コンクリート工学に関するJSCE-SVRジョイントセミナー
(2008.6.10, スウェーデン土木構造工学会, コンクリート委員会)
JSCE-SVR ジョイントセミナー 実施報告
2008年6月10日にスウェーデンのボルスタにおいて、Swedish Society of Civil and Structural Engineers(SVR)と土木学会のコンクリート技術に関するジョイントセミナーが開催された。土木学会コンクリート委員会では、過去に台湾、モンゴル、韓国、ベトナムでジョイントセミナーを行っているが、欧米諸国とも密接な協力関係を築くため、今回はアジア以外で初めて開催されたセミナーである。ジョイントセミナーは、デンマーク、フィンランド、アイスランド、ノルウェイ、スウェーデンの北欧5カ国で構成されるNordic Concrete Federation主催のシンポジウムに特別セッションを設けて行われた。
今回のジョイントセミナーでは、テーマを「Future Perspectives towards the Development of Concrete Technologies」と設定し、6件の発表が行われた。日本からは、堺孝司氏(香川大学教授)がコンクリートの環境マネジメントについて、六郷恵哲氏(岐阜大学教授)が複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料について、中村光氏(名古屋大学教授)が時間依存型構造解析析手法について、それぞれ最新の知見が紹介された。これらの講演に対して、スウェーデンだけでなく北欧5カ国の参加者と活発な意見交換がなされた。一方、スウェーデンからは、ヨーロッパで行われている橋梁の持続可能性に関するプロジェクトや最新の補強技術が紹介され、日本同様にコンクリート構造物の維持管理が重要なトピックとなっている状況が示された。
なお、本セミナーは、土木学会学術交流基金の助成を受けて行なわれた。
土木学会コンクリート委員会国際関連小委員会
幹事長 中村 光(名古屋大学)
ジョイントセミナーの主な講演者
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