土木学会誌11月号モニター回答
国境を越えた水の運搬移動
この論説のなかで紹介されていたプロジェクトは、多くの障害によって中断しているようです。21世紀は水問題の世紀でもあります。論説にもあるように、技術、水利権、国際関係、そして国際規模の環境問題とボーダーレスの課題に取り組まねばなりません。議論だけでなく、地域を越えた本当の意味での行動できるプロジェクトが問われるものと思います。それには、一人ひとりの「水」の重要性に対する再認識が重要であり、その小さな行動、すなわち小さなプロジェクトが、この論説のなかの大きなプロジェクトのブレイクスルーになるのではないかと思います。
(電源開発 喜多村雄一)
今後の地球社会は深刻な水不足に直面すると予測されている中、国境を越えて自国の水資源を他国へ融通するという構想はとても素晴らしいことだと感じた。また、南極の巨大な氷山をサウジアラビアまで運搬する壮大なアイデアは、数々の障害があって実現されていないとのことであるが、是非それを克服し実現してもらいたいと思う。
このようなスケールの大きい構想に対して、日本の国内事情はどうであろうか。年によってバラツキはあるものの渇水状態になる地域はほぼ決まっているようだ。水資源に限らず、新たな施設を整備して需要を補う発想から、市町村や都道府県、場合によっては地方をも越えた融通策を、コストや環境に与えるインパクトなども含めたトータルな視点で考えてみる必要があるのではないか。
(五洋建設(株)水流正人)
←戻る
Copyright 1996-2000 Journal of the Society of Civil Engineers