最終更新日−2005/09/16
国内の鋼橋建設は,過去50年間で急速な増加を遂げ,戦前,および戦後の早い時期に建設され,現在も交通路として供用されている鋼橋とともに,膨大な鋼橋のストックを構成しています。これらの鋼橋の中には,土木構造物としての機能を果たしつつ,同時に歴史的,文化的な価値を認められているものも数多くあります。
今後,鋼橋建設工事の大半は,補強・補修が占めることが予測されている中で,歴史的鋼橋についても大規模な補修,補強の機会が増えるものと考えられます。この場合,公共構造物として安全性の確保と同時に,歴史的遺産保全の視点も取り入れることが社会的な要請となってきており,学会倫理規定でも歴史的遺産の保存に留意すべきことがうたわれています。
一方では,早くから橋梁建設が始まった欧米では,鉄・鋼橋を始めとする土木構造物の文化的,歴史的評価が進んでおり,エンジニアリング・ヘリテッジの保存,修復,維持が重要な課題となっています。
このような状況に鑑み,本委員会では,今後増加が予測される歴史的鋼橋の補修・補強において,望ましい方向を示すための各種の調査を行い,マニュアルの策定を目指しています。なお,すでに調査を終了した歴史的鋼橋のデータベースのメインテナンスも行っています。
歴史的鋼橋の補修・補強に関する研究の必要性について,歴史的鋼橋の保存,土木構造物としての機能といった多岐にわたる面から確認をする。このため事例調査を国内の鋼橋,海外の鋼橋,建築の保存修復なども対象として実施し,同時に社会的ニーズとして歴史的建造物保存・修復といったことへの社会一般への理解,国(文化庁)のスタンス,土木学会倫理規定の第11項の「歴史的建造物の保存・・」の背景,土木史研究委員会の近代化遺産調査等々の調査を実施する。
歴史的鋼橋の補修・補強に関する具体的工法に関する調査を実施する。歴史的,文化的な側面の保存・補修条件を満たしかつ,土木構造物としての安全性,信頼性を確保するための工法に関する調査,研究を実施する。
平成15,16年度の調査を踏まえて,「歴史的鋼橋の補修・補強マニュアル(案)」の策定を実施する。
H15.06.30 第1回小委員会
小委員会発足の経緯,旧委員会成果の紹介,委員会活動の方針
H15.08.07 第2回小委員会
調査分担について,各調査項目に関する報告
H15.10.09 第3回小委員会
各調査項目に関する報告
H15.11.18 第4回小委員会
H16.01.21 第5回小委員会
H16.03.17 第6回小委員会
H16.05.18 第7回小委員会
H16.xx.xx 第8回小委員会
H16.xx.xx 第9回小委員会
H16.11.17 第10回小委員会
H17.01.19 第11回小委員会
H17.03.16 第12回小委員会
H17.05.16 第13回小委員会
委員長 | 五十畑 弘 | JFEエンジニアリング(株) |
幹事 | 神田 恭太郎 | 川鉄橋梁鉄構(株) |
中村 一史 | 東京都立大学大学院 | |
委員 | 金澤 克義 | 葛エ梁メンテナンス |
金吉 正勝 | 日立造船(株) | |
紅林 章央 | 東京都建設局 | |
小西 純一 | 信州大学 | |
小西 日出幸 | 日本橋梁(株) | |
籠田 彰 | 石川島播磨重工業(株) | |
坂野 昌弘 | 関西大学 | |
堀井 滋則 | (株)横河ブリッジ | |
山田 健太郎 | 名古屋大学大学院 | |
山本 哲 | (株)横河ブリッジ | |
渡部 鐘多朗 | (株)サクラダ | |
連絡幹事 | 向山辰夫 | パシフィックコンサルタンツ(株) |
(50音順,敬称略) |
このページに関するご質問,ご意見などは,歴史的鋼橋の補修・補強に関する調査小委員会連絡幹事の向山辰夫(tatsuo.mukouyama@tk.pacific.co.jp)までお願いします。