土木学会誌1月号モニター回答
総論 未来都市を考える
高度成長期以降,我が国においては右肩上がりの傾向にあった経済活動を牽引役として,都市規模の拡張を続けてきた.近年の環境意識の高まりとともに経済活動の沈滞傾向が,都市化の勢いにブレーキをかけており,記事中にもある「逆都市化」の傾向を示している.また市民の間にも生活の豊かさや家族関係を改めて見直そうとする気運が感じられる.
一方,我が国の国力を考えると,ある程度の経済回復が望まれるが,21世紀の成熟型都市の形成という視点から見れば,多くの弊害を伴う形での都市化は望ましくない.この記事を読んで,都市化の速度が鈍りつつある今こそが,「生活の豊かさとは何か? そして,21世紀の都市づくりとは?」ということを議論すべき好機であると改めて認識した.
(京都大学 宇野伸宏)
21世紀および近未来の都市像についての筆者の意見に同感できるものが多々あった。特に、都市の成長管理が行われること。都市の膨張化を抑制することであるが、このことは、外的な力によらずとも、むしろ自然と抑制される傾向にあると考えられる。景気の低迷、人口(就労者)の減少等がその要因となると考える。さらに情報化社会に伴うテレワークの普及が都市の過密化、集中化を押さえる、もしくは縮小させるようになると思う。また、高年齢化によって、都会よりも田舎に住みたいといった、現在、都市部に住む住人の意識の変化といったことも要因となるのではないか。
(日本港湾コンサルタント 山本俊介)
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