最終更新日−2005/09/16
現行の鋼橋の設計で用いられている解析手法は、はり理論や格子桁理論をもとにしている。これらの解析法では、計算の簡便性も重視され、多くの仮定が用いられている。そのため、解析精度は必ずしも高くなく、実橋で計測された応力値が設計時の値を大きく下回ることも珍しくない。
一方、近年のコンピュータ技術の進歩は目覚しく、はり理論や格子桁理論に基づく解析法が開発された数十年前に比べると、コンピュータの利用環境は著しく改善されている。また、有限要素法の発展も著しく、多様な機能を備えた有限要素法プログラムが数多く販売されている。10数万程度の有限要素を用いた構造解析であれば、容易に実施できる環境が整っている。
以上の状況を踏まえれば、設計で用いる解析法を再考する時期に来ていると考えられる。3次元有限要素解析を積極的に取り込んだ設計法を開発すれば、鋼橋の設計は数段合理的になり、建設費削減にもつながることが予想される。
このような観点から、本研究小委員会では、3次元有限要素解析をベースとした設計法の開発を検討する。そのために、まず既設鋼橋を対象として3次元有限要素解析を行い、実測値との比較により、その有効性を検証する。その際には、3次元有限要素解析における実橋のモデル化についても検討を加える。これらの検討を通じ、鋼橋の実際の変形挙動を調べ、設計時の仮定と比較する。この段階で得られた成果をもとに、3次元有限要素解析ベースの設計法を提案するものである。
委員長 | 山口栄輝 | 九州工業大学 |
幹事長 | 奥井義昭 | 埼玉大学 |
委員 | 野中哲也 | ヤマト設計 |
野上邦栄 | 都立大学 | |
日野昭二 | 八千代エンジニアリング | |
藤川敬人 | 新日本製鐵 | |
長井正嗣 | 長岡技術科学大学 | |
中村聖三 | 長崎大学 | |
中川知和 | 神戸製鋼所 | |
池田学 | 鉄道総研 | |
丹羽量久 | JIPテクノサイエンス | |
大橋治一 | パーソンズ | |
村越潤 | (独)土木研究所 | |
曽我部紀人 | 横河技術情報エンジニアリング | |
斉木功 | 宇都宮大学 | |
森猛 | 法政大学 | |
森田千尋 | 長崎大学 | |
松田浩 | 長崎大学 | |
小林篤司 | パシフィックコンサルタンツ | |
小野秀一 | 施工技術総合研究所 | |
小島圭一 | トーニチコンサルタント | |
小西拓洋 | 首都高センター | |
小室雅人 | 室蘭工業大学 | |
勝俣盛 | 川田工業株式会社 | |
酒井修平 | 日本道路公団 | |
山川悦代 | 三井造船 | |
山下彰彦 | 日本文理大学大学院 | |
斎藤亮 | 首都高速道路公団 | |
今井富士夫 | 宮崎大学 | |
高橋実 | (独)土木研究所 | |
荒木秀朗 | 構造計画研究所 | |
見原理一 | JIPテクノサイエンス | |
岩崎栄治 | 長岡技術科学大学 | |
王慶雲 | 日本車両製造 | |
稲葉尚文 | JH試験研究所 | |
井田一成 | 株式会社長大 | |
依田照彦 | 早稲田大学 | |
安田昌宏 | CRCソリューションズ | |
山田敦 | JFEエンジニアリング | |
増田高志 | 宮地鐵工 | |
高田和彦 | 横河ブリッジ | |
熊野拓志 | 川鉄橋梁鉄構 | |
川添啓示 | 日本鉄塔 | |
(順不同,敬称略) |
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