し込み時期が近づいてきておりますので、今回、変更の要点のみ至急お知らせすることに致しました。なお、変更の目的等の詳細に関しましては、制度が確定した段階で順次ホームページ上で公開していきたいと思います (土木史研究編集小委員会 委員長 馬場俊介)。
主な変更点は、以下の3点です。
- 事後審査制の導入
- 審査付き論文の部門化
- 論文の価値判断
それでは、具体的にどう変わるか、見ていきましょう。
1.事後審査制の導入
- いままでは、事前に、「審査付き論文」と「自由投稿論文」に分けて投稿いただいておりました。
- 従って、6月の研究発表会の際にも、「審査付き」と「自由投稿」とでは発表形式が異なっておりました。
- 2003年以降も、「審査付き」、「自由投稿」という区分は残ります(名称は異なるかもしれません)。
- しかし、「審査付き」の査読は、研究発表会の前でなく、終了後に行われることになります。
- つまり、研究発表会の終了後に、発表会での議論を踏まえて完成度を高めた論文を、新たに「審査付き」として再提出していただくわけです。
- この場合、研究発表会の場では、すべての発表論文が「自由投稿」という形になります。
- ですから、現在、「審査付き論文を出してやろう」と考えられておられる方は、まず、2003年3月末締切りの「自由投稿論文」を執筆していただくことになります。そして、2003年6月の研究発表会でご講演いただき、その結果を踏まえて2003年9月末までに「審査付き論文」として再提出いただきます。
- 一方、「自分は自由投稿論文でいい」と考えておられる方は、今まで通り、2003年3月末締切りで論文を提出、6月の研究発表会で講演していただきます。従来と比べて、ほとんど変更はありません。
- 研究発表会で講演された「自由投稿論文」をまとめたものが『土木史研究(講演論文集)』、翌年同時期に刊行される「審査付き論文」のみ収録したものが『土木史研究(論文集)』と、2分冊になります(名称は未決定です)。
2.審査付き論文の部門化
- いままでは、論文にキーワードを付けていただくことはありましたが(発表セッションを選ぶのに使われていました)、部門制はありませんでした。
- 2003年以降、「審査付き論文」については部門制が導入されます。
- 部門は、@史実部門、A解釈部門、B萌芽部門、C重点部門の4部門からなり、@は、一次資料をもとに埋もれていた新たな事実の発掘を主目的とするもの、Aは、既知の歴史的事実を新たな観点から再構成することで、土木史研究に新たな知見をもたらすもの、Bは、独自の発想に基づくユニークな歴史研究のあり方を展開するもの、Cは、ここ当面の土木史学のあり方を考えたとき、是非とも研究を進めていって欲しいと土木史研究委員会が考える重点分野です。
- 重点部門としては、土木遺産の調査(事例報告)、分類・評価、保存・活用に関わるもの、技術史(技術の包括的な流れ)を確立するのに役立つような方向性・思想性をもったもの、の2点を想定しております。
- どの部門で申請するかは、「審査付き論文」の提出時に、著者自ら選択していただきます。部門によって、「査読にあたりどんな点を重視し、どんな点を慎重に評価するか」が異なります。
- 部門をお決めいただくのは、2003年の6月以降の話ですので、詳細は後で公表致します。
3.論文の価値判断
- 論文の内容(創造性)にかかわる評価と、論文の構成(表現法)にかかわる評価を分離することにしました。
- いままでは、再査読の制度がないため、大幅修正を認めることができず、結果的に、査読がたいそう厳しいものとなる可能性がありました。今回、事後審査となったことと再査読も可能となったことで、「審査付き論文にふさわしい論文が、時間的制約から自由投稿論文に回される」ような事態は避けられるものと思います。
- ただし、一論文あたりの査読者は従来通り3名ですので、いたずらに「査読付き論文」のレベルを下げようとするものではありません。
論文を提出していただく時期は例年と異なることになりますが、研究発表会自体は従来通り6月に開催される予定であることには変わりありません。
(来年度は2003年6月18・19日に神戸市県民ホールにて開催)