第1条 関東支部管内の土木遺産の顕彰を通じて、
(1)社会へのアピール(土木遺産の文化的価値の評価、社会への理解等)、
(2)土木技術者へのアピール(先輩技術者の仕事への敬意、将来の文化財創出への認識と責任の自覚等の喚起)、
(3)まちづくりへの活用(土木遺産は、地域の自然や歴史・文化を中心とした地域資産の核となるものであるとの認識の喚起)、
などを促すとともに土木遺産の保存に資する。
(候補対象)
第2条 選考の対象は、交通(道路、鉄道、港湾、河川、航空、灯標)、防災(治水、防潮、防風)、農林水産業(灌漑、干拓、排水、営林、漁港)、エネルギー(発電、炭田、鉱山)、衛生(上下水道)、産業(工業用水、造船)、軍事などの用途に供された広義の土木関連施設を対象とする。事業単位、もしくは、構造物単位の両方を対象とする。
なお、対象となる建造年代は、近代(幕末〜昭和20年代)に完成したものに限定するが、近世以前や昭和戦後(竣工後50年経過した段階で順次対象とする)についても考慮する。
(候補要件)
第3条 候補には「支部推薦の候補(A)」と「支部推薦の候補(B)」と「公募推薦の候補」がある。ここでいう「支部推薦の候補(A)」とは土木学会選奨土木遺産選考委員会(以下、本部選考委員会という)の「土木学会選奨土木遺産選考委員会内規第7条」における「支部の推薦によるもの」に相当し、認定書と銘板1枚を贈呈し複数必要とする場合については管理者が超過分の費用を負担するものである。「支部推薦の候補(B)」とは関東支部が独自に設定したものであり、認定書を贈呈し、銘板の費用については管理者が負担するものである。「公募推薦の候補」とは「土木学会選奨土木遺産選考委員会内規第7条」における「公募によるもの(公募推薦)」に相当し銘板と認定書の費用を管理者が負担するものである。
第4条 取り壊す予定のある物件は候補としない。
第5条 原則として国の文化財指定物件は候補としない。また、「支部推薦の候補(A)」については原則として国および地方自治体の文化財(登録物件を含む)は候補としない。ただし管理者が市町村(政令市を除く)の場合は、地方自治体の文化財であっても「支部推薦の候補(A)」とすることができる。
第6条 原則として、土木学会発行の『日本の近代土木遺産−現存する重要な土木構造物2800選』に掲載されている土木遺産とする。
ただし、この出版物に掲載されていなくても、選考委員会で適当と評価された場合は、この限りではない。
(選 考)
第7条 選考委員会は、「支部推薦の候補(A)」、「支部推薦の候補(B)」および「公募推薦の候補」を選考する。選考にあたっては上記の第1条乃至第6条の内容を満たすとともに、顕彰の第一義が社会へのアピールであることに鑑み、当該土木遺産のピーアール効果を重視してこれを行う。また、種類(橋梁、隧道など)と地域(物件の所在する都県)のバランスを考慮して選考する。
第8条 選考委員会は「支部推薦の候補(A)」、「支部推薦の候補(B)」および「公募推薦の候補」を本部委員会へ推薦する。その後「土木学会選奨土木遺産選考委員会内規第8条」に従い本部委員会の選考ならびに理事会の決定を経て選奨土木遺産が決定される。
(表彰の方法)
第9条 選奨された土木遺産の管理者、および地元と協議の上、当該年度の「土木の日(11月18日)」等の行事・イベントに合わせて認定書授与が行えるように努力する。
(土木遺産リストの更新)
第10条 リストアップされている土木遺産情報の更新、新規追加は、随時行う。また、選奨された土木遺産については、その後の保存状態や利活用実態等についてフォローアップを行う。
第11条 この細則は、選考委員会の承認により、変更することができる。
以上