所在地:神奈川県横浜市栄区笠間町~上郷町 地図
事業者:横浜市下水道局河川設計課(当時)、横浜市栄土木事務所
氏名 |
所属(当時) |
役割 |
吉村伸一 | 横浜市下水道局河川部 | ・自然復元整備:発案・設計 ・ふるさとの川整備事業:計画統括 ・川辺の道、稲荷森の水辺:計画設計 |
西澤政雄 | 横浜市下水道局河川部 | ・稲荷森の水辺、扇橋の水辺、坊中の水辺:デザイン調整、関係者調整 |
花田芳実 | 横浜市下水道局河川部 | ・坊中の水辺:関係者調整 |
川崎 健 | (株)ラック計画研究所 | ・ふるさとの川整備事業:全体計画及び基本設計の総括 |
前田文章 | (株)ラック計画研究所 | ・ふるさとの川整備事業:全体計画及び基本設計のデザイン提案 |
神谷 博 | (株)設計計画水系デザイン研究室 | ・ふるさとの川整備事業:全体計画及び基本設計のデザイン提案 |
松井正澄 | 株式会社アトリエトド | ・川辺の道:デザイン提案 ・扇橋の水辺空間整備:デザイン提案 |
池田正一 | 株式会社龍設計 | ・水辺拠点(扇橋~尾月橋):デザイン提案 ・扇橋・青葉橋 ・葉月橋:デザイン提案 |
岡村晶義 | (有)アトリエ鯨 | ・川辺の道(日東橋~青葉橋)等:デザイン提案 |
伊東 孝 | 日本大学理工学部社会交通工学科 | ・扇橋・葉月橋:デザイン助言 |
長島孝一 | (株)AUR建築・都市・研究コンサルタント | ・いたち川プロムナード:全体計画・設計総括 |
山路清貴 | (株)AUR建築・都市・研究コンサルタント | ・いたち川プロムナード:デザイン提案 |
横浜市下水道局河川部河川計画課・河川設計課 | ・いたち川自然復元事業:新規事業の執行決断 ・ふるさとの川整備事業:関係機関等の調整 |
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横浜市栄土木事務所 | ・いたち川プロムナード整備:計画・執行 ・自然復元・ふるさとの川整備工事:監理 |
いたち川は2005年最優秀賞の和泉川と二人三脚で進められてきた川づくりである。川から沿川空間を取り込む整備へ、治水機能から環境機能へと広がる限界への挑戦の足跡を辿る「博物館的河川」といえるもので、若い技術者には必見の川である。1982年度の初期のコンクリートの直線の河道は、建設後30年を経て景観的には良好に改善されたが、生態系の復元は難しいことがわかる。計画段階での法線形の設計が重要であり、治水機能のみの河道計画、用地計画では限界があることを証明している。環境機能を位置づけた河川法であるが、環境を考慮した河川用地のあり方の議論が必要で、今日多自然川づくりが限界にきた原因と思われる。いたち川の平成元年度以降の整備は沿川の用地や道路事業を取り込んで、自然に近い川と緑の沿川環境が達成されている。個々の設備のデザインの工夫は横浜らしく、コストパフォーマンスが優れた質の高いものである。(北村)
従来型の標準単断面構造の河川をいかに修景、自然回復できたか、川らしさへの復元の技術とデザインの変遷が表現されている。
排水機能に特化した護岸、河床を緑化し、自然な流れの回復をめざした区間、河道のみならず周辺の緑地、学校、道路との用地や事業調整による一体的なデザイン、景観の修復を行った区間、旧河道や支川、隣接山林、住宅地等を川を軸としたまちづくりの発想で整備した区間であり、計画の視点、工法の変遷、進化が見てとれる。この履歴の表現が応募者の意図と思われる。区間を俯瞰してみると、この作品は水系という軸と流域という面を強く意識した川とまちのデザインであり、遊ぶ、集うといった暮らしと自然の共存が意識されている。また、河川以外の隣接用地、事業との調整が統合的なデザインの成果となったと考えられ、これも土木デザインの要件と思わざるを得ない。 (山道)
従来型の標準単断面構造の河川をいかに修景、自然回復できたか、川らしさへの復元の技術とデザインの変遷が表現されている。
排水機能に特化した護岸、河床を緑化し、自然な流れの回復をめざした区間、河道のみならず周辺の緑地、学校、道路との用地や事業調整による一体的なデザイン、景観の修復を行った区間、旧河道や支川、隣接山林、住宅地等を川を軸としたまちづくりの発想で整備した区間であり、計画の視点、工法の変遷、進化が見てとれる。この履歴の表現が応募者の意図と思われる。区間を俯瞰してみると、この作品は水系という軸と流域という面を強く意識した川とまちのデザインであり、遊ぶ、集うといった暮らしと自然の共存が意識されている。また、河川以外の隣接用地、事業との調整が統合的なデザインの成果となったと考えられ、これも土木デザインの要件と思わざるを得ない。 (山道)