土木学会誌2月号モニター回答

グローバル社会と日本の競争力

 日本の土木技術者が海外で仕事をすることは全然珍しいことではないが、日本と外国の文化の違いなどは肌で経験しないとなかなか理解できない。自分にも短い期間であるが、3年間の海外勤務経験があり、この記事は大変おもしろく読めた。これから海外に出る機会のある人は、このような記事に常にアンテナを張っておいてほしい。
 一つだけ、日本と外国の大使館について私の理解しているところを述べると、外国の大使館には商務部というのがあって、自国企業の海外進出を大いに支援している。日本大使館はそのような活動は全くしていない。本当に日本政府が全くしていないかといえば、実はそうではなく、通産省の関係団体である日本貿易振興会(ジェトロ)の海外事務所が外国大使館商務部のような役割を果たしている。但し、やっていることは全く逆。日本企業の海外進出も要請があれば支援するが、通常は我が国の貿易黒字解消のため、外国企業の日本進出を支援している。日本はお人好しである。
(北海道開発局 池田憲二)

 3年前に国際会議に出席させてもらったことがありますが、ガイドの方から「外国の方々から日本人同氏(しかも男同士)でかたまっている(群れている)風景を見ると非常に異様にうつるため、極力参加している各国のエンジニアと会話をしたり、食事をとるように心がけて下さい」と聞かされました。
 そこで、会議開催中は展示会場に出向いて情報交換を行ったり食事も各国の方と共にしようと心がけてみましたが、何せ会話についていけず、語学力のなさを痛感した次第であります(10年間の英語教育は何だったんだ、これを機会に英語を勉強しようと心に誓ったのですが、日常業務の忙しさにかこつけて、つい挫折してしまいました)。
 自分が国際会議に出席して感じたことが随所に見られ、国際化に向けて日本人がどのような方向に進んでいくべきか、日本の果たすべき役割など、非常に興味深く読ませていただきました。
((株)大林組土木技術本部技術第四部 佐々木徹)

 グローバルスタンダードやISO規格の普及など日本経済にも確実に国際化の波が押し寄せている。三菱総研の團野氏の意見はズバリ国際化のあり方を本質的に捉え大変読み応えがあった。
 島国日本が培ってきた風土が今の日本経済のソースとなっている。暗黙知と以心伝心でコミュニケーションする。日本人にはディベートする能力が不足している。日本製品の品質は良く、会社間取引きも誠実である。一方で海外経営戦略など大局的な「ものの見方」に欠ける。
 團野氏の提起する3つの提案をあらためて肝に命じたいと思う。異文化を理解する努力と自国の文化の勉強など今後も幅広い視点での学習が大切であると痛感した。
(CRC松島研究所 小川真一)

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