2005年12月26日
(社) 土木学会
インドネシア・ニアス島復興支援チーム派遣について
−復興計画計画策定のための地盤調査指導支援−
社団法人 土木学会
土木学会 (会長 三谷 浩)は,2005年3月28日にインドネシアニアス島北方のスマトラ沖で発生した,M8.5の巨大地震で大きな被害を受けた地域の復興の継続的の一貫として,インドネシア工学会との協力のもと,以下の通り,復興支援チームを派遣する運びとなりましたので,お知らせします.
1.活動の背景と目的
2005年3月28日に発生したスマトラ島沖地震(M=8.5)はニアス島を中心に橋梁、港湾施設および建物・家屋に甚大な被害を発生させた。特にニアス島の中心地グヌンシトリは地盤の液状化によってライフライン等の社会基盤施設が破壊された.被災した社会基盤施設の診断や補修,また応急復旧や復興が喫緊の課題であるとして,現地州政府から(社)土木学会に対し,技術的支援の要請があった.これを受けて,(社)土木学会は4月に応急復旧・復興支援チームを編成し,被災地に派遣し,現地の行政官庁と連携し,応急復旧・復興に関しての支援・助言活動を行った.
しかし,社会基盤や都市の復興に関しては,現在でも目途が立っていないのが現状であり,インドネシア工学会から引き続き復興支援の要請を受けている.復興計画を策定するためには被災地域の地盤条件が不可欠であるが,ボーリングデータ等の地盤資料は現時点で皆無の状態である.そこで,(社)土木学会はインドネシア工学科会との協力のもとで,スウェーデン式コーン貫入試験等簡易地盤調査法を現地技術者に指導するとともに、調査結果をもとにした液状化の判定方法および地域の復興計画への反映方法を指導することを目的とした復興支援チームを派遣することとした.復興には関しては,継続的な支援が不可欠であり,今後も引き続き支援活動を拡大していく予定である.
2.活動内容
・スウェーデン式コーン貫入試験による地盤調査法の指導
・地盤調査結果に基づいた液状化の判定法および対策方法の指導
・地盤調査結果の復興計画への反映方法の指導
これらの活動を通じ,ニアス島等の被災地域の復興計画の策定に協力するとともに,専門分野の技術者の養成にもつなげる.さらには,第1回目の地震および津波(2004年12月26日)の被災地の復興計画策定にも寄与するものと考えられる.
3.チーム構成メンバー
日本より派遣
清野純史 京都大学大学院工学研究科 助教授
アイダン・オメル 東海大学 教授
三輪 滋 飛島建設(株)防災R&Dセンター 技術開発部長
遠藤 一郎 大成基礎設計(株)地盤エンジニアリング事業部
インドネシアで参加
鈴木 智治 飛島建設(株)インドネシア事務所 顧問
Yuji Fukamachi, Director, PT.GEOTEC CONSULTANT UTAMA
Mr. Farman Ali, Persatuan Insinyur
在京支援
濱田 政則 土木学会巨大地震災害特別委員会委員長(在東京 コーディネータ)
堀 宗朗 東京大学 地震研究所 教授 (在東京 復興支援資料作成)
4.期間 2006年1月1日〜1月8日
5.土木学会の窓口は、下記へお願いします。
土木学会事務局調査役 稲垣一 03-3355-3559 inagaki@jsce.or.jp