関東の土木遺産 関東の土木遺産
土木遺産の概要 施設位置図 施設一覧
   
埼玉県
てらさかはし
寺坂橋
R2年度認定(2020)
1.名 称:
てらさかはし
寺坂橋
2.完成年:
明治22 年(1889年)
3.形式等:
形式:石積み単アーチ
橋長:7.5m、1径間、全幅員:3.5m、地覆幅:0.25m(両側で0.5m)
有効幅員:3.0m 橋面積:22.5㎡
4.推薦理由:
寺坂橋は、石造アーチ橋で、現在利用されている道路橋としては埼玉県内最古であり、歴史的にも重要な伊勢崎道に架けられた橋として貴重なものである。また、この寺坂橋は、近代的な切石によるアーチ橋の構造を窺い知ることのできる橋梁として、竣工時の様相を残す貴重な例であるところから、選奨土木遺産としての価値を充分に有する橋梁である。
具体的には、寺坂橋の石積みは東西両面が同じではなく、西側(上流側)側面の方が石の数が多い。この側面の切石は、いずれも角が面取りされており、アーチ脚部の両端の輪石には特徴的な五角形の盾形の切石を認めることができる。また、アーチトップの要石は他の輪石より幾分大きな略楔状を呈している。なお、アーチリングを構成する切石部分は、切石の切組積みによる構造であり、これらの部分では内側が方形の切石ではなく内部には裏込めが認められるなど、アーチ部分の切組積みの構造とは異なった工法を採用している点は、近代的なアーチ橋の地方での受容形態として注目すべき点であると思われる。
5.所在地:
埼玉県本庄市若泉一丁目60番2地先 (元小山川に架かる橋)
6.特記事項:
  • 国登録有形文化財(建造物):2008年に国土の歴史的景観に寄与しているものとして登録された。
  • 築造当初は、親柱・中柱・高欄ともに石製で、親柱4本は脚部上の橋詰部に配置され、中柱4本がその間の橋の両端に配置されていた。しかし現在は、この高欄部は鉄製に替えられている。
  • 現在、親柱4本は、中柱のあった位置に移され、中柱3本も橋の南側上流部に一列に移設されて現存する。この親柱4本には、「明治廿二年四月」と刻まれている。
  • 伊勢崎道は本庄から利根川端の山王堂河岸を経て群馬県伊勢崎に至る歴史的にも重要な道路であり、大正15年にやや西側に伊勢崎新道が開通し、賀美橋が架設されるまでの数百年わたって主要道路であった。
  • 関東地方に数少ない明治期建設の石橋の一つである。
7.PR方法:
授賞式を市役所内の市民ホールにて行い、写真や解説文のパネルを展示し、市民へのアピールを予定している。合わせて市報への掲載も行う。
8.連絡先:
〒367 8501 埼玉県本庄市本庄三丁目5番3号
担当者名:本庄市 都市整備部 道路管理課 課長 高柳徹也
TEL:0495-25-1135
FAX:0495-24-0242

位置図

詳細位置図

図面

側面から望む下流側から

写真(正面)
※起点が手前を基本

写真(側面)
※起点が左を基本

起点側正面

親柱:寺坂橋と記名

起点南側に移築された中柱

登録有形文化財銘板

当時の五洲山壮と寺坂橋
(土木学会付属図書館所蔵)

本庄市の文化財散策ガイドブックに掲載された寺坂橋

橋梁下面の様子

橋梁側面の様子
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