氏名 |
所属(当時) |
役割 |
島谷幸宏 | 九州大学大学院工学研究院教授 | ・企画立案 ・虎居地区及び推込分水路のデザイン監修 |
小林一郎 | 熊本大学大学院自然科学研究科 教授 | ・曽木の滝分水路のコンセプト形成 |
星野裕司 | 熊本大学大学院自然科学研究科 准教授 | ・曽木の滝分水路のデザイン監修 |
小林清文 | 株式会社大進 技術第1部部長 | ・虎居地区及び推込分水路の設計 |
伊東和彦 | 株式会社東京建設コンサルタント九州支社河川構造部上級技師 | ・曽木の滝分水路の設計 |
国土交通省九州地方整備局川内川河川事務所 | ・事業の実施 | |
曽木の滝分水路景観検討会 | ・曽木の滝分水路に関する意見取りまとめ | |
株式会社大進 | ・虎居地区及び推込分水路の設計 | |
株式会社東京建設コンサルタント | ・曽木の滝分水路の設計 | |
九州大学流域システム工学研究室 | ・虎居地区及び推込分水路のデザイン支援 ・景観水理模型実験の実施 |
|
熊本大学空間情報デザイン研究室 | ・曽木の滝分水路のデザイン支援 | |
熊本大学景観デザイン研究室 | ・曽木の滝分水路のデザイン支援 |
提出された資料を見てこれが激特事業でできるのかと思ったが、現地を見てその大胆かつ繊細なプランニングにさらに驚かされた。一般的な河川改修事業であっても、これほどまでに丁寧に設計・施工することは大変なことであろう。
曽木の滝分水路では、どの場所が該当するのかを探し出すのが困難であった。自然の地形や地質を見極め、その特性に沿った河道掘削を行ったあかしであり、まさしく、これが土木のデザインである。また災害発生から短期間で計画、合意形成、設計、施工を行い、その後の地域資源の活用策として河道内のウォーキングなどを実施していることも、素晴らしいことである。今後、ぜひこのような活用策を継続的に実施していただきたい。
推込分水路は、地質や土地利用状況などの影響により長大法面が発生しているが、曽木の滝分水路で発生した自然石をうまく配置し、違和感を軽減する努力がされている。
この2か所の分水路と比較すると、虎居地区の整備がやや人工的に見えるのが残念である。(椛木)
ダイナミックなスケールながらも丁寧に計画されており、時間の経過による変化を長く見守りたいプロジェクトである。審査の過程で議論になったのが、石とコンクリートの使い分け、管理用道路の幅などであった。個人的には、このスケールのプロジェクトの評価においてその点は微細な部分なのではないかと思う反面、この議論がこのプロジェクトのデザイン評価における本質的な問題を象徴しているとも感じた。
ダイナミックなのかヒューマンスケールの欠如か、成長する自然か未完成な空間か、日常的な快適さか災害時のリスク回避か、どちらもデザイン評価の中では大事なポイントであるが、両方を満足させるのは難しい。ハードの整備だけではなく、運用ソフトの整備や利用する個人のポテンシャルも求められる。分水路周囲に園路を設けながらも立ち入り禁止看板がついているプロジェクトの現状は、そういう点ではまだ完成形ではなく、今後の活用に大きく期待したいと思う。(戸田)
曽木の滝分水路では、どの場所が該当するのかを探し出すのが困難であった。自然の地形や地質を見極め、その特性に沿った河道掘削を行ったあかしであり、まさしく、これが土木のデザインである。また災害発生から短期間で計画、合意形成、設計、施工を行い、その後の地域資源の活用策として河道内のウォーキングなどを実施していることも、素晴らしいことである。今後、ぜひこのような活用策を継続的に実施していただきたい。
推込分水路は、地質や土地利用状況などの影響により長大法面が発生しているが、曽木の滝分水路で発生した自然石をうまく配置し、違和感を軽減する努力がされている。
この2か所の分水路と比較すると、虎居地区の整備がやや人工的に見えるのが残念である。(椛木)
ダイナミックなスケールながらも丁寧に計画されており、時間の経過による変化を長く見守りたいプロジェクトである。審査の過程で議論になったのが、石とコンクリートの使い分け、管理用道路の幅などであった。個人的には、このスケールのプロジェクトの評価においてその点は微細な部分なのではないかと思う反面、この議論がこのプロジェクトのデザイン評価における本質的な問題を象徴しているとも感じた。
ダイナミックなのかヒューマンスケールの欠如か、成長する自然か未完成な空間か、日常的な快適さか災害時のリスク回避か、どちらもデザイン評価の中では大事なポイントであるが、両方を満足させるのは難しい。ハードの整備だけではなく、運用ソフトの整備や利用する個人のポテンシャルも求められる。分水路周囲に園路を設けながらも立ち入り禁止看板がついているプロジェクトの現状は、そういう点ではまだ完成形ではなく、今後の活用に大きく期待したいと思う。(戸田)