土木学会誌5月号モニター回答
特集記事のすべてがではないが、各分野で、日本の現在の基準がグローバルスタンダードとなるかそうならないかで、これからの日本の経済状況や国際的地位に大きく影響することになると思う。
そういったことを考えると、現時点での取り組みはもちろんだが、自分達の基準をどうやってグローバルスタンダードにしていくかの戦略をもっと示してしてほしかった。もちろん試行錯誤段階であるかもしれないが、今後の展望を描きにくい印象を受けました。
(日本鉄道建設公団 総務部人事課 上村雅人)
ISOに関する記事は、今後ますます重要になってくる分野だとは思いますが、日々の業務や周囲の出来事との接点が少なく感じたため、私にはあまり興味を持てない内容でした。
(匿名希望)
国際標準化と聞くと非常に公正・公平なイメージを受けるが、実際の活動においては各国各機関の利害が絡んでいることを感じた。規格作成の段階では、各国の力の大小が反映するものであってほしくない。
(五洋建設 吉田 誠)
ISOへの対応について詳しく書かれていたと思います.国際標準化の必要性や,それに対する学会の取り組みなどがよくわかりました.学会として委員会やシンポジウムなどを通してISOに取り組んでいる動きなどもわかりました.このような取り組みの成果を土木に関わる人全てに,学生にも発表してもらえればと思います.
(信州大学 生水良幸)
国際標準化という国内においての取組について、国土交通省がどう対応するか興味があって読んだ。わが国の国際規格を、WTOとTBTにおける技術仕様についてISOとCENとの整合性から、「設計の基本」を有識者からなる委員会で見直し、主に許容応力度法を限界状態設計法に変えたのは、どう変わって、どうメリットがあるかが分かった。次回は、できればもっと詳しく、また、「作用」と「性能の検証法」についてもイメージが湧くようお願いします。
(川崎市 高橋)
下水処理場の構築物などを施工するとき、いつも、土木と建築との取り合いで、その細かい差異に悩みます。学会誌でも2年ほど前(2001年10月号)に、「コラボレーションとアンビバレント」というサブタイトルでコンクリートから都市計画まで多岐にわたる特集がありました。今回、国交省でも国際化に向けて、土木と建築の技術標準を止揚させようとする委員会が開催されていることを知り、昨年10月発行の「土木・建築にかかる設計の基本」の報告書をHPより早速ダウンロードさせていただきました。現場での悩みは今後も続くと思いますが、そのときにも、設計供用期間、修復限界など先進的な概念を踏まえつつ、土木と建築だけではなく、国際化も頭の片隅に置きながら取り組んでいこうと思っています。このような上位の動向をタイムリーに紹介していただき、有意義でした。
(大阪府庁 岡田敏男)
今,私たちが普段おこなっている様々な土質調査・試験において,規格の修正が行われていることを知り,大きな変革が迫られるのではと感じました.しかし,一方では,細かく規格を設けることで,より精密かつ効率的な設計につながると期待できます.地盤環境においても同様です.長年,適当と思われてきた規格も,科学の発展で,人間に危険性の及ぼす物質が発見されるケースも少なくありません.日本の安全設計のもとに生まれた規格案を推し進めていってほしいと思っています.
(信州大学 杉山周平)
土木において溶接も重要な事項であると認識している。しかし、申し訳ないが私は溶接が不得意であり、溶接の事情は詳しくなく、最後に用語の解説があったが海外の組織名等どうにも頭で理解できなかった。ここまで知らない言葉が連発してしまうと何がなんだか分からなかった。
(川崎市 高橋)
わが国初の橋梁形式ということで,その特徴などについて興味深く読ませていただきました.また,アメリカの設計照査の例も示してあり,照査についても今まで知らなかったことなどが書かれてあり,面白い記事だったと思います.今後の構造物の安全性の評価につながることだと思いました.
(信州大学 生水良幸)
近年、設計・施工一括発注方式や総合評価落札方式など、様々な技術提案が可能な発注方式が増えている。優れた技術の開発が受注に結びつきやすくなったため技術者としてモチベーションが高まった。今回の工事はこれらの入札方式についてパイロット的な役割を担う貴重な工事であり、この工事を通して今後の入札をよりよいものにして行って欲しい。
(五洋建設 吉田 誠)
設計・施工一括発注方式を採用したプロジェクトということで興味を持って読みました。新しい構造形式が採用されたということもその効果であり、今後もこのようなスタイルが増加していくことが、技術者の顔が見える構造物を増やしていくことだと思います。しかしながら、今回新しい構造の採用にあたり、新たに委員会を設置してその構造の検討を行うということは、本来の意味での設計・施工一括方式とは順序が異なっているとも思いました。
(電源開発株式会社 笠原 覚)
図と写真をふんだんに用いていて非常にわかりやすいものであった。実際に見たことがない技術でもその概要を知ることができ、非常に勉強になる記事である。編集委員の方々には大変でしょうが、今後も是非新しい技術をわかりやすく紹介していただきたい。
(東亜建設工業(株) 小田秀人)
沈埋トンネルというものがこの世の中にあるのだということを初めて知ったのは、大学3年生の時の「土木施工」という講義の時でした。まるで絵に描いたような話だと強く感じたことを今でも覚えています。
どのような工法なのか、大まかな説明を聞けば至ってシンプルで解り易いのですが、細かい施工法を考えれば考えるほど疑問が湧く工法だと思いました。この学会誌を購読されておられる方の殆どの方が沈埋トンネルという工法自体は知っておられると思いますが、ちょっと考えて見るとどうやって施工するのか疑問に思えてくる方も多いのではないでしょうか?
今回のリポートを拝見して、あの時と全く同じようなことを感じました。「すくい上げ方式」は、今回の工事で沈埋函史上初めて採用されたとのことでしたが、説明を聞くとどうして今までなかったのだろうと思うほどシンプルで、当たり前のように思える方法に思えました。しかし、実際に自分がそれを計画することを考えると、非常に問題点が多いことに気が付きます。
新しい技術だとか史上初と言われるような物事は、概要を聞くと非常に単純で絵に描いたような事がしばしばあります。しかし、実際にそれを実現するのが難しいからこそ、それまで採用されなかった訳ですから、本当は苦労の末の実現が殆どだと思います。ただ、知識が増えるにつれて、ちょっと考えて実現性が薄いと思うようなことを諦めるのはもったいない気がします。絵に描いたような発想を大切にし、それを現実のものとするのが私たちエンジニアの楽しみであると思います。私は、沈埋トンネルを知った時の気持ちを、いつまでも大切にしていたいと思います。
(清水建設梶@佐藤将寛)
複雑な構造ということでの品質管理、工程管理など非常に苦労されたのではないかと思います。今回の施工においてどういった点が一番困難だったか、また、この方式を採用してよかった点などの感想があれば、さらにおもしろい記事でした。
(電源開発株式会社 笠原 覚)
私は、国際物流拠点の創造と言う面からも、海に接する巨大構造物の壮観さという面からも、コンテナ埠頭・周辺設備に興味があります。本記事にあるような技術面と24時間営業などサービス面の両面の発展を願ってやみません。
(東京大学 阿部敦壽)
日本の技術力を再認識させてくれるものとして、海外でのプロジェクトは目を引きます。完成後のレポートも是非読んでみたいです。
(東京大学 阿部敦壽)
通勤電車内の広告(JR東日本)にライトアップされている宮守川橋梁をみかけ、学会誌のこの記事がよみがえりました。と同時に、東北地方の一地方で行われた軽便鉄道を狭軌にという改軌工事、それにより、軽便時代のプレートガータ橋をそのまま包み込んで鉄筋コンクリートのカテナリーアーチ橋に改造、50年後の今も供用中。戦争時代という背景があったとはいえ、そのアイデアと施工の信頼性に、改築・更新、地球環境保全、地方が優先される現代にも十分通じると感動しました。今後の社会資本の整備には、一から作り直すという静的な事業手法のみではなく、供用中の様子をしっかり把握して、その諸条件を動的に反映させた設計や施工方法で行う必要があると思いました。
(大阪府庁 岡田敏男)
記事を拝読させて頂いて、以前乗車したことのある釜石線からの風景が思い浮かびました。日本のふるさとともいわれ遠野物語の舞台ともなるその風景と記事にある橋梁の姿はやはりマッチしており、愛される土木構造物として大変ふさわしいものであった。
(東亜建設工業(株)小田秀人)
特に達曽部川橋梁に関する記事は興味深いものであった.現在,都市再生が叫ばれる中,既設の古い構造物を有効活用し,再生化していく技術がこれからの時代において重要になると考えている.この達曽部川橋梁でとられた手法は,その当時の時代背景により止むを得ない選択であり,現在では河川阻害率の関係で一概には難しいかもしれないが,その技術や設計思想は今後,既設構造物のレトロフィットを行っていく上で参考になるものと期待される.
なお,私自身も列車振動の影響を受ける施工環境下のコンクリート打設を経験したことがあるが,この橋が約60年を経た現在においても無事供用されていることを知ることは,私にとっても非常に心強い限りであった.
(東海旅客鉄道梶@永尾拓洋)
非常に目を引くタイトルで是非、内容を理解したいと思って読んだのですが、残念ながらよくわかりませんでした。「公開学」ということについてもう少し詳しくご説明いただければ、と思いました。
(東京大学 阿部敦壽)
氏は旧居留地地下水渠を取り上げ,認識論的には知覚されておらず,充分な主張のない寂しい公開施設であると述べている.なるほど確かに,かつての下水道たる主張は不充分であると言えよう.しかしながら,氏が最後に丸ビルのパブリック・アートを指して,遥かに高度な芸術性と深い意味性があるとするのは,私は疑問に思える.美しい円形でさらに十分にその機能を果たしてきた地下水渠と比べて,何をもって遥かに高度な芸術性とするのか.遺産が歴史の象徴であるとするならば,2002年から将来の年号が既に刻まれていることに深い意味性があると言えるのか.私は決して丸ビルのパブリック・アートを非難するものではないが,’実体を破壊から守った次階梯としての公開学’のヒントとしては,納得し難いものがある.
当時の社会情勢や技術力を背景に,現在の遺産が遺産としての意味を持つ.これについては不足はあろうが,否定されるものではないだろう.それに優先して,公開されている現在の状態やモニュメントとしての芸術性を追求するならば,逆に実体を忘却させることに繋がりはしないだろうか.
最後に,失言があれば私の無知に因るところでありお許し願いたい.
(横浜国立大学 田中真史)
近代土木遺産が近年注目を集めるようになり、各地で保存・公開の動きがあることは関心を持つ者の一人として大変嬉しいことである。しかし、問題は山積みであり、『建物の見方・しらべ方 近代土木遺産の保存と活用』が取りまとめられているものの、ケースバイケースで対処しなければならないというのが現状であろう。無論、消滅する施設も多い。
鳥海氏は本論文で、神戸外国人居留地下水渠を、(1)存在に気付かない、(2)観光地の真中に下水を何故露出するか、等の問題点を指摘し、準専門家にさえ、そして直近の建物所有者にさえ充分な主張のない公開施設は寂しいと指摘している。また、建築における技術史的紀念性という保存概念にそった保存の展開を簡単に紹介している。歴史遺産の保存・公開では先行する建築学の専門家の指摘であり、時宜をえたものといえる。
しかし、鳥海氏は下水道について殆ど知識を持ち合わせていない方のようで、前掲書で伊東孝氏が横浜と神戸の居留地の事例を紹介していることもご存じないと思われる。
周知のように、土木学会では昨年度の選奨土木遺産の一つとして神戸外国人居留地下水渠を選定した。それには公開展示が行われていることも評価されたのではないかと考える。6月17日実施の土木史見学会でも、当初は最後にこの公開展示施設を見学する予定だったので、鳥海氏の意見はビックリさせられた。
振り返れば、第十五番館の修復公開にあわせ、この公開展示施設が神戸市下水道局(当時)で計画されたとき、第十五番館保存公開関係者からは良い顔をされなかったと聞いたことがある。したがって、そのことに配慮して、下水道局では展示を目立たないようにしたのであろう。もっとも、この公開展示施設に気付き、説明板を読んだ人々は、明治初年に建造された下水渠が今なお現役であることに感動し、また、地上に展示された煉瓦造卵型管の不思議な形が、下水を流すための工夫であることに感嘆するようである。
近代都市に必須の下水道を迷惑施設としかみない鳥海氏の考え方は、小生には全く理解ができません。かって建築家の清家氏がトイレのない家を設計したことと同根ではないでしょうか。思い出すのは、パリの街角の喫茶店屋外テラスでコーヒーを飲んでいたとき、急に街路に水が溢れてきてしばらくすると無くなったことです。これは、パリの水道が街路清掃のため放水する仕組みになっているためです。街路上の塵芥が目の前を流れていっても、平然とコーヒーを飲むパリの人々・・・。
鳥海氏は旧丸ビルの松杭の展示を、近代化遺産の保存・公開のヒントとして挙げています。この松杭を建築と土木の中間部材と考えておられることも奇妙ですが、地業は土木ということでしょうか。松杭の展示例は狭山池博物館、あるいは松矢板の展示例は江戸東京博物館にありますが、それらはどのような使われ方がされたかの展示となっています。旧丸ビル松杭はある種の作品でしかない、そう思えます。
(神戸大学 神吉和夫)投稿
ゴルフ場を造成することは、いかに周辺環境に配慮しても自然破壊に他ならない。設計者に限らず、土木に携わる人間が、自らの従事する仕事の中で、環境負荷を最小限に抑える最大限の努力をしなければならないことはもはや言うまでもないが、同時に、「ひとたび開発(破壊)した自然を修復する」とか、「自然を創出する」などということは根本的に不可能であるという、自然に対する検挙さを持ち合わせる必要もあるはずである。
(ダイヤコンサルタント 宮口直巳)
前回の記事はまさに親しみやすい土木の記事で大変読みやすかった。今回もなかなか当り前に思える配慮点について具体の例を取り上げ、現地及び周辺環境を考えた人工的な自然の作り方を語ってくれた。まだまだ、続くことを期待しています。
(川崎市 高橋)
ゴルフは気分転換や勝負の面白みがあり、私も愛好しています。ですが、若い人でゴルフをする人は減ってきていると思います。若い世代がゴルフに興味を持ってもらわないとゴルフ場の未来はないでしょう。若者に受け入れられるちょっと変わったゴルフ場ができてくるとおもしろいと思いますね。
(高知工業高等専門学校 山崎慎一)
以前,1月号で「ゴルフ場の設計にあたり,造成による雨水の流れや保水力の変化に対して,筆者はどのように考えられているのだろうか.」,と回答したモニターアンケートの疑問点が解消される記事であった.
百聞は一見に如かずで,記事中の写真を見るだけで「現況の雨水が集まり自然に池となる場所にしか池を建設しない.」,すなわち自然に逆らわなければ,地域の生態系との調和,管理費の抑制が可能となり,最終的にはゴルフ場の質に跳ね返るという設計者の基本的考えが良く分かった.記事中に筆者も書いておられるが,様々な機会をとらえて,ゴルフ場の設計・施工にあたってこのような配慮がなされていることを情報発信するべきではないだろうか.そうすれば,ゴルフ場=自然破壊のような一部の人々の誤解も徐々に解消され,海外におけるゴルフ場と同様の評価がなされるものと思われる.
最後に,疑問点を解消して頂いた筆者に深く感謝の意を表したい.
(東海旅客鉄道梶@永尾拓洋)
「あら〜,○○ちゃんだめよ〜。ごめんなさ〜い。」と言いながら本気で制する気はまるで読み取れない犬の飼い主。子供を連れて公園を散歩しているとこういう方々にしばしば出くわします。悪気がないのはわかるので,こちらもあいまいな笑みをうかべるものの,内心は,我が子に危険がおよばないかひやひやしているのが実情です。今回紹介された「ドッグラン」は,犬とともに公園を利用したい人と,そうでない人との住み分けに非常に有効と感じました。今後,こういった施設が増えてくることを期待します。
(橋本哲子)
「犬が自由に遊べる公園」と聞いて,違和感を感じました.本来,犬は自由に動き回れるはずです.この記事を読んで,「ペットとしての犬」が当たり前になっている世の中を再認識し,「人間に飼われる動物」という構図が果たして良いのかと考えさせられました.しかし,特に都心部においては飼い犬が増加し,走り回る場所もないのが現実です.この現実の中での,このような公園の整備は大変良い施策であると思いました.
(信州大学 豊田政史)
先日、神戸に住む、土木技術者を目指す若者、数人と会話をする機会がありました。驚いたことに、彼らはみな、土木工学を志すきっかけに「阪神・淡路大震災」を挙げていました。”自分が生活する都市が破壊される”という経験は、我々には計り知れない衝撃を、子供や若者に与えていたのだろうと想像しました。
「人と防災未来センター」の紹介記事を読み、震災を知らない子供や若者が、防災や街の復興に興味を持ち、土木工学を志すのではないかと感じました。それとともに、私自身も、人々の生活に土木工学が果たす役割の大きさを、改めて感じることができました。
(JR東海 杉浦禎信)
このようなセンターがオープンしているとは知りませんでした。私も当時は神戸に住んでおり、あの朝のことは忘れられません。地震で体が浮き、必死でタンスを押さえたこと、明るくなって改めて被害の大きさを知ったこと、空が煙で真っ黒で昼でも薄暗かったこと、会社が倒壊したこと、その後の避難生活で不安を抱き、助け合ったことなどが思い出されます。震災を語り継いでいこうとするセンターの研究員の皆さんの活動を知り、ぜひ一度訪れてみたいと思いました。
(高知工業高等専門学校 山崎慎一)
私は阪神淡路大震災の被災者です.8年が経過した現在でも,神戸出身というと必ず震災の話を聞かれ,その当時の話をすることが多いです.これほどまでに国民にとって強烈なインパクトのあった災害を題材とすることにより,誰もがいつ受けるかわからない災害の恐ろしさというものが,被災経験のない国民にも伝わりやすくなるのではないかと感じました.加えて,そのセンターの運営に140人もの市民ボランティアがいることを知り,たくさんの人が「自分が受けたことをみんなの教訓にしてほしい」という気持ちを持っているんだなとうれしく思いました.
(信州大学 豊田政史)
p64 学生のページ 土木とコミュニュケーション 「感謝の気持ちをこめて」素朴な「なぜ?」については、私も同じ気持ちです。しかし、マスコミにでるアレは、我々にとって反面教師の存在であり、決して忘れてはならない一番の配慮点です。
(川崎市 高橋)
この連載は大変面白い企画でした。様々な考え方があることを知り大変勉強になりました。私はもっぱら、コミュニケーションなどというものには理論やこれが正解だというような答えなど無いと思っていました。今でも、ある意味ではそう思い続けています。人間同士が意思を伝え合うのにやはりマニュアルなんて無い。人間は心の生き物ですから、うまく伝わることもあれば、どうしても伝えきれない、もしくは考え方が合わないこともあるのではないでしょうか?無理に人に合わせることがコミュニケーションではないと思っています。
しかし、どうしても自分がこれが正しい、世の中のためだと信じて止まないものがあったとします。そんな時には、やはり、それを理解してもらうためには、ときにはアプローチとしての手段的コミュニケーションというのもがあるのかも知れないと思うようになりました。特に、土木の世界では、1対1での話合いだけで物事が解決するようなことはむしろ少ないわけで、多くの人と人との関わり合いの中でお互いに納得のいく方向性を見つけようとするわけですから、感情のままに話していたのでは先に進めません。そんな時、これまでの記事にあったような考え方を元にすれば、解決できることもあると思います。
人間同士のコミュニケーションにはマニュアルは無いとは思いますが、どんな考え方や解策があるのかを知っておくだけでも、それを自然にコミュニケーションに活かしていくことができるのではないかと思います。勉強になりました。
(清水建設梶@佐藤将寛)
毎回、興味深く読ませていただきました。
「コミュニケーション」とは何なのか。それは、第4回の福田さんがおっしゃられてお り、他の皆様の行間からも読めたように「心」であり、相手の意見を聞き、自分の想いを正直に伝えることであると思いますし、それは土木事業に限らずあらゆる日常に おいて必要な心得であると思います。では、「土木事業に必要なコミュニケーション」とは何なのか。それについて考えさせられた企画であったと思います。
基本的な心得は何ら変わることはないと思いますし、それは忘れてはならないことだ と思います。しかし事業として捕らえた場合、実践においては、相手は様々なバイアスがかかっていたり、発言力の大きいひとや多数派の意見に流されたり、必ずしも合意形成がなされたことにならない部分がある。それを解決するための個々のコミュニケーションテクニックの必要性と、それを補完するファシリテーターという存在の重 要性を認識することができました。
ただ、NIMBY問題や住民側の立場を逆手に利用した発言等の問題は一筋縄ではいかないのは事実であり、住民側の変革も必要であること。また、「PI」やさらに進んだ「住民参加」はまだまだ少なく上流段階での制度の見直しが必要であること等、土木事業に対するコミュニケーションを発揮するためには、取り組まなければならない部分であると感じます。
(清水建設 影山 雄)
地球温暖化?、そういえば、京都議定書にアメリカは批准しなかったようだけれど...そんな議定書の効力がどの程度あるのかなぁと思っていたら、あの戦争、CO2のことは吹っ飛んでしまいました。そのような状況のもとでも、地道に着実に成果をあげられている組織・団体がいらっることを知り、改めて僕の認識の低さを認識しました。三村さんが述べられている社会基盤への影響については、もう少し具体的に教えていただければ助かります。例えば、防波堤の嵩上げについて、CO2による海面上昇は、今回のもう一つの特集で紹介のあった「土木・建築にかかる設計の基本」にある「作用」としては、永続作用、変動作用、偶発作用の中のどれに相当するのか、また、「設計供用期間」をどう設定するのか、などの例示あれば、より実務的に理解されるのではと思いました。
(大阪府庁 岡田敏男)
「CO2濃度と気温の関係」の記事は、CO2濃度が今日のレベルに維持されたとしても、過去に排出されたCO2濃度の変化に伴い今後も気温上昇が続き、将来的には10℃近く上昇する可能性を示唆している。
また、将来に禍根を残さないレベルにCO2濃度を安定化させるには、現状の半分以下に排出量を減少させる必要があるとも記されている。
このことは、物質循環の管理が国家的な次元のみならず、住民自身にとっても極めて身近な課題であり、物質循環(リサイクル)における出口の努力で対処できる時期は既に過ぎ、危急に入口を閉める必要があることを意味する。
真に「持続性循環型社会」を構築したいならば、技術的な問題にも増して、社会システムや文化の問題を含む、住民個々の価値観の見直し、ライフスタイルの変更を伴う再構築が早急に必要であることを、改めて考えさせられた記事であった。
(東京都 石原)
地球規模の視点、後世代への影響という点から考えると、地球温暖化は非常に重要でかつ深刻な問題であり、土木分野においても二酸化炭素排出量削減に向けた取組みが緊急の課題であると思います。例えば、渋滞の激しい道路の整備を行い、通行をスムーズにしてCO2の削減を図ったり、交通量自体を減らす目的で都市部に流入する車両に料金を課したりすること等も対策の一つであると思います。また、(既に行われていると聞きますが)公共工事の入札の際には環境対策を入札条件に取りこんだり、資機材の運搬を効率的に行うなどなど、土木分野全体として排出量削減策は数多くあり、それらに意識的に取り組むことが必要になると思います。
(電源開発株式会社 笠原 覚)
地球温暖化という非常に重要なテーマであり、将来の地球環境に対して取り返しのつかないことにならないよう対策を進める必要があると思います。地球温暖化にかかわる土木というと、温暖化後の海面上昇や、異常気象の増加等に対しての国土保全に重要な役割を果たすものと考えがちです。確かに近年の温暖化の主要な要因として二酸化炭素の排出ということを考えると、自動車交通に代表される運輸部門や、さまざまな家電を使用する民生部門のイメージが強く、これらからの排出抑制を進める必要があると思われます。しかしこれらだけでは二酸化炭素の排出を抑制するのは困難でしょう。土木においても温暖化後の対策だけでなく、二酸化炭素の排出抑制をより重視した工法や、森林を生かした土木構造物の建造を進める必要があると思います。
(日本道路公団 眞東健一郎)
地球温暖化の影響によって、近い将来インフラを利用できなくなることが予想されてきていますが、長期的にどのような政策で取り組んでいくかについては具体的に示されていません。ですが、将来必ず土木技術者の力が必要になってきます。土木業界は現在非常に厳しい情勢にありますが、教育者として、私たちの将来の社会基盤を築いていく若い技術者の育成に力を注いでいきたいと思います。
(高知工業高等専門学校 山崎慎一)
CO2問題について国際的な取り組みが詳しく書かれていると思いました.しかし,社会システムや法整備などの取り組みについては書かれてありますが,技術的な紹介もしてほしいと思いました.京都議定書を批准することは現在の技術で可能なのか気になりますし,システムだけの問題なのかまだよくわからない点があります.6月号の記事の内容に期待しています.
(信州大学 生水良幸)
私達が普段自然に生活して、経済活動を行うことで、自然界には、いかに不自然な量のCO2が排出されているのが、実感させられた。今後は、ビル建設にも緑化が義務付けられるなど、CO2の削減は、土木分野に限らず、経済分野全体の問題として、取り組まなければならない課題であろう。
しかし、逆に考えれば、削減技術をいち早く開発し、日本の削減目標以上のCo2の削減を達成すれば、技術途上国にその削減量を輸出することもできるわけで、そこに商機も内在している問題でもある。
経済が停滞している今だからこそ、各分野で積極的に取り組んでほしい。
(日本鉄道建設公団 上村雅人)
記事から、1mの海面上昇で港湾、海岸、漁港などの対策費が20兆円にも及ぶそうですが、海面上昇の影響を新たに受けるゼロメートル地帯の人口210万人、資産55兆円の防護から考えれば、早急な対策が必要だと思います。
東南海地震の発生予測などが発表され、海岸防護施設の改善が検討させていますが、温暖化による海面上昇分は、津波・高潮を考慮した護岸高さ設計に、どの程度加算されているのかが気になりました。
(五洋建設 山本省吾)
地球温暖化の影響で,洪水の危険性が増すと言われている.これまでの河川においては,50年・100年確率などのリターンピリオド的な考え方,つまり「自然は繰り返す」という前提のもとで洪水対策などが行われてきた.しかし,今後は,集中豪雨の増大などによりさらに危険性が増すというような「地球環境の変化のトレンドを考慮した」河川計画を行っていく必要があることを改めて感じました.
(信州大学 豊田政史)
改札口の有無やエレベーターなど、日本とドイツの旅客鉄道駅の相違が興味深かった。一口に”バリアフリー”と言っても、その捉え方と取り組み方は国によって異なるようであるが、外国の手法で良いものがあればわが国でも積極的に導入すべきであろう。たとえば、日本の駅でドイツの”サービスポイント”に対応する施設は”案内所”であろうが、その機能はだいぶ異なっているようである。障害者の介助員を常駐させるなど、見習う点は多い。
(ダイヤコンサルタント 宮口直巳)
日本の駅とは異なる様々な点が紹介され,興味深く読ませていただきました。特に,「ピープルムーバー」について興味を惹かれました。有効な設備だと思います。ただ,「地下連絡通路の建設よりも安くなる」との記述がありましたが,災害時やラッシュ時のことを考えるといずれにしても地下通路が必要なのではないでしょうか?この点,疑問に感じました。
(橋本哲子)
障害者には介助を付けるのが原則で、誘導案内ブロックや点字案内がないというのは、日本と比較して考えても驚きだ。ただ疑問なのは、このシステムはハノーバー中央駅だけでなく、日本でいう在来線のような小さな駅にもあるのだろうか。もし、それが実現できているのだとしたら、人的コストの問題などをどうクリアしているのか、ぜひ知りたい。
(埼玉県 小池智則)
私の所属組織がら、言うべきではないかもしれないが、鉄道はあまり好きな乗り物ではない。特に、混み合った車内、駅の混雑、階段の昇り降り、切符売り場の行列、狭く危険なコンコース・・・。もちろん改善すれば、よりよい鉄道が実現するのであろうが、日本の鉄道は、次々と建設された結果、つぎはぎだらけで使い勝手が悪い感は否めない。
この記事を読んで、ドイツの鉄道は、乗ってみたいと感じさせられた。明るく広々としたイメージが感じさせられるからである。
障害者のためのバリアフリーはもちろんだが、精神的な圧迫感を取り除くバリアフリーについても実践できれば、日本の鉄道もより使い心地がよくなるのではないかと感じた。今後の鉄道建設の参考にしてほしいものである。
(日本鉄道建設公団 上村雅人)
ドイツにおける旅客駅のコンセプトとして、サービスの拠点、情報発信基地および優良不動産との位置付けは、今後の公共交通施設のあり方として参考になるものでしょう。鉄道施設だけでなく、高速道路についてもSAを中心に同じことが言えるでしょう。私は直接そういった業務にはついていませんが、利用者の利便性を高めるという意識を常に持ちたいと思います。
(日本道路公団 眞東健一郎)
この記事でとりあげたドイツのハノーバー中央駅は大変興味深いものでした。普段、駅を利用する私は、駅は交通の結節点であり通過点に過ぎないと思っていました(そう思わせる機能しかなかった)。駅の形態しだいでもっと駅が楽しくなること、また、サービスや情報発信拠点としての機能を駅に付与することでいっそう駅は活性化し、ひいては駅周辺までも楽しい空間になる可能性があることを想像させてくれる楽しい記事でした。特に、日本の駅と異なる点は、改札がないことだと思います。いままでも、いったん改札に入ってしまうと電車を待つ時間のすごし方をもてあましてしまったり、改札を通ったあとに買い物を思い出してもあきらめるしかないようなことが多くありました。私に限らずもっと自由に改札を行き来できればと願う利用者は多いのではないかと思います。しかし、現実にはその通りになっていないことの理由には、法とか管理者側の利便性を重視する傾向が挙げられるのではないでしょうか。利用者の視点を尊重し物事を進めるようになれば日本でもハノーバー中央駅のような楽しい駅ができるのではないでしょうか。もっとも、自由さを求めるのに比例して利用者自身の自己責任も必要とされてくると思いますが。
(西武建設 関谷成人)
ドイツのハノーバー中央駅を取り上げられて具体的に紹介されていて,興味深く読みました.駅レイアウトにおける特徴として,改札口が設置されていないことを取り上げられていましたが,駅へのアクセス性を高めており,旅客以外の人も自由に出入りできるので,商業的に有益な場所であるというご意見に賛成します.改札口を設置するか否かについてはお国柄ということもあるのかも知れませんが,わが国でも意識の変化あるいは情報通信技術の発達により改札口の撤廃はあり得るでしょうか.お国柄の違いという意味では,二方向エレベーターがわが国で禁止されていたり,ドイツ鉄道では障害者に対する考え方は介助ありを原則としていたり等,どのような理由によるものなのかもう少し説明していただければよい面白かったと思います.鉄道と他交通機関との連携強化を図る総合的な駅前広場計画についても事例を蓄積してきたとのことですが,紹介する余地は無かったようで,こちらについても興味を持ちました.
(名古屋大学 山本俊行)
日本の鉄道会社とヨーロッパの鉄道会社の最も大きな違いは、本当に利用者の利便性を考慮しているかどうかだと思います。日本でも本気で考慮している鉄道会社はあるとは思いますが、私の知る限りではほとんど思い当たりません。「バリアフリー化に力を入れてます!」という鉄道会社は多々ありますが、エレベーターの設置などははっきり言ってあたりまえのことではないでしょうか。
日本の駅の最大の問題点は旅客の案内誘導、特に案内表示にあると思います。私は横浜に住んでいますが、しばしば東京方面を訪れます。そのたびに駅の案内看板のわかりにくさに困ってしまいます。東京の近くに住んでいる私でさえわかりにくいというのに、地方から来た人、まして外国から来た人に理解できるものとは思えません。しかも東京駅、新宿駅という日本を代表する駅でそんな状況ですから、他の駅でもたかが知れています。看板というものはエレベーター等に比べて経費がかかるとは思えませんし、それを作る人の気持ちをそのまま反映していると思います。「みんなにわかってもらおう」という気持ちがあればきちんとしたものができるはずですし、「あればいいや」という気持ちならばそれなりのものしかできません。こういう姿勢の違いがそのままヨーロッパと日本との差となって現れているのではないでしょうか。
(横浜国立大学 五十嵐 学)
交通結節点である総合駅の改良や,バリアフリー工事を経験した私にとって,このドイツにおける旅客設備のバリアフリー調査報告は,障害者の案内誘導,改札口(ラッチ)等の駅レイアウト,エレベーターの設置箇所,二方向エレーベーターの相違,緊急連絡装置の設置位置,ピープルムーバー等,どれをとっても今後の業務に非常に参考になるものであった.
ただし,法律の違いもさることながら,例えば障害者には介助を付けることが原則など,文化や宗教の違いもまざまざと感じさせられた.以前,旅行で行ったスイスもラッチが無かったが,「この国ではキセルは非常に軽蔑されるので,検札時の切符の紛失には十分気をつけて下さい.」,とガイドさんに言われたことを思い出し,日本でこのような性善説に立った駅レイアウトは,他の要因もあるとは思うが現実的には不可能だろうと少し寂しい気がした.
(東海旅客鉄道 永尾拓洋)
日の目を見る橋梁設計技術者・増田淳の業績 多数の設計図書類,土木研究所で発見される
増田氏の資料は、”土木史”上、貴重な発見のようであり、今後の研究が大変興味深い。この例に限らず、土木に関する歴史を研究することは重要であり、かつ、それらを後世まで引き継ぐことは、土木学会にとっては重要な使命であろう。これらの資料に関して、電子化しインターネットにより一般公開してほしいと個人的には考える。
(ダイヤコンサルタント 宮口直巳)
学会誌の目次が色分けをされ、その色がページ右端のラベルにもなっているため、非常に見やすくなったと思います。また、このアイディアが1月号に寄せられた会員の声を反映したものであることがわかり、「モニターの声」が活用されていることをうれしく思いました。
(高知大学 藤原 拓)
平成15年2月号のモニターの声で眞東さんがおっしゃっていたように、僕も、英語のリポートはしんどいです。完全な和訳を学会誌に掲載するにはスペースの関係で難しいのでしたら、タイトルや抄訳程度を掲載して、詳細の翻訳はHP上に掲載するというのはいかがでしょうか。
(大阪府庁 岡田敏男)
土木紀行(全般)
毎号、楽しみに読ませていただいています。興味深い構造物に出会った時には、是非 一度見てみたいと思うものです。しかしながら、中には地図や位置図がないものがあります。紀行文には地図がつきも のだと思います。地図を片手に読めばよいのかもしれませんが、忙しい学会員の方に は通勤中の電車の中で読まれる方もいらっしゃると思います。是非、ご配慮ください。
(清水建設 影山 雄)
最近の特集ではシステムについての特集が多いように感じます.一度技術についての特集をやってほしいです.日本が世界に誇れる技術や,将来実現できそうな技術など特集して欲しいと思います.
(信州大学 生水良幸)
学会誌で取り上げる記事として、新規の建設という内容がやはり多いように感じます。一方で今後の土木分野においては維持補修という分野も非常に重要になると思います。ダムや長大橋梁などの大規模構造物のこの分野に取り組んでいるプロジェクトをぜひ紹介してほしい。
(電源開発株式会社 笠原 覚)
モニターとなって5回目の感想ですが、衛生工学、環境工学の記事が少ないようです。これらの記事はあまりないのでしょうか。
(高知工業高等専門学校 山崎慎一)
先日,国立国語研究所が外来語の言い換えについて提案しているのを見ましたが,土木学会誌では外来語の使用について何らかの方針を持たれているでしょうか.
(名古屋大学 山本俊行)
■4月号に対して寄せられた「会員の声」に対する編集委員会からの回答
特集「自然再生と「環の国」」
企画趣旨の終わりで,「〜を一般の方々に紹介するとともに〜」という部分がありますが,学会誌を一般の方々が読むとは思えません.直前(4ページ前)での篠原氏の発言にもあり,私も納得していましたので気になりました.
(横浜国立大学 田中真史)
(編集委員会からの回答)
ご意見ありがとうございます。土木分野において環境への配慮に取り組んでいるところをお知らせしたいとの意図から記述したところであります。基本的には学会誌の読者の大半は会員と考えられ、一般の方へ意志表明の場として適切なのかとのご指摘は理解しておりますが、学会員以外への読者層の拡大も視野にいれ当該会誌の編集に留意していることもあり、学会員以外へのメッセージを意図とした企画でも良いのではと考えこのような記述としたところであります。
(機動編集C班 内山)
特集「自然再生と「環の国」
環境を評価することは,大変困難なものである.それは,ひとそれぞれの価値観が異なるからである.また,その価値観は時と場合によって左右され得る.そのような意味では,いくつかの環境評価手法において顕示選好と表明選好をおこなうことは効果的と思う.さらに,心理学を取り入れた評価を行えば,内面感情を引き出し,素直な評価になると思う.
(信州大学大学院 杉山周平)
(編集委員会からの回答)
ご指摘のとおり環境の評価は「大変困難なもの」であると考えており、その評価についてどのようなレベルにあるか、どのように評価の手法を工夫しているかをお示しできればと考えたところであります。私自身は、当該評価に携わる立場におりませんが、頂きましたご提案が、このような評価手法の確立に携わる方へのアドバイスに成り得ればと期待しております。
(機動編集C班 内山)
特集「自然再生と「環の国」
大変興味深い記事であった.そして,外部コストを考慮した社会資本整備の評価をどのようにしていくか,日々のご苦労が感じとれる内容であった.しかしながら,公共事業であればこのような評価指針は受け入れられ易いが,民間事業においてはやはり内部コスト重視であり,これはLCC(ライフサイクルコスト)の点においても初期投資のみが重視されてしまいがちなのと同様である.できれば,民間事業においてもこのような評価手法がどのようにしたら受け入れられるのか,そのために必要な環境整備は何かを示して頂ければありがたいと思っている.
(東海旅客鉄道 永尾拓洋)
(編集委員会からの回答)
官・民間・学から評価への取り組み例を集めたいと考えておりましたが、企画担当として、取り上げた範囲とともに、各分野で抱えている課題について事前の把握が十分ではなかったと感じているところであります。公共事業と民間の課題の違いを十分理解していないところですが、記事中にもありますように、当該評価指針は試案の段階であり、頂いたご意見が当該指針に反映されればと感じております。
(機動編集C班 内山)
編集委員会関連(学会誌にも掲載)
学会誌なので業界向けの記事が多くなるのは仕方ないですが,一般の方々(特に小中学生,高校生)に読んでもらう工夫を考える必要があるのではないでしょうか?(学生向けの別冊,教材を作って配布する等…)サッカー等のスポーツ界においても底辺を広げる運動が盛んにされています.同様に,土木の仕事を理解する人々を増やしていく運動が必要だと思います.
(中央復建コンサルタンツ(株) 畠中 仁)
(編集委員会からの回答)
ご指摘の点は編集委員会でもたびたび話題となります。学会誌にとっての「外部への発信」は会員への情報提供の延長上にあるというスタンスのもと、会員向けの学会誌からどのように外部へ接続するか、についてが課題となっております。これに関しては、例えば、過去の特集記事などを集めて出版する(ブックレット)、CD化して配布するなどのアイデアが編集委員会でもあがっております。この件に関しては引き続き検討して参りますが、良いアイデアがあればお寄せ頂きたいと思います。
(編集委員会)
Copyright 1996-2003 Journal of the Society of Civil Engineers