エンジニアリング・デザイン教育 特別シンポジウムを開催

コンサルタント委員会(日下部治委員長)は教育企画・人材育成委員会(依田照彦委員長)と共催で、07年2月7日に土木学会講堂において、 エンジニアリング・デザイン(以下、EDと略す)教育をテーマに特別シンポジウムを開催した。 今回のシンポジウムは「エンジニアリング・デザイン教育の実現に向けて」というタイトルのもと、前半は報告、後半はパネル・ディスカションの2部構成とした。

報告では最初に日下部治東京工業大学教授から、大学教育や科学技術の役割の歴史的変化及び近年の国際化の進展の中での問題解決型教育としてのED教育の 必要性と、今後の必要な対処について報告があり、続いて大学での参考事例として、福田大輔東京工業大学助教授から同大学における学生の創造性育成に向けた 各種取り組み例、及び横山功一茨城大学教授から同大学工学部における、道の駅を対象とした都市システム工学設計演習の紹介があった。 次いで、河村潤子国立高等専門学校機構理事から高専教育のこれからについて、高専で養成する技術者像や産業・社会の課題解決を学習に導入する例などの紹介、 及び佐藤之彦JABEE基準委員会委員(千葉大学教授)からED教育に対するこれまでのJABEEの取り組みと2007年度版「認定基準の解説」におけるED教育に関連 する事項などの紹介があった。

最後に駒田智久コンサルタント委員会ED教育研究小委員会(以下、小委)委員長から、ED教育に関する最近1〜2年の土木学会での検討経緯やその成果(中間含む)、 及びその実現に向けて考えられている今後の予定について報告があり、その中で、「産」の側の支援・協力の必要性や、ED教育発展の為のEDそのものの社会的認知の 必要性が言及された。

後半のパネル・ディスカッションでは、前掲の横山、河村、佐藤氏に矢崎勝彦委員(小委)が加わり、田中弘幹事長と浦瀬太郎委員(小委)の進行のもと、 ED教育実現に向けての諸課題の考え方と具体の対応をテーマに行われた。具体には、それぞれの立場でのED教育のとらえ方や必要性、カリキュラムへの ED教育の取り入れ時期とその方法、教材の必要性とその内容、評価方法などについて意見交換がなされた。

今回の特別シンポジウムには教育関係者は勿論、コンサルタント・ゼネコンなどから多数(約70名)の参加があり、パネリストと会場の参加者との 活発な意見交換も数多くあり、ED教育について関心の高さと今後への期待の大きさを感ずることができた。

なお、平成19年度全国大会共通セッションに新(仮)テーマとして「EDとその教育−創造と統合、その能力向上に向けて−」を応募して選定された。 このセッションに、EDそのものから始まる多くの講演が集まる事が期待される。

                  
(コンサルタント委員会 委員・幹事 東泰宏)

パネル・ディスカッションの様子

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