Civil Engineering Design Prize 2003, JSCE
Civil Engineering Design Prize 2006, JSCE
New Tomei Expressway Shibakawa Viaduct
所在地:静岡県富士郡芝川町内房  地図
事業者:中日本高速道路株式会社
授賞対象者
氏名
所属(当時)
役割
小松原哲郎
日本道路公団静岡建設局富士工事事務所所長 第二東名高速道路の道路構造全体デザインコンセプトの作成、全体構想決定
猪熊康夫
日本道路公団静岡建設局建設部構造技術課長 第二東名高速道路長大橋梁群のデザインコンセプト作成、構想決定、上部工設計ディテールの作成
高橋昭一
日本道路公団静岡建設局富士工事事務所構造工事長 第二東名高速道路芝川地区の景観・環境保全の具体的な提案とその実施設計/施工統括管理
加藤敏明
大林組東京本社土木技術本部構造技術部グループ長 基礎・橋脚構造・仮設工の構造詳細・施工法立案および工事施工
中島豊茂
オリエンタル建設東京支店技術部設計チーム課長 上部構造の構造詳細・施工法立案および工事施工
日本道路公団静岡建設局富士工事事務所
(現・中日本高速道路株式会社
横浜支社富士工事事務所)
地元自治体との協議、橋梁等土木構造物設計のデザインに関する総合調整、設計施工監理
ストラット・リブに支持された床版を有するPC橋の設計施工に関する技術検討委員会
(財団法人高速道路技術センター)
デザインコンセプト及び技術課題のアドバイス
講評
予想していたとはいえ、急峻な山岳地に架かるこの橋を外部から眺める視点は、やはり驚くほどなかった。しかし、だからこそ逆に、この状況下で真摯な仕事をされた技術者たちの姿勢が鮮明に浮かび上がったと思う。誠実にエンジニアリングを洗練させていくことも、土木デザインの一つの方向性であることをこの橋は示している。ただし、できる限りのことをやったというだけでは、評価はされてもデザイン賞の授賞対象にはならない。この橋には、構造美学的な造形のセンス、ディテールが示す技術的練度があった。
ところで、選考に当たってこの橋はある物議をかもした。供用しているどころか、舗装も道路付属物(標識、照明、防護柵など)も施工されていないこの橋が、それでも橋梁本体として応募できるのは、むしろ土木ならではの「常識」なのだが、それと市民感覚との乖離が露呈した機会だったのだ。むろんそのこととこの橋の評価には何も関係がない。この橋が議論の機会を与えてくれたということをいっている。本賞制度の今後の課題としたい。
(小野寺)

第二東名は延長の7割が橋やトンネルなどの構造物ではなかったかと記憶している。旧日本道路公団では、当初からコスト低減の圧力下で技術的な様々なチャレンジが続けられてきたことも承知している。張り出し床版を支えるストラット付きPC箱桁形式は、海外の事例からも経済的優位性がある程度予想できたが、検討に検討を重ねた結果、上部構造で15%の工費節減を達成し、その軽量化も相俟って下部構造のコストも大幅な低減にも成功している。きわめて理詰めの構造設計であるが、部材の接合部など、一つひとつまじめに造り込まれた結果がデザインの評価を引き上げているように感じられた。大口径深礎杭の施工に竹割型構造物掘削を採用し、斜面の改変を最小限に抑えていることなどもデザインのレベルアップに寄与していると思われるが、山岳部の高速道路の持つ宿命でもある、その姿を一望できる場所を探すのがやさしくないことが本橋の最大の難点である。(西川)

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