調査報告 第五報


水防活動の変化

 今まで、水防活動と言えば水防団が中心となり土嚢を積み木流しなどで堤防を守った 。今回も各地でその活動は見られたが、今深刻な課題が指摘されている。それは水防 団の高齢化である。常に(昼間でも)特定の地域にいる青年・中年層が減少する中で 水防団の団員が減り、その高年齢化が著しくなっている。
このような状況に対処するための1つの方法として、機械化による迅速で本格的な復 旧作業がある。今回、建設省は被害の拡大の報告を受けて各地区から応援も要請し、 多くの土嚢製造機、ポンプ車、クレーン車などを活用して、短時間に緊急復旧作業を 行った。その結果、堤防欠壊を免れた箇所が多くあった。今後も、このような本格的 な復旧活動への役割と期待は大きくなる。ただし、同時に問題点もある。それは、大 型機械などの現場へのアクセスである。従来は人が通れば現場まで行け作業が出来た が、我が国には大型機械では通れない細い路地や道路が多くあり、復旧作業できる場 所が限定される。機械の小型化や水防活動も考慮した都市計画・道路整備が必要であ ろう(10.9.30, 今村記)。

写真-1 阿武隈川での復旧工事の様子

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