平成14年度 第1回「設計役割」研究小委員会 議事録
日時:平成14年11月1日(金) 1600-1800
場所:土木学会会議室
出席者(敬称略):駒田、椛木、岩田、高木、盛川、石川、大友、松井
議事:設立主旨の確認と初顔合わせ、今後の活動方針
資料
1-1 土木学会コンサルタント委員会「設計役割」研究小委員会の設立について
1-2 第三小委員会(設計役割小委員会)委員名簿
1-3 土木学会運営組織図、第8期コンサルタント委員会組織・体制図(平成14年9月)、他
1-4 コンサルタント委員会HP更新に関するお願い
1-5 設計(業務)体系とコンサルタントの役割 関連図書・資料
1-6 平成13年度の多様な入札契約方式の実施状況について(国土交通省)HP資料、他
1-7 設計・施工一括発注方式導入検討委員会報告書(平成13年3月)抜粋資料 、他
参考資料 コンサルタントの役割(設計施工一括方式関連)資料
追加資料 デザインビルドの3タイプ、羽田再拡張新聞記事、コスト構造改革関連資料、等
議事内容
1.設立主旨の確認
2.委員紹介
3.コンサルタント委員会における本委員会の位置づけ確認(資料1-3,1-4)
4.今後の活動方針について(各委員による自由討議)
・設計施工一括発注方式(国交省)は平成9年度あたりから増えてきている。
・シールド工法などコンサルに技術蓄積の少ないものでは設計施工一括発注になじむと考えるが、そうでないものもあり、発注方式として、これらはきっちり分けて考える必要がある。
・国交省の設計施工一括発注実績をみると、ごく一般の工事も対象となっており、明確なビジョンが見えない。現状はコンサルタントの図面が現場で使えない等の指摘への対応、談合防止、建設費圧縮、民間技術の活用等、現在の発注システムが抱えている課題解決の一方法として試行されていると考えるのが適当。
・設計施工発注方式の事例として「羽田再拡張」の経緯と顛末は、技術論だけでなく、業界間の競争、発注後の価格上昇に対する備えの不備、等の課題も見えて、示唆に富む。
・欧米のデザインビルドの方式は3タイプに分けられる。日本のものはそのどれにも属さない独自のものとなっている。(これがよいかどうかは別だが)なお、イギリスでは設計・施工は分離。
・コンサルタントの収益の大半は、施工に関与する実施(詳細)設計部分である。設計施工一括方式はその意味でコンサルタントの収益を奪いかねない。
・昭和34年に「公共事業における設計・施工分離の原則」に関する建設事務次官通達が出ていること、その後、昭和43年にダムや水門を対象に設計付き工事契約の通達が出た経緯は頭に入れておきたい。
・会計法上は分離が原則となっているが、例外も規定されている。
・建築の例では生産システムとうまくマッチして初めて設計施工一括のメリットが出るようだ。建築に多い民間発注ではリスクとペアで発注されている印象が強い。
・発注者は「いかにタイムリーに調達するか」ということが基準になりつつある。
・いいものを安く早く、民主主義はコストがかかる、といった原則は普遍と考えて良いのでは。
・これからはエンドユーザー(納税者)の納得という観点が大切。これからの本委員会の議論の枠組みはこれらのことを満足するものということでよいのでは?
以上のような議論を通して、
・本委員会は始まったばかりであり、各委員の本問題に対する理解の程度もまちまちであるため、ここしばらくは自由に本音で討議しコンセンサスを創っていく方針とした。
・会議の方法として、発注者のゲストスピーカーをお呼びするのも良いとの意見がでた。
次回委員会日程と宿題
次回までに、各委員が今後の方針、等について、委員長にメールで報告することとした。(期限:11月中)
次回は12月6日(金)1600-1800 とする。なお、会議終了後懇親会を行うこととした。