調査・研究内容
調査研究を進めるにあたっては、個別の災害事例について、災害規模とその時間的推移、防災計画における災害の想定、各防災拠点の配置、避難所配置と避難経路の指定、災害発生後における避難指示・誘導等の時系列的な対応、消防・警察・自衛隊の救援・支援活動の状況、道路啓開活動などについて分析をすすめるとともに、実施上想定されるそれぞれの課題について整理する必要がある。これらを踏まえ、災害時の物資の備蓄、連絡体制、災害訓練など災害時の危機対応、避難対策について有効な方策を考えるには、工学者、人文社会学者、輸送・物流事業者等の実務家、技術者が分野横断的・総合的に検討することが必須である。よって、本調査研究委員会は、広範な分野の専門家、実務家、技術者から構成し、その上で、以下の事項について検討することとする。
(1)近年の豪雨災害を事例として、防災関係機関の実務者に対して、防災計画の内容、住民への避難情報の内容と伝達に関する対応マニュアルを調査するとともに、住民の避難計画と、それに関連する道路交通ネットワークの問題点を調査する。
(2)被災した地域を対象として、市町村の担当者、区長、消防団などに避難経路の設定、災害時の避難誘導等に関する地域での取り組み、避難時の問題点などについて調査する。
(3)被災地の個々の住民に対し、災害時の避難行動(利用情報、タイミング、目的地、避難に利用した経路とその状況)を調査する。
(4)上記(1)〜(3)の調査結果を受け、水害時の避難行動の実態、避難場所の配置、避難路の指定のあり方について検討する。
(5)得られた成果は「都市水害に関するシンポジウム」等において発表する。
- 土木学会西部支部事務局
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