土木学会誌3月号モニター回答
プロジェクトリポート 日本最大級の徳山ダム
私が住んでおります名古屋市は、濃尾平野に位置し、ことに西部の揖斐川下流域は、木曽三川が集中する全国一のゼロメートル地帯であります。平成2年9月に起きた台風19号による大垣市内の水害はよく話題になることであります。
記事を拝見して、徳山ダム計画の歴史が、1957年にまでさかのぼり、多くの方々のご尽力によって悲願達成した過程がよく分かりました。
「自然と共生したダムづくり」のテーマから、ワシタカ類をはじめ多様な生態系を保全する対策や、横山ダム堆積土砂の有効利用また、木の根株等を粉砕・緑化基盤材に活用するなどの積極的な取り組みが行われ、環境への配慮が随所に現れていると思いました。
((株)熊谷組 坂部光彦)
記事の題名を見てとても期待したけれども、読んでみてがっかりという感じだった。
計画されて以来半世紀、移転の問題や建設必要性の論議、公共事業見直し等々のハードルを乗り越えてきた大事業だけに、興味を持っていた。
しかしながら、「自然と共生した」という謳い文句に反して、近年頻繁に話題になるワシタカの問題にしても、これからの解明を待つといった程度の内容にがっかりした。
これまで、大規模公共工事が行われるたびに繰り返されてきた「こういった自然との共生をします云々」の、事業者が用意するパンフレットに書かれている以上の情報の得られない内容の乏しい記事だった。
(石川県小松工業高校土木科 根石 修)
ワシタカ問題などがクローズアップされがちだが,きちんとモニタリングし,自然と共生したダムづくりをしているとの学識経験のある第三者によるこうしたレポートは重要である.このようなダムに関する中立的な視点の記事を新聞などのマスコミも取り上げてほしいものである.
(室蘭工業大学 矢吹信喜)
徳山ダムの下流にある横山ダムだけでは横山ダムだけでは、木曽川の治水は不可能なのか?素人の意見で申し訳ないが、徳山ダムを造るメリットというのは、本当にあるのかと疑問に思った。吉野川や長良川の可動堰の建設の際、公共工事の見直しが問題となってきたが、いったん動き出すと止まらない日本の公共事業の体質がこのダムの建設にもでているのではと感じられてならない。
(匿名)
小さい頃、家の近所にダムができました。徳山ダムに比べることも恥ずかしいような小さなダムでしたが、子供心にダムの形に関心があったことを覚えています。土木工事では自然改変が少なからず生じますが、その影響をできるだけ小さくしようとする努力が伺えました。自然との共生は手間がかかり、コスト面から見ると必ずしも効果的なものではないと思いますが、守っていくべき大切なある種のルールだと思います。工事完了時には、どれだけ工事前から環境が変化したかの評価なども報告していただきたいと思います。
(建設省土木研究所 林 昌弘)
←戻る
Copyright 1996-2000 Journal of the Society of Civil Engineers