平成15年度 第3回「設計役割」研究小委員会 議事録
日時:平成15年10月3日(月) 15:00〜17:45
場所:土木学会会議室
出席者(敬称略):椛木、岩田、高木、石川、大友、船越、盛川(記)
注)今回から潟Iリエンタルコンサルタンツ・船越博行氏がメンバーに加わった。
議事:設計役割について
・土木における設計の定義
・各事業段階における「設計」の役割
・各事業段階での「設計」を担う者は?
資料
3-1 前回議事録
3-2 委員からのレポート
1.設計の定義、各事業段階での「設計」を担う者などについて
設計の定義に関しては、以下の2通りに分けられる。
@どのような構造物を作るかという企画構想の上流部門まで含めた一連の作業(広義の設計)
A設計計算、図面作成に代表される、構造物の要求性能を満足するように諸元(形状寸法)、使用材料を決定する作業(狭義の設計)
従来の土木構造物は「官」が主導して構造物を作っていた背景があるため、官の見方では設計者は「官」だとする理解も多く見受けられる。事実、発注者側では土木構造物では構想段階、企画段階のプロセスも「設計」と考える担当者が多く見られる。
しかし、今後は土木構造物を官が「買う」立場に変わりつつあることと、デザインビルド方式など土木構造物を企画構想するプロセスでの主体の変化、入札契約方法などの変化に伴って「設計」を担う主体にも変化の様相を見ることができる。
本小委員会の議論は、「設計」を主体的に担うと期待される建設コンサルタントの役割から出発していると考えると、
@建設コンサルタントをもっと活用して
A建設コンサルタントに独立した地位を与えて
B建設コンサルタントの担う仕事を、その成果を認めて
という点に集約されるのではないだろうか。
そのためには、海外では広く見られるようにコンサルタントが構想企画段階から発注者の代行が行なえるようにステップアップできる方策を議論してゆくと共に、「設計者の役割」から設計者の代表としての「建設コンサルタント」の役割に方向付けした方がよいのではないか。土木構造物では、特に構造物としての妥当性、経済性などについて、企画構想段階の重要性が大きいため、上流部門まで含めないと真に納税者の付託に応える事ができないのではないか。
したがって、
・狭義の設計作業をさす「設計」と上流部門まで含めた「コンサルティング」を分けた上で、
・現状として狭義の設計の中心的な役割を担っている設計者(建設コンサルタント=設計者の
代表)が、上流部門の構想・計画にどう関与、提言できるかの視点で
設計者の役割を考えてゆくのが一つの方法ではないか。
2.次回予定
・12/2(火)15:00〜 18:00「建築における設計者の役割(仮)」について
建築家・武田光史氏の講演(話題提供)
― 以上 ―