土木学会誌2月号モニター回答

ダムの維持管理と高度利用

 建設省河川局と土木研究所による21世紀に向けての河川技術政策は、河川工作物を維持管理、運用業務に関わるものにとって、21世紀へとつづく技術開発のあり方を考えるとき大いに参考になります。ダムを取り巻く課題も洪水処理や安全管理からはじまって、環境保全、そして近年では、水運用や堆砂対策も流域全体の物質循環を考えた課題に変化しつつあります。ここで話は、少々飛んでしまいますが、そろそろ花粉症の季節です。人間のからだも、最近では管理が人間ドックやら良い薬に恵まれて、ずいぶん無菌、完全な状態になってしまったようです。しかし、花粉症は、それがための抵抗力不足による結果とも言われています。ダムの堆砂からはじまって、冷水、濁水長期化、富栄養化の課題も、実は、ダムにとって完全に解決するのではなく、どのように付き合ってゆくか、という課題なのかも知れません(本当は解決した方がよいのですが)。
(電源開発 喜多村雄一)

←戻る