関東の土木遺産 関東の土木遺産
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東京都
ときわばし
常盤橋
R2年度認定(2020)
1.名 称:
ときわばし
常盤橋
2.完成年:
大正15年12月(関東大震災後の震災復興橋梁)
3.形式等:
形式:2径間アーチ橋
構造:鉄筋コンクリート石張造
用途:道路橋
規模:延長約41m、幅員約27m
4.推薦理由:
震災復興橋梁常盤橋は、日本の近代橋梁史、特に東京の中小河川における橋梁デザイン思想を知るうえで極めて重要な橋として、他の中小河川の復興橋梁の多くが戦後の交通需要の変化・老朽化に伴い落橋・改架された中にあって、今なお現役のインフラとして供用され続けており、貴重な遺産となっている。
復興橋梁として既にその歴史的価値が広く知られている永代橋・清洲橋をはじめとする隅田川の鋼製橋とは対照的に、日本橋川、すなわち旧江戸城外堀に、重厚なコンクリート橋として架設された常盤橋は、その場所性への配慮・同河川の歴史的名橋に倣った二連アーチの形式に特徴がある。
石積みで被覆されたスパンドレルに加え、橋灯を組み込んだアールデコ調の親柱、小アーチをくりぬいた欄間等、シンプルななかに繊細な意匠を取り入れた高欄周りのしつらえから、周囲に遺存する城門の石垣・大正時代の石積み護岸、石造アーチ橋等、江戸以来の歴史的景観との調和を図るべく慎重にデザインが施された痕跡が感じ取れる。
また、二連アーチの形式は、隣接する明治10年架設の常磐橋(国指定史跡)、同44年築造の日本橋(重要文化財)(ともに二連アーチ橋として現存)を代表とする関東大震災以前に架設された一連のアーチ橋への敬意の表れとして捉えられ、同河川の特質を反映した橋梁群*註1 の重要なピースとして、単体の価値を超え継承される設計思想に見るべきものがある。
*註1:日本橋川に現存する歴史的名橋の多くはアーチ橋として架設されており、Ⅰ. 文明開化期(常磐橋)、Ⅱ.東京市区改正期(日本橋)、Ⅲ.帝都復興期(常盤橋)の大きく三期にわたり、アーチ橋架設の伝統が積み重ねられてきた。常盤橋は第Ⅲ期を代表するアーチ橋である。
5.所在地:
東京都千代田区大手町二丁目~中央区日本橋本石町一丁目(日本橋川)
6.管理者:
千代田区
7.管理者連絡先:
〒102-8688
東京都 千代田区 九段南1-2-1
千代田区環境まちづくり部 道路公園課 設計係
電話番号:03-5211-4240
Eメール:
8.選定された場合に実施を予定しているアピール方法:
① 照明・高欄欄間鋳物等の滅失部の復元
② 路面の修景 等

常盤橋の現状(右岸上流から望む)

常盤橋の現状(左岸上流より壁石面を望む)

常盤橋の現状(右岸上流側親柱および袖高欄)

路面の全景(右岸より)

日本橋川のアーチ橋群と完成直後の常盤橋・各部の詳細

完成直後の常盤橋と各部の詳細(上流左岸より望む)

完成直後の常盤橋と各部の詳細(アーチクラウン部に設置された橋側灯とアーチ小窓内の鋳物グリル)

完成直後の常盤橋と各部の詳細(路面中央部に設置された橋面灯)

完成直後の常盤橋と各部の詳細(右岸上流部親柱・袖高欄、うしろに日本銀行本館(現存))
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