所在地:大阪府大阪市浪速区難波中2-8 地図
事業者:南海電気鉄道株式会社
株式会社髙島屋
氏名 |
所属(当時) |
役割 |
大井昇二 | 株式会社大林組大阪本店建築事業部建築設計部 | ・商業棟設計 | 牧野雅一 | 株式会社大林組大阪本店建築事業部建築設計部 | ・商業棟設計 |
渡辺豪秀 | 株式会社日建設計設計室 | ・オフィス棟設計 |
田上慎也 | 株式会社日建設計設計室 | ・オフィス棟設計 |
ジョン・ジャーディ | ジャーディ・パートナーシップ | ・商業棟デザイン協力 |
本プロジェクトの敷地は、南海電鉄難波駅の高架鉄道と高架の高速道路に挟まれた都市的な窪地である。この3.3haの敷地に「都市と人と自然との融合」をコンセプトに、超高層住宅1棟、超高層オフィス1棟と段丘状の商業施設が建設された。高層棟は景観的にはそれほどの特徴はないが、セットバックしながら段丘の人工地盤にひろがる1.15haの自然緑地は、カオス的な都市環境に突如出現した「緑の丘」の様相である。2階から8階まで続く小さな階段や路地には様々なデザインの小広場や庭が連続的につながり、極めて魅力的な構成となっている。気持ちよさそうな場所には必ずベンチがあり、子ども連れやカップルに楽しい空間を提供している。また各階の小広場や庭から多くの店舗にアクセスできるため、いわゆるボックス型の再開発ビルにはない店舗の屋外性、接地性が確保されている。まるで公園の中に小さな店舗が立地しているような錯覚さえ感じさせる巧みな演出である。(卯月)
大阪・難波といえば、京阪神地方に住む人たちにとってかなり固定的なイメージを想起させる土地柄ではなかったかと思われる。このプロジェクトはそのイメージをガラリとかえさせるインパクトをもったものであろう。なによりもここに創出された緑量の大きさとそれが竣工後の時間を経て、さらに増幅されていることが最大の要因である。ほぼすべての緑を支える人工地盤上の植栽基盤は、構造的にみれば、上部にいくほどステップ状にセットバックする建築の屋上にある。しかし、そのことを感じさせない連続性が確保されていて、低層部から階段やスロープを経由して、さながら緑濃い森に覆われた丘を登るような空間体験の場を提供する。また、その道程で時折振り返る眼前には、豊かな緑を前景に難波の街を望むことができる。このプロジェクトは、商業施設の緑化という範疇の枠をはるかに超越したものであり、緑の創造が都心における建築計画の重要な課題となっていることを実感させるに十分な存在感を醸し出している。(宮城)
大阪・難波といえば、京阪神地方に住む人たちにとってかなり固定的なイメージを想起させる土地柄ではなかったかと思われる。このプロジェクトはそのイメージをガラリとかえさせるインパクトをもったものであろう。なによりもここに創出された緑量の大きさとそれが竣工後の時間を経て、さらに増幅されていることが最大の要因である。ほぼすべての緑を支える人工地盤上の植栽基盤は、構造的にみれば、上部にいくほどステップ状にセットバックする建築の屋上にある。しかし、そのことを感じさせない連続性が確保されていて、低層部から階段やスロープを経由して、さながら緑濃い森に覆われた丘を登るような空間体験の場を提供する。また、その道程で時折振り返る眼前には、豊かな緑を前景に難波の街を望むことができる。このプロジェクトは、商業施設の緑化という範疇の枠をはるかに超越したものであり、緑の創造が都心における建築計画の重要な課題となっていることを実感させるに十分な存在感を醸し出している。(宮城)
photo:河野博之
photo:河野博之
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