「航空輸送に関する高度なモデル化ならびに統計分析に関する技術検討小委員会」の委員公募のお知らせ
さて,過日開催されました土木計画学研究委員会におきまして,土木計画学研究小委員会「航空輸送に関する高
度なモデル化ならびに統計分析に関する技術検討小委員会(委員長 竹林幹雄)」設置が承認されました.
つきましては,本研究小委員会の構成委員を下記の期間で募集いたします.
募集期間:2010/12/01-2011/01/31
本小委員会の設立趣旨を以下に示しますので,ご一読いただき,趣旨にご賛同いただける方は下記まで電子メール
でご連絡ください.
竹林幹雄(神戸大学 海事科学研究科):takebaya@kobe-u.ac.jp
石倉智樹(東京大学 社会基盤学研究科):ishikura@csur.t.u-tokyo.ac.jp
なお,ご質問等についても竹林・石倉までご連絡ください.
よろしくお願い申し上げます.
竹林幹雄
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小委員会名称「航空輸送に関する高度なモデル化ならびに統計分析に関する技術検討小委員会」
1. 設置動機
90年代以降,世界的な規模で航空輸送における規制緩和・自由化が進行し,輸送市場は拡大の一途にあるといえ
る.このような中で,従来の商慣習に囚われない,新しいビジネスモデルを携えて市場に登場した航空会社も少な
くない.代表的なものは,低費用航空会社/LCCであることは論を俟たない.このような新しいビジネスモデルの登
場は,ややもすると沈滞化する航空輸送市場を活性化するという意味では非常に喜ばしいことである.しかし,一
方で,航空輸送市場の構造をより複雑にし,効率的な空港運営を行うために,より高度かつ複雑な経営評価モデル
を必要とするようになった.
四方を海で大陸と隔絶された我が国において,航空輸送は海上輸送と並ぶ国の対外公益の死命線である.長年に
わたり国内需要あるいは日本発着の国際輸送需要に応えるため,需要追随型の空港整備・運営を行ってきた.この
ため,特段戦略的に市場を開拓することもなかったため,需要がある程度頭打ちになった現在,多くの空港で需要
不足に悩んでいる.このような状況を打破するために,航空自由化に活路を見いだした感はあるが,具体性は今も
って見えない.その原因の一つに,戦略的な航空政策,空港経営立案のための,方法論の不足があると考えられる.
現在のように,市場構造が複雑化した中では,従来行われてきた「利用者(需要側)」にのみ焦点を当てた方法
論ではすでに対応することはできない.サービスの供給側である「キャリア」側の行動にも着目する必要がある.
さらにはその上位にある空港管理者,政府の行動と市場との関係も明示的に議論されることが望まれよう.本小委
員会は,こういった従来の需要分析手法を,今日的問題意識により整理するとともに,戦略性を持った航空政策,
空港運営を実現するための方法論,およびそれに関連する各種最新の技術的課題を取り上げ,考究するものである.
2. 小委員会で取り上げる課題
本小委員会で取り上げる主な課題は以下の通りである.
1) 供給側の行動分析
2) 需要側の行動分析
3) 統合型市場モデル
4) 航空輸送と地域経済
5) 航空貨物輸送におけるハブの設置
6) 高速鉄道網整備と国内航空輸送
7) 遅延とリカバリ
1)2)は従来,交通工学,産業組織論などで議論されてきた方法論,市場構造を今日的視点で再構成するものであ
る.すなわち,需要側においては,価格弾力性の違いなど多属性の考慮,ロイヤリティ,動的な需要変動など,供給
側では競争構造の違い,アライアンス・コードシェアの影響,イールドマネジメントなどが挙げられる.3)は従来検
討・提案されてきた市場モデル・需要予測モデルを精査し,より実情にあった,かつ理論的にも整合性を持つ市場モ
デルを提案するものである.すなわち,従来整理されてきた方法論に加え,より拡張性に富むモデリング概念を提案
し,4)以降の複合課題に取り入れるものである.4)以降は,航空輸送に関わる複合課題であり,4) 準動学的視点か
ら地域経済と航空需要とのインタラクションを考える,5) 市場構造から考えられる貨物ハブの最適立地場所選定基準
の推定,6) 欧州ですでに議論が始まっている高速鉄道網整備による航空需要への影響推計,7) 航空需要が拡大する
ことによる深刻なディレイの影響を最小化するための方法論などである.
3. 小委員会設置期間と開催頻度
本小委員会は,2010年度土木計画学研究委員会で承認された場合,速やかに委員募集を告知するとともに小委員会
を組織し,2010年度末までに少なくとも1,2回の会合を持つこととする.活動期間は申請承認から委員の公募を行う
が,公募期間は2ヶ月とするため,2011年2月から3カ年とする.
開催頻度は年5,6回を予定しており,設置期間終了時には成果の公表と技術の普及を目的としたワンデーセミナー
を開催する予定である.
4. 構成委員原案
発足時での組織構成(幹事会)は以下の通りである.
(小委員会委員長) 竹林幹雄 神戸大学教授
(幹事) 石黒一彦 神戸大学准教授
(幹事長) 石倉智樹 東京大学准教授
(幹事) 大井輝夫 パシフィックコンサルタンツ(株)総合計画部国際航空調査室長
(幹事) 花岡伸也 東京工業大学准教授
小林潔司 京都大学教授
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