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所在地:福井県勝山市遅羽町千代田〜本町二丁目 地図
事業者:福井県土木部勝山土木事務所 |
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氏名
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所属(当時)
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役割
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村西隆之
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東京コンサルタンツ株式会社 |
・デザイン方針の立案
・構造設計(管理技術者) |
篠原修
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東京大学大学院工学系研究科社会基盤工学専攻教授 |
・デザイン全体の指導
・橋梁デザインの提案 |
南雲勝志
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ナグモデザイン事務所 代表 |
・高欄、照明、親柱のデザイン
・色彩検討 |
石井信行
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東京大学大学院工学系研究科社会基盤工学専攻助手 |
・橋梁構造に関する指導 |
植村一盛
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東京コンサルタンツ株式会社東京支店 |
・橋梁ディテールの検討
・実施設計 |
福井県土木部道路建設課
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事業方針、設計管理、関係機関との調整 |
福井県勝山土木事務所
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施工に関する総合調整 |
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どしゃぶりの雨の中、現地を訪れた。霧にかすむ雄大な自然を背景に、その勇姿は自然とのスケールの関係が悪くなかった。橋に入っていくシークエンスも、うねるような曲線を進行方向に見る視点が独特の風景で悪くない。とにかく、豪雨の中の橋の姿は悪くない。勝山というところは、恐竜のふるさとといったキャッチコピーで知られるように、少しくおどろおどろした様相を呈し、そんな雰囲気には適っていた。その写真を見た誰もが悪くはないと思い、優秀賞になった。しかし、問題も多い。橋の袂部分の照明器具はとってつけたようだし、構造物の四角いだけの断面も、人間の視点からはオーバースケールだ。別の審査委員から提出された晴天時の車や人が動き回る写真もあまり感心しない。それでも優秀賞に選ばれたのは、現地に至る道筋にあるその他多くの橋とはまったく異なる存在であることと、たとえ雨天時とはいえ、地域特有の風景のなかでの存在の確かさだったのだろう。メンテの状態もあまりよくないようだが、今回の受賞を機に、そのあたりが改善され、長く市民が愛着の持てる橋になることを期待する。(江川)
支間90m弱、中規模の下路アーチ橋である。写真を見ると、橋の幅員に比べてアーチリブの幅が大きく、一見ぼってりとした印象があって、デザイン賞の候補としては素通りしてしまいそうになった。ところが、風景の中にぽつんとたたずむ姿に何故か訴えかけてくるものがあった。積雪の多い地域では、付着した雪の落下のため、橋門構や上横構が必要な下路アーチやトラスは嫌われる。勝山橋では、この問題を解決するためにいわゆるポニータイプ(橋門構や上横構を省略する構造)を採用し、アーチリブが単独で自立できるように大きな幅を持たせているが、どうやらこのことが独特なプロポーションを与えたようである。そしてもう一つ、アーチリブの灰色がかった青緑色が、背景の山々の中で不思議な雰囲気を醸し出す要因になっているように感じられる。
地方道ゆえの悲しさであろうか、必ずしも十分な維持管理が施されているとはいえなかった。受賞をきっかけに、より手厚い手入れがなされることを期待したい。(西川)
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