クリップメモ 1998年7月号

 

コージェネレーションシステム

 コージェネレーションシステムは,電気と熱あるいは動力と熱を同時に発生させてエネルギーを供給するシステムのことです.発電機の動力源となる原動機には,ガスエンジンやガスタービンあるいは燃料電池などが使用され,稼動時に排出される排ガスや冷却水からは熱を蒸気や温水として回収して,給湯や冷暖房に利用するものです.ひとつのエネルギーから2つ以上の有効なエネルギーを発生させることからコー(co=共同の)ジェネレーション(generation=発生)という名称で呼ばれています.

 コージェネレーションシステムは,必要なエネルギーを需要家のいる建物で製造できるオンサイトシステムとなるため,送電ロスがなく,従来の発電システムで捨てられていた排熱を有効に回収して利用することができます.

 このため,総合効率は従来の35%に対して,70〜80%の大幅な省エネルギーとCO2の排出削減に貢献できるシステムといえます.(渡部英二) 

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世界最大の水力発電所は?

 世界最大の水力発電所「イタイプ」は,ブラジルとパラグアイの国境にまたがって建設されています.両国間に流れるパラナ川を7km余りにもわたり4種類の型式のダムでせき止め,18基の発電機により最大出力1 260万kWの発電能力を得ています.イタイプ水力発電所は,この“発電能力”が世界一なのです.わが国では,150万kWの中部電力の奥美濃揚水発電所が最大の水力発電所ですから,その大きさは8.4倍です.また,ダムにより1 350km 2の貯水池ができましたが,これはなんと琵琶湖の約2倍の広さです.1996年の実績では,この発電所だけでブラジルの26%,パラグアイの88%の電力需要が賄われました.

 イタイプ水力発電所は,1983年に運転を開始してからすでに10数年を経ているわけですが,現在中国で建設が進められている三峡プロジェクトには,1768万kWの発電所(2003年に一部運転開始予定)が計画されており,これが完成すると一位の座を明け渡すことになります.

(関連するおもしろいホームページ:http://www.coptic.net/Egypt/Wonders/Modern/itaipu.html(北條明)

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RCD工法

 わが国で開発されたダム施工法のRCD(Roller Compacted Dam-concrete)工法は,ゼロスランプの貧配合コンクリートをダンプトラック等で運搬し,ブルドーザーにより敷均し,振動ローラーで締固める工法です.

 従来のダムコンクリートは,スランプ3〜5cmで施工されていましたが,ゼロスランプコンクリートを使用することにより,コンクリートダムに発生する温度応力を緩和し,ダンプトラック等の汎用機械による大量機械化施工を可能にし,日本のダム建設技術水準の高さを世界に示しました.(片山光也)

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