Civil Engineering Design Prize 2003, JSCE
Civil Engineering Design Prize 2007, JSCE
Shitsumi-Ohashi Bridge
所在地:島根県飯石郡飯南町志津見  地図
事業者:国土交通省 中国地方整備局斐伊川・神戸川総合開発工事事務所
授賞対象者
氏名
所属(当時)
役割
藤原浩幸
国土交通省 中国地方整備局
斐伊川・神戸川総合開発工事事務所
調査設計第一課 設計係長(設計当時)
志津見ダム出張所長(施工当時)
実施設計/施工統括監理
関係機関との調整
篠原修
東京大学大学院工学系研究科
社会基盤工学専攻教授
「志津見ダム付替道路景観検討委員会」の委員長として景観設計方針の総括指導
寺田和己
アジア航測(株)道路・橋梁部 基本構想立案、デザイン提案
城石尚宏
アジア航測(株)道路・橋梁部 構造検討・実施設計
正司明夫
オリエンタル建設(株)技術部 全体施工計画立案および工事統括
志津見ダム付替道路景観検討委員会
デザインコンセプトの立案、構造形式の選定
国土交通省 中国地方整備局
斐伊川・神戸川総合開発工事事務所
事業方針、設計施工監理、関係機関との調整
アジア航測株式会社道路・橋梁部
予備設計および詳細設計の実施
オリエンタル建設・富士ピー・エス
特定建設工事共同企業体
施工計画の立案および施工
講評

中国山地の神戸川にかかる志津見大橋は、なかなか美しい橋である。右岸側が切り立ち、左岸側はなだらかな斜面から構成された非対称で凹んだ逆三角形状の地形と橋のスパン割り、桁厚がうまくフィットしている。地形と構造物をどう調和させればよいのかは、土木構造物のデザインの中でも難しく、重要な観点の一つであるが、志津見大橋は上手に地形の中に収まっている。橋の上部を水平にしたことも地形とのなじみをよくしている。橋脚のデザインは大変スッキリしており、落橋防止工の形状はシャープで橋脚の形をスマートにしている。柱のトラス材の色は緑であるが、特に気にならない。橋の袂に道の駅ができており、そこは志津見大橋の絶好のビューポイントである。派手さは無いが、よくデザインされた橋である。(島谷)

PC箱桁橋は、外ケーブル工法が導入されて以来、ウェブコンクリートの軽量化による経済性を追求しながら、波形ウェブを経て志津見大橋のトラスウェブへと進化してきた。こんなに早くデザイン賞の対象になるほど洗練されることになるとは、というのが第一印象。
実際に訪ねてみた志津見大橋は、山々が折り重なる中国山地を遠景に、ややゆったりとした谷を渡っていた。左岸の橋台に隣接する支点上を最大として、両岸に近づくほど桁高が直線的に小さくなる逆三角形の桁の側面形状はシャープな印象を与えるが、谷の地形とよく調和している。細かく見るとトラスの三角形のモチーフをうまく使った統一されたデザインが施されており、橋脚側面の処理や支点を隠すような天端の形状もすっきりとして嫌みがない。
本橋は建設が進む志津見ダムの上流にあり、谷間は将来ダム湖になる。ダムが完成した折りには、水面にその姿を映す橋をまた訪ねてみたい。(西川)

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