平成14年度 第一回土木計画学幹事会議事録

日時:平成14年9月14日(土)14:30〜15日(日)12:00
場所:霞ヶ浦会館(三重県四日市市)
出席者:林委員長,越澤副委員長,小林幹事長,梶田,高田,谷本,寺部,萩原,藤井,松本,矢嶋,杉山,松中,秀島,岸野の各委員兼幹事,森川,原田,藤原,家田,根本,土井,梨本の各政策重点課題プロジェクトメンバー
欠席者:三星副委員長,大口,岡本,岸,木村,坂本,竹林,羽藤,山田の各委員兼幹事,山内,谷口の各政策重点課題プロジェクトメンバー,内山土木学会論文編集委員会第4小委員長,工藤学会担当

配布資料
資料1:土木計画学幹事会夏合宿議事次第
資料2:土木学会土木計画学委員会・四日市港案内
資料3:夏合宿出席者名簿
資料4:平成14年度 第1回土木計画学研究委員会議事録(案)
資料5−1:2003年度度土木計画学研究発表会(春大会)東京大会の経緯と準備状況
資料5−2:第27回土木計画学研究発表会(春大会)企画論文部門オーガナイザー・公募要領
資料6:土木計画学研究委員会運営内規
資料7:社会への貢献と連携機能の充実
資料8−1:情報の戦略的発信に関するメモ
資料8−2:土木学会職場班メールニュースへの情報提供について
資料9:家田主査提出資料(「潮流」など)
資料10−1:土井主査提出資料(交通社会資本整備と土地利用のコンフリクト)
資料10−2:梨本政策重点課題プロジェクトメンバー提出資料(著作目録)
資料10−3:〃(地下空間の利用権と評価,地盤工学会誌)
資料(番号なし):越澤主査提出資料(「平成15年度道路関係予算概算要求概要」など)
資料(番号なし):森川主査提出資料(土木計画学研究委員会 交通需要予測問題PTメモ)
資料(番号なし):土木計画学委員会再編成案

議題

1.委員長挨拶

・今年度より,政策課題を検討するための研究グループを立ち上げることを考えており,その関係で,今年度の夏合宿には三役と幹事以外に,そのグループのメンバーの方にも参加いただいている旨,林委員長より説明があった.

2.参加者挨拶

・資料3に基づき,参加者の自己紹介が行われた.その中で,松中(京大),秀島(名工大),岸野(中央復建コンサルタンツ)の三方を委員兼幹事とすることが了承された.

3.夏合宿スケジュールの確認

・小林幹事長より資料1,林委員長より資料2について説明がなされた.

4.第1回土木計画学研究小委員会議事録の確認

・寺部幹事より第1回土木計画学研究小委員会の議事録案について説明がなされ,了承された.

5.2003年度計画学研究発表会春大会について

・寺部幹事より,資料5−1,2に基づいて説明がなされた.民間企業や行政の担当者が参加しやすい場所での開催となるため,実務的・政策的な討議の場を設けることで「東京らしさ」をアピールしたい.具体的には,そのようなトピックスをスペシャルセッションとして取り上げることを考えている.2002年度の名古屋での春大会に比べて多くの会場を確保しており,参加者およびセッション数の多少の変動には対応できる.
・小林幹事長より,実務の方に対しては,会告の発信を待つことなく,より早い段階で声をかけるなど案内・広報活動を積極的に行ってほしい旨要望が出された.
・ 2003年度計画学研究発表会秋大会については開催校が未定である.豊橋技術大学に打診を試み,そこが無理であれば,二順目となるが第一回の開催校から順次(金沢大,徳島大・・)打診することとする.その対応は,小林幹事長が当たるものとする.

6.中期・長期計画の策定について

・林委員長より資料7に基づいて説明がなされた.「学問的蓄積」がなされてきた一方で,社会問題への対応(訴訟分析,事故分析など)についてはほとんど貢献がないのではという問題意識が土木学会にある.これに対して,企画委員会から@学会各部門の技術政策蓄積,A会員の自己改革,B対社会コミュニケーションの三つの目標のもとで,@技術マニュアルの作成,社会問題・技術政策検討チームの発足,A継続教育,資格制度,B対社会窓口の整備,コミュニケーション相手の発見・発掘,コンテンツの蓄積・準備,対話の開始,という具体案が示されている.
・ JSCE2000には各部門の使命・目標が示されており,これを踏まえて企画委員会がJSCE2005の準備を行っている旨,林委員長より報告があった.2005年までの短期計画,2010年までの中期計画の策定が土木学会よりすべての委員会に求められている.

7.情報の一元的管理について

・谷本幹事より資料8−1,2に基づいて説明がなされた.
・@メールマガジンは政策議論などに有効なメディアのようであり,その活用を積極的に検討していただきたい.その際,参加者を土木計画学のメンバーに限定するのではなく,他学会・団体との連携を開始当初より図って実施することを考えていただきたい,A一つの問題に対して,様々な意見や見方があることを世に示すことが重要である.個人の意見を重視した創造型・提案型のスタンスに転換することが今後重要であり,そのきっかけとなるような情報発信を検討していただきたい,との要望が出された.
・職場班メールニュースへの情報提供については,資料8−2に示す案に基づいて実施することとなった。

8.政策重点課題プロジェクトについて

・越澤,家田,森川,土井主査および梨本政策重点課題プロジェクトメンバーより,自身が担当する問題に関連するトピックスについて話題提供がなされた.話題提供を踏まえ,以下の意見交換がなされた.

・土木計画学の幅広い年代層のメンバーで議論することにより,行政の審議会などとはトーンの異なるアウトプットを期待することができる.
・これまでの学会の活動は官に向いているとの批判がある.市民とのコミュニケーション,市民への分かりやすい説明の仕方という観点から議論してほしい.
・森川主査より今後の方針案について説明がなされた.需要予測問題プロジェクトと道路社会資本プロジェクトについては,共通する論点もありうることから,一緒に議論をしつつ検討を進めていきたい.春大会において8セッションから成るスペシャルセッションを予定している.技術的問題ではなく,政策検討における各手法や結果の使い方について議論したい.10月6日(日)に名古屋にて合同の検討会議を開催し,具体的なミッションを議論する予定である.
・上記に対して,林委員長より以下の意見が示された.合同で議論することで抽象的な議論に終始することを危惧する.個別のケースを事後検証的に取り上げ,その過程で各プロジェクトに共通する論点を整理する方針をとっていただきたい.
・土木計画学のスタンスが問われており,世間から見て土木計画学が「やってこなかった」部分があるのは確かであり,なぜそうなったのかを自己反省し,その反省を今後の幹事会の運営に生かしたい.
・土木計画学委員会が社会にどのように貢献したかについて記録を残しておくべきである.それをしっかりと社会に説明できなければ「きちんと検討してきた」ことを世に示すことはできない.長期的にはコードの提案,短期的には事例の分析が重要と考える.
・学会として標準のコードを示すことは必要であり,その際,「一般の人でも使える」「一般の人に説明できる」という視点が重要である.
・一つの結論を導くのはデータや手続き上困難であると思う.一つの結論でなくても関連する意見を整理して世に示すことでも意義はある.
・これまで,土木計画学では計画や評価の考え方を十分に整理してこなかった.計画場面には様々なステークホルダーがいることをこの機会に考えなければならない.
・ 全国大会や計画学発表会においても,市民向けのセッションについては無料にするなど,運営の工夫についても検討が必要である.
・ 計画学では「交通プロジェクト(モード別)説明評価マニュアル/コード」の作成を早急に検討すべきである.幹事会の戦略部門で早速に検討していただきたい.
・ 以上の意見交換を踏まえ,政策重点課題プロジェクトでは,越澤副委員長を中心に各プロジェクトの検討スケジュールおよび成果イメージについて検討するとともに,まずは2003年度の春大会,秋大会に何をすべきかを早急に検討することとなった.
・ また,幹事会の戦略部門では,交通プロジェクト(モード別)説明評価マニュアルの検討の準備として,既往のマニュアルの整備状況を把握することとなった.まずは,各幹事がどのような情報をもっているかについて谷本幹事がフォーマットを作成しメールにて配信し,それに対して各幹事が回答することとなった.

9.土木計画学委員会構成案について

・ 小林幹事長より資料1,6に基づいて説明がなされた.幹事会の機動力を高めるために,ルーチンを担当する部門と戦略・企画立案を担当する部門に幹事会を再編成したい.情報・広報についても戦略的に取り組めるよう組織を見直したい.それらを踏まえて,土木計画学研究委員会運営内規の改正を検討したい.
・ 谷本幹事より,資料「土木計画学委員会再編成案」に基づき新構成案について説明がなされた.迅速な対応が必要な場合の意思決定組織として「政策運営会議」を設置し,その会議の構成員は,三役,運営部会および戦略部会の代表幹事,情報局の幹事が当たることとなった.委員長へのコンサルティング,具体的な問題を解決するための人材バンクとして「戦略構想懇談会」を設置することとなった.各地域,業界,官庁での情報を迅速に収集するために「情報提供者」を指名し,情報局への情報提供を依頼することとなった.具体的な人選やインセンティブの確保については今後の課題である.
・ 政策関連の論文も積極的に取り上げていただくよう,林委員長が土木計画学研究編集小委員会に働きかけを行うこととなった.
・ 夏合宿の後,各組織の任務の概要を新構成案に書き込んだ資料を夏合宿欠席の幹事に配信することとする.その対応は谷本幹事が担当する.(10/17に対応済)
・ 土木計画学研究委員会運営内規の改正は夏合宿を終えた後にWGを幹事会で構成して検討することとなった.
・ 各組織は任務の具体案を提出することとなった.
・ 萩原幹事より,幹事会を再編成するに当たって,幹事会業務のスクラップアンドビルドを検討すべきであるとの意見が出された.これに対して杉山幹事より,土木学会が現在検討しているホームページの改善の取り組みと連携することで幹事会業務の節減がなされるのではないかとの意見が,小林幹事長よりワークショップの機能は政策縦断課題プロジェクトに実質的に引き継がれていることから,政策重点課題プロジェクトに関する業務は幹事会業務を大幅に増やすものではないとの意見が出された.

10.その他

・ 第2回の土木計画学研究委員会を本年度の秋大会第二日目(11月3日(日))の午後に開催することとなった.幹事会は,一日目に設定が可能であれば開催することとする.これまでの経緯と今年度の活動計画を各小委員会から提出していただくこととなった.
・ 工藤学会担当にどの案内をどの範囲に出してもらうかについて。
・ 林委員長より,各政策重点課題プロジェクトの主査は,計画学発表会や全国大会時に開催される土木計画学研究委員会にぜひ参加していただきたいとの要望が出された.「幹事会にはオブザーバーとして参加いただくよう案内を出す。
・ 林委員長より,科学研究費を各政策重点課題プロジェクトから申請していただきたい旨要望が出された.
・ 林委員長より,需要予測政策重点課題プロジェクトでは道路交通に限定しない計画全般を対象とすべきとの要望が出された.また,参加するメンバーについては公募することとなった.
・ ワークショップおよび分科会は廃止することとなった.
・ 土木計画学委員会紹介パンフレットを作成することとなった.
・ 継続的に情報収集を行う.
・ 今後,ワンティセミナーをより活性化していくこととなった.